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| 阿刀田高著『脳みその研究』 (文藝春秋、平成16年5月刊) 四六版、214ページ、¥1476+税 |
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| 著者は、かつて日経新聞の連載小説『花の図鑑』の中で、次のようなことを言っており、妙に共感を覚えた記憶がある。サラリーマン出身作家ならではの箴言である。 「人生はすべて次の二つで成り立っている。やりたいけど、できない。できるけど、やりたくない。」 著者は、日常の生活を逃れたい、あるいは心に抱く夢想のようなものを巧みに描いている。本書も、表題の「脳みその研究」はじめ、九つ短編が収められているが、共通しているのは、日常湧いてくる憧れにも似た疑問が次第に展開していき、それがふとしたことから解決されるというものだが、読み終わった後に不思議な余韻を残す。いずれも、一気に読める短編である。 また、著者は、他の著作を引用し、それをふくらましていくのが、非常にうまい。本書も、谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』、サマセット・モームの『雨』などが使われ、それが重要な役割を占めている。 ○ 現実を見なけゃ一歩も進めません。でも、夢を持たなきゃアイディアは湧か ○ だれだって極度に機械化され、人間味の薄くなった現代社会の一隅におかれ |
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