●ネコ:腸閉塞●

食べ物がなにかの原因で、腸の中でつまってしまうことがあります。腸閉塞です。
 腸は胃から肛門までの間をつないでいる管で、その中を食べ物や水が通ります。 通っている間に食べ物を消化し栄養分を吸収します。その管に何かが詰まったり、なにかの原因で管の内側が狭くなったり、 管の外側に何かができてそれに管が押しつぶされて内側が狭くなったりすると、食べ物が通らなくなってしまいます。 腸閉塞はそういう状態です。
 食べ物でなく異物を飲み込んだとき、腸につまることはよくあることです。例えば、骨、おもちゃ、衣類、金属、石、種や実、 ボール、紐や糸です。猫は体を舐めて毛を飲み込みますから、毛球も原因のひとつです。

腸の内側が狭くなる原因は、腸重積(腸が続きの腸の内側に入ってしまっている状態)、 腸嵌頓(腸が腸の輪の中に入り込んだ状態)、腸の捻転(腸がねじれて元に戻らない状態)、 外傷や手術後の腸の癒着や狭窄です。腸の外側から圧迫するのは、腸壁にできる膿瘍や肉芽腫や血腫です。 腸にできる腫瘍は、その種類やできかたによって内側に張り出したり外側から圧迫したりします。

腸閉塞の症状は、閉塞した部位によって違います。また、閉塞が完全に起こっているか不完全か、 どれくらいの期間閉塞しているかによっても異なりますが、一般的な症状として、突発的な嘔吐と食欲や元気のない状態です。 他に、お腹の周りが張っていたり(腹囲膨満)、水様性や出血性の下痢、黒色便、腹痛、ショックなどがあります。 中には、不安のために落ち着かなかったり、呼吸が早かったり、いつもと違った姿勢をとる猫もいます。 閉塞したところが胃に近い場合は、嘔吐は頻繁で続きます。胃から遠いところで閉塞が不完全な場合には、 慢性的な食欲不振とたまの嘔吐というはっきりしない症状が数日から数週間続きます。
 腸が閉塞しますと、腸の血管が障害され腸の状態は悪化します。異物の場合は、ほとんどが腸の血管を痛めないのですが、 それ以外の嵌頓や重積による閉塞では、閉塞部分の腸壁に障害が起こります。 例えば、嵌頓が起こりますと腸壁のその部分には浮腫が起こり、続いて腸壁の組織に酸素欠乏と梗塞がおこります。 この状態が続きますと、腸内細菌の毒素が発生し菌血症やショックを起こし、命取りになります。

診断は触診やレントゲン検査で行います。腹部の触診で腸の中の異物にふれたり腸が固まった状態をみつけます。 しかし、太っている猫の場合は触診での発見が困難なことも多くあります。
 レントゲン検査では、もし、レントゲンに写るような金属製のものであればすぐに判ります。 また造影剤を飲ませてその流れが止まったところを発見する方法もあります。
 ただ、猫の場合、糸や毛糸のようにレントゲンに写らず不完全な閉塞をする異物を飲む場合も多いので、 気を付けなくてはなりません。
 治療は、手術で行います。腸の障害によって体液のバランスが崩れていることが多いので危険を伴いますので、 十分に主治医の話をお聞き下さい。