愛車のコンディションのチェックは定期的に行っていますか?
故障ならともかく、パーツの性能は使用による磨耗や経年変化により徐々に低下していきます。
低下のスピードは徐々に進行するものなので、普段乗っている分には、なかなか把握できませんね。
がんばって運行前点検はしていても、乗るたびに定期的な点検では疲れてしまいます。
そこで半年くらいのスパンで定期点検を行ってみるのもいいかもしれません。
時間的に忙しいひとは、ショップにお願いしてプロの目で点検してもらうのも手です。
愛車のコンディション維持には是非とも定期点検を行いましょう。

オートバイはもちろん一般的な機械は、メンテナンス前提に設計されています。
性能を維持するには定期的なメンテナンスは欠かせません。
要するに点検によって下記二点の整備の判断を行うことにより、車体のコンディションを維持します。
@増し締めや給脂によりパーツの性能を維持する。
A消耗パーツや油脂類の定期交換により性能を維持する。

ここでは車載工具+αでできる点検方法について紹介します

左の写真はハーレーダビッドソンの純正車載工具セット
車載とはいっても、スポーツスターやダイナクラスは車載
スペースがないのであるが(悲)

工具がこれくらい充実していると、点検どころか日常の
簡易的な整備には充分使えてしまう。

工具類をまだそろえていない人は出先でのトラブル
対処も勘案して、車載工具から充実させるのも手かもしれない

ネンオシャチェブクトウバシメ


この呪文のような言葉
知っている人も意外と多いかもしれませんが、これはバイク点検時の見るべき箇所を
詰め込んだ言葉です。
私も信頼していた先輩にこの言葉を叩き込まれました。

ネン:燃料(系統)

 :オイル

シャ:車体

チェ:チェーン

 :ブレーキ

 :クラッチ

トウ:灯火

 :バッテリー

シメ:締め付け(増し締め)


この順序でみていけば、走行に必要なほぼすべての項目をチェックすることができます。
エンジンが水冷車両はこのほかに冷却水のチェックが追加されます。
定期点検記録簿チェック項目と併用して使うのがいいでしょう。

それでは、この順序で点検を進めていきましょう。
後半には定期点検記録簿に準じた項目を追加してあります。

それでは順に見て行きましょう。
もし余裕があれば洗車を行い、綺麗な状態で点検を行ったほうが効率的です。

ネン=燃料(系統) の点検

燃料ラインを目視点検します。
フィッティングからの燃料漏れの有無、燃料ホースの劣化
キャブレター周辺からの燃料漏れの有無、燃料コックの機能
などを点検しましょう。

燃料漏れは火災事故につながることがありますので、慎重に。
硬化したりひび割れたゴムホースは漏れの原因になります
ので思い切って新品に交換しちゃいましょう。
ホースはゴム部品なので消耗品と割り切ったほうがいいです。

交換するホースは、耐ガソリン性を持った専用品に交換します。
耐油ホースではなく、燃料(ガソリン)用のホースを使用します。
でないと、すぐコチコチになります。




オ=オイル の点検

2サイクルバイクの場合は、

@トランスミッションオイルの量、状態を点検しましょう。
少なかったらもちろん補充しますが、減ってしまったので
あれば減った原因をしっかりと把握しておきましょう。
オイル漏れによるものなのか、どこから漏れているのか。
汚れが目立つようなのであれば、メーカー推奨オイルに
交換しましょう。
あまり距離を乗らないバイクでも、最低1年に一回は交換する
のがベターです。

A2サイクルオイルの量を点検しましょう。
減っていたら補充しておきましょう。
2サイクルオイルは2サイクルエンジンの肝ですので、メーカー
推奨グレード以上の物を使ってあげるのがいいとおもいます。
吹けやレスポンスも大事ですが、高負荷域での油膜保持性能
や燃焼生成物が少ないものを使うことで、耐焼き付きへの安全
マージン、長期使用においての初期性能の維持を良好に保つ
ことができると思います。

吸気・排気系統のチュー二ング、ボアアップなどを行って高出力
化しているマシンには、ワンランク上の2サイクルオイルを使用
したほうが無難だと思います。
シャ=車体廻りの点検

