PDの雑学メモ

薬のはなしその1・よくある質問を考える

Q:薬をお茶でのんではいけないの?

A:きっとこれは薬学部の教科書にも載っているような、基本中の基本の質問だと思います。

私自身もよく患者さんに聞かれるものの一つです。特にここでは透析患者さんの立場で考えたい

と思います。透析をされている方々は水分制限をされている方が多いと思います。なので、限られた

摂取水分をいかに有効に使っていくのかを考えた時、食事の後にお茶も飲みたい・・でも薬を飲むのに

水を飲まなくてはいけないし・・・と悩まれている方も多いでしょう。

お茶、紅茶、コーヒーなどに含まれるタンニンなどのポリフェノール類は、実験的にはいろいろな

薬物と結合します。それによってからだへの薬の吸収を妨げてしまうので、期待する効果が得られない

というのがこれまでの通説です。例えば代表例の鉄剤(貧血に処方されます)などでは、昨今の文献などを

調べるとお茶での服用は別に問題ないというものも出てきています。貧血傾向の方では鉄の吸収率が

他の人と違うので、問題がないという文献もあります。また胃の中のpH(酸性度)が上がる(酸が薄まる)と、

鉄とタンニンの結合がすすんでしまうという報告はあります。ですので、お薬は水か白湯で、

お茶はその後、少し間隔をあけてから飲むのが無難と言われます。(同時服用でも全く吸収が

なくなるわけではありません。)とはいうものの、食事の食材にもポリフェノール類は入っています。

透析患者さんの日常の注意としては、効果を確実にするためにできればお茶などではお薬は飲まない。

しかし水分制限などでやむを得ない場合でも、濃い目のお茶などでの服用はしない。

(一般的なお茶と比べ、濃いお茶は5〜6倍くらいのタンニンを含むそうです)

また、お薬を飲む時間の指示をきちんと守るということです。

 

お茶だけの問題ではありませんが、お薬はそれぞれ胃の中のpH(酸性度)によって

からだの中での吸収や動きが変わってきます。食直後は食べ物が入って胃の中の酸が薄まって

います。そのことがあまり吸収によくないと言われるお薬もあります。それだけではなく

食事の内容の影響をうけるものもあります。ビタミンの影響や、脂肪・たんぱく質の多い食事、

また食事の量の影響など、いろいろな要素がかかわりあってきます。もちろん、お薬同志の

飲み合わせの良し悪しもあります。

日頃お薬の飲み方でいろいろと指示を受けることが多いと思います。きちんと効果を得る

ために、指示を守って飲むように心がけましょう。

 

参考文献:飲食物・嗜好品と医薬品の相互作用(じほう)

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