
(症例2)
とびひ(伝染性膿痂疹)は皮膚の表面に細菌(ブドウ球菌・連鎖球菌)が増えることで起こります。 夏季に子供に好発しますが、たまに成人にも発症します。 紅斑・丘疹(盛り上がり)・痂皮(かさぶた)・水疱・びらんなど様々な症状があり、膜様に皮膚が剥け周囲に向かってびらんが拡大していきます。 掻破で症状が悪くなりやすく触らないようにしましょう。
ありふれた疾患ですが、治療はなかなか難しい場合もあります。なんといっても最近は抗生剤が効かない耐性菌が多くなっていますので、セフェム系抗生剤の内服のみでは良くならないことも多いです。またアトピー性皮膚炎などに合併したとびひでは皮膚炎自体を良くしないと治らない場合もあります。
細菌感染だからといっても、あまり消毒しすぎるのも治りを遅くさせてしまうこともあり、場合によってはシャワーでよく流した方が良い場合もあります。 また軟膏治療で創部を覆ってしまうと、軟膏の下に細菌増殖が起こることもあります。(症例2では亜鉛華軟膏を使用していたためになかなか治らなかったケースです) 治療はケースバイケースといったところでしょうか?
イボのウィルス(ヒト乳頭腫ウィルス)が皮膚の小さなキズから入り込むことで起こります。
接触で他人へも感染しますのであまりいじらないことが大切です。
一度感染すると皮膚の中でウィルスが増え、周囲の皮膚へウィルスが感染するためイボが増えます。
治療: イボが小さいうちは液体窒素などの冷凍凝固術でもなおりますが効果は限定的ですので2週間ごとに繰り返し治療する必要があります。イボが大きくなると皮膚の深いところへ入り込みますので外科的治療(電気メス・レーザーメスなど)も必要となります。 皮膚をやわらかくする軟膏治療を行い浅くしてから焼灼することもあります。
大切なことは、イボが小さいうちに治療を行いご家族などほかの人へ感染させないことです。
(光沢のある盛り上がりがたくさんできます。小児に多い皮膚の病気です)
接触によって軟属腫ウィルスが感染しておこるイボです。特に皮膚が乾燥しやすいアトピー性皮膚炎の児童では拡大しやすいもので、成人にはあまり感染しません。
治療:初期の時期でしたら(少し痛いですが)ピンセットでつまむようにして盛り上がった部分を取る事もできます。放置しておくと数が増えていきますが、いずれは治ります。 一時期プールで感染すると云われた時期もありましたが、実際には接触で感染することが多いです。
ヘルペスとも呼ばれる繰り返しできる水疱です。単純疱疹ウィルスが接触によって皮膚に入り込み神経の中で増殖して発症します。繰り返し再燃することが多いです。またアトピー性皮膚炎の方は爆発的に増悪することがありますので注意が必要です。
治療:初期のうち(疼痛・痒み(かゆみ)が出てきた時点で)抗ウィスル剤を内服します。
接触で感染しますので、触らないようにしましょう。
(新しい水疱・膿疱・痂皮(かさぶた)が混在している)
(水疱が上皮化したあと、陥没した色素沈着となっている)
水痘・帯状疱疹ウィルスの感染によって、全身に水疱・痂皮(カサブタ)が出来ます。以前は子供の頃にかかっていましたが、最近は子供の頃に感染することが少なくなってきたため成人になってから発症することが多くなりました。成人になってからかかりますと高熱を伴うこともあり重症化します。 カサブタが取れた後は皮膚が陥没し茶色のシミを残します。
治療: 重症の場合には抗ウィルス剤による治療が必要になります。
(左胸の肋間神経に沿った部位:初期の紅斑と水疱。右側には皮疹は無い)
(左背部:水疱が赤黒くなり痂皮(かさぶた)になりつつある)
水痘・帯状疱疹ウィルス(小児期にかかった“みずぼうそう”のウィルス)が神経の中に潜んでいます。そして体力が弱った時にウィルスが活性化され神経の中で増殖します。 初期には痒み(かゆみ)・痛みがあり、かぶれや筋肉痛に似た症状が出てきます。そして数日後には神経に沿って紅斑・丘疹・水疱が出てきます。徐々に痂皮(かさぶた)となり治っていきます。 後遺症として神経痛を残すこともあります。
治療: 抗ウィルス剤の内服を早い時期から行うことが大切で、皮疹にばい菌が入り込まないように軟膏も塗布したほうがよいでしょう。また神経痛に対しては、鎮痛剤・ビタミンB12の内服を継続します。
みずぼうそうにかかったことのある人には感染しませんのであまり神経質にならないようにしてください。(体力の弱っている方には感染しますので、病院のお見舞いなどは行かないでください)