主に足回りのガタを点検します。
ジャッキなどで点検する側のホイールを浮かせます。

@ステムベアリングのガタの点検
ホイールを浮かせた状態で、フロントフォークを前後に揺すり
ステムベアリングのガタを点検します。
次にハンドルを左右に切って、ベアリングの引っ掛かりを点検
します。

Aホイールベアリングの点検
ホイールを浮かせた状態で、ホイールを左右に揺すりベアリング
のガタの有無を点検します。ついでにブレーキの引摺りもチェック

Bサスペンションの作動の点検
車体に跨った状態で荷重をかけ、サスペンションの動作・異音
などの状態を点検します。

チェ=ドライブチェーンの点検

@ドライブチェーンの状態を点検します。
ドライブチェーンの汚れが著しい場合は、チェーンクリーナー
などを使用して綺麗に清掃しましょう。
潤滑油の状態を点検し、必要に応じて給油します。
Oリングチェーンには専用のチェーンルブを使用しましょう。
長距離の雨天走行のあとや500km走行毎に定期的に給油
しましょう。 詳しくはRKウェブサイト参照

Aドライブチェーンのたるみを点検します。
一般的にはチェーン下部での遊びが30〜40mmですので
外れている場合は規定値になるように張りを調整します。
張りすぎ、緩みすぎはチェーンやスプロケットの寿命低下や
チェーン外れの原因になります。



ブ=ブレーキの点検

@ブレーキフルードの量・汚れ(劣化)の状態を点検します。
フルードはブレーキパッドの磨耗に応じて減ってゆきますが
量がアッパーとロワレベル間にあれば大丈夫です。
ブレーキフルードは機能上吸湿性を持たせてありますので
遅くて車検ごと、できれば一年に一回は交換したほうが良いで
しょう。
吸湿・劣化したフルードをずっと使っていると、ベーパーロックの
危険性や、ブレーキ内部パーツの劣化の原因になりますので
注意が必要です。

Aブレーキパッドの摩擦材残量を点検します。
車検時には定期点検記録簿記載内容ですので、ノギスや金尺
などで残量を測定して記録しておきましょう。
一般的に厚さ2mm以下になったら交換時期です。
サービスマニュアル上の使用限度でもあります。
摩擦材が少なくなってくるとフェードしやすくなったり、効きが
低下してくるので、早めに交換したほうが無難です。

ドラムブレーキの場合は、分解点検したほうがいいのですが
インジゲーターでの残量チェックでもかまわないでしょう。
大体ドラムブレーキの新品ライニングの暑さは5mm位なので
インジゲーターの目盛りから、比率で残量を算出できます。

Bブレーキの作動状態を点検します。
ホイールを浮かせてブレーキの作動状態、引き摺りの有無を
点検します。必要に応じてキャリパーの清掃・給油を行いましょう
ク=クラッチの点検・調整

正規の順序としてはエンジン側より点検を行います。

@クラッチレバーのアジャスターを緩め、レバーに遊びを作ります

A初期型RZの場合はクラッチカバーを外して、クラッチプッシュロ
ッドアジャストボルトを締め込み、固くなった位置で止め規定回
数(1/4回)戻します。

Bクラッチレバーのアジャスタでレバー先端の遊びが10〜15mm
になるように調整します。
アジャスターの切欠きは雨水排水性向上のため下を向けましょう

※車両によって調整方法・基準値が違いますので手持ちの
 マニ ュアルを参照のこと。
 スポーツスターは こちら 参照

簡易的には(エンジン側の調整が必要ない場合)
クラッチレバーの遊びの点検・調整でかまわないと思います。
しかし一度も正規の方法での調整をしたことのない車両は
念のため、エンジン側での調整をしたほうがいいでしょう。
エンジン側での調整が不良の場合は、レバー側のアジャスター
での調整ではどうにもなりません。
最悪クラッチが滑ったり、プッシュロッドのベアリング(ボール)に
負担がかかって破損してしまったりするので注意が必要です。
トウ=灯火類の点検

@各灯火類の作動を確認しましょう
ロービーム、ハイビーム、前ブレーキ、後ろブレーキ
右ウインカー、左ウインカーのすべての灯火が正常に作動して
いるかどうかを確認しましょう。
ホーンが正常に鳴るかどうか確認しましょう。

A保安基準と照らし合わせながら確認しましょう

ウインカーの発光部(レンズ)表面積=7cu以上
(小型ウインカーにカスタムしている場合は注意!!)
ウインカーの点滅回数=毎分60〜120回で橙色のこと

バ=バッテリーの点検

@電解液レベルの点検
バッテリーの電解液がロアレベルとアッパーレベルの間にあるか
確認しましょう。それ以下の場合は蒸留水を補充します。

Aターミナルの緩みの確認。
良く緩む場所なので注意。
端子にグリスを塗布しておくとターミナル部分の腐食防止に有効

B充電状態の確認
あまり乗らない人は月に一回程度バッテリーを補充電したほうが
いいでしょう。持ちが違ってきます。
充電済みのバッテリーにテスターを当ててエンジンを掛けたら3000rpmくらいでバッテリーのレギュレータの充電電圧を確認
しましょう。RZの場合は14.5V±0.5Vです。



シメ=締め付け、ボルト類の緩みの確認・増し締め

車体各部のボルト類の緩みを点検します。
点検といってもレンチを当てることになるので、必然的に
増し締めとなります。

あっては困るのですが、航空機に事故が少ないのは、定期的な
ボルト類の増し締めを厳しく管理して行っているからと聞いたこと
があります。

特に熱のかかるエンジン廻り、マフラー、おおきな荷重のかかる
ブレーキ周りはしっかりと増し締めしておきましょう。
意外とねじが緩んでいるんですよ。
排気系やステンレスボルトを使用している部位には、ねじ山に
スレッドコンパウンドやパットグリスを使用することで、ネジの
カジリを予防できます。

増し締めの際はボルトの大きさに応じた適正なトルクで締め付け
ましょう。
自信がない場合は慣れるまで少し面倒ですが、トルクレンチの
使用が確実です。

過大トルクで締めるとボルト破損や緩みの原因になりますので
注意が必要です。
ネジは弱く締めても(トルク不足)、強く締めすぎても(座面陥没・
損傷)緩みますので注意してください。

タイヤの点検

ノギスや金尺でタイヤの溝の深さを測定・記録簿に記録します。
車検では溝の深さが0.8mm以上ないと合格しません。
またコンパウンドの状態も点検しておきましょう。
ひび割れたタイヤや経年変化で固くなったタイヤは、強度
グリップともに低下していて危険です。
安心して乗るためには、思い切って交換することが必要です。

貧乏ネタとして、タイヤのサイドウォール部分にクレポリメイトや
アーマーオールを定期的に塗布しておくと、ひび割れの予防に
なりタイヤが長持ちします。美観の向上にもgoodですね。
くれぐれもグリップ面に付かないように注意してください。

冷却水の点検

リザーバータンクを見て冷却水がアッパーレベルと、ロアレベル
の間に入っているか点検します。
少なくなっている場合は補充しましょう。
補充する際はアッパーレベルぎりぎりまで入れずに、8分目位
までの補充としたほうが、冷却水の溢れ防止となります。

基本的に冷却水は最低でも2年ごとに交換しましょう。
ロングライフクーラントの性能が維持できる年数は最大で2年位
だそうです。
時間とともにクーラントの持つ防錆性能・潤滑性能等が落ちて
くるので、定期的に交換しましょう。
※乗用車メーカーによっては、4年間交換不要の超ロングライフ
  クーラントもありますね。

スパークプラグの点検

スパークプラグの状態を点検します。

@電極の磨耗の状態
 中心電極のカドがしっかり立っているか点検します。
  →参照ページ
 角が丸まっている場合は交換しましょう。

A電極の焼け具合、汚れを点検します。
 電極・ガイシ部分の焼け色はキツネ色がベストですが、車両の
 目指しているところや走行状態にもよって異なってきますので
 難しいところです。
 カスタムを行っていないのに電極が著しく黒かったり、濡れて
 いる場合は、プラグの寿命や熱価があっていない場合があり
 ますので適正なプラグに交換しましょう。
 
 外したついでに汚れは清掃しておきましょう。


各部給油

車体の可動部を給油しましょう。
給油はラッパ(オイラー)にいれたエンジンオイルで充分です。
スプレー式の潤滑油は便利ですが、CRCなどの浸透性潤滑油
は長持ちしない傾向があります。
 →潤滑油参照ページ

・各ワイヤー類
・各レバーのピボット部
・サイドスタンドのピボット部
・ぺダルやリンケージ
・タコメーター・スピードメーターケーブル