コニー・ウィルス著・大森望訳『航路』上
 (ソニーマガジンズ、平成14年10月刊)
 四六判、413ページ、¥1800+税
コニー・ウィルス著・大森望訳『航路』下
 (ソニーマガジンズ、平成14年10月刊)
 四六判、434ページ、¥1800+税
 臨死体験とは、死に行く脳細胞が見せる幻影か、それとも向こう側の世界からのメッセージなのか。 数多くの賞を誇るアメリカの女流作家が、その謎に挑んだ長編のメディカルサスペンス。

 臨死体験を研究している心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードの協力のもと、臨死体験プロジェクトに取り組むが、実験の志願者が次々と不適格になり、ついに自ら疑似臨死体験に挑む。そして、臨死体験に潜ったジョアンナが見た光景とは………。

 さまざまな登場人物たちが、さまざまな思いを抱えて死と向き合っている。臨死を科学的に割り切ることは、死後の世界に一抹の望みもっている人々の希望をも打ち砕きかねないが、その仕組みを解明できれば、臨死状態に陥った患者たちを死の淵から救い出すことができるかも知れない。宗教観も混じり、この作家は、難しいテーマに取り組んでいる。

 それにしても、どうしてアメリカ人はタイタニック号遭難事件が好きなのだろうか。タイタニック号事件は、歴史の浅いアメリカ人にとって「心の故郷」のようなものなのだろうか。



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