(押すと少し痛みのある水疱 成人発症例 )
コクサッキーA型のウィルス感染による。 主に小児にできるがまれに成人にも発症する。 夏季に流行することあり。 軽度の発熱などとともに手掌・足底に楕円形水疱・口腔内に水疱やびらんを生ずる。
治療は特に必要はありません。
学校保健法での取り扱い(国立感染症研究所感染症情報センターHP)
(手のひらが赤くなり白い皮が剥けるようになった。痒み(かゆみ)はない)
梅毒のスピロヘータの感染による一種の性病。 感染してから2,3か月後にバラ疹と呼ばれる赤い発疹ができる。
治療: 早期に抗生剤による治療が必要になります。 他人への感染に注意する必要があります。
(境界がはっきりした紅斑と落屑)
<真菌顕微鏡検査> 白癬菌の菌糸を確認する
(白癬菌の菌糸が細く光って見える)
足にできる水虫の原因のカビ(白癬菌)が体にもうつり拡がっていきます。 診断は顕微鏡検査で白癬菌が確認できれば確定します。
治療: 石鹸でしっかり洗った後に抗真菌剤を広く塗布します。 ある程度治っても治療を中断しますと再発しますのでしっかり治療を継続することが大切です。
足にできる水虫の原因の白癬菌が爪の中へ入り込み拡がっていきます。爪が黄色くなり厚くなってきます。
治療: 抗真菌剤を塗布しますが難治性ですので1年以上治療を継続する必要があります。
最近は内服薬(飲み薬)もよく使われますが、長期に渡り治療を続ける必要がありますので肝機能が弱っている方はお薦めいたしません。 また内服薬のパルス療法といって4週間分の薬を1週間で一気に飲み3週間は休薬する方法も行われています。
皮膚を乾燥させるようにするために机に向かっているときには靴を脱ぎサンダルに替え木綿の靴下をはくようにしましょう。
<参考> 白癬菌によるひふの病気はできる場所で症状は様々です。
足にできる水虫は、「爪の白濁肥厚」のほかに「水疱ができるタイプ」・「趾間がジュクジュクするタイプ」・「皮膚がボロボロ剥けるタイプ」・「踵(かかと)が硬くなりひび割れするタイプ」など様々です。 肉眼で見ただけでは分からないことも多く顕微鏡検査を行う必要があります。 股にできたものは「いんきんたむし」(股部白癬)、頭にできたものは「しらくも」(頭部白癬)と呼ばれます。
猫などのペットから伝染する種類の白癬菌もあり、ペットを抱いて触れる部分(腕や首)に好発します。 特徴として数cmまでの比較的小さな皮疹が多発することが多いようです。
(カットバンを貼ったところに膿がたまり皮膚がふやけ剥けています)
(指の間に紅斑と落屑を認めます。水の溜まりやすい指間にできたカンジダ症です)
皮膚にカンジダというカビが付き繁殖することで膿がたまり皮膚がむけてきます。特に水分がたまりやすいところにでき、爪の根元に感染すると膿がでて赤く腫れてきます。 また陰部にも感染することがあり、赤ちゃんの「おむつかぶれ」と思われているものの一部はカンジダによるものです。
治療: 皮膚を乾燥させるようにし抗真菌剤を塗布します。
皮膚の表面に癜風菌というカビが増えて茶色あるいは白色になります。あまり痒み(かゆみ)はなく、表面は細かく皮が剥けたようになり周囲へ拡がっていきます。また他人へも接触で伝染します。 特に夏場皮膚の脂が多い時期に、海水浴でサンオイルを塗ったりすると急に拡大します。
治療: 入浴後に抗真菌剤を広めに塗布します。ある程度治っても治療を中断しますと再発しますのでしっかり治療を継続すし、皮脂を洗い流し皮膚を清潔にしておくことが大切です。
★ 真菌(カビ)による疾患の診断は、真菌を確認する顕微鏡検査が確実な方法です。 目で見ただけでは診断がつかないことも多いです。皮膚科専門医で確実な診断を受けられるのがよいでしょうね。
(皮膚科専門医のご紹介へ)
(クビから背中にかけて赤い小さな盛り上がりが多発。痒み(かゆみ)が強い)
(わきの下から胸にかけて、痒み(かゆみ)の強い赤い盛り上がりがたくさんできている)
初夏の時期、椿などの木にいる毛虫の毒針が風に運ばれ皮膚に付着し皮膚に刺さると赤い盛り上がりと痒み(かゆみ)を起こします。直接木に触らなくても、木のそばにいるだけでも起こります。
治療: 石鹸でよく洗った後にステロイド外用剤などを使用します。短期間で治ることが多いですが、庭の木に毛虫がいますと繰り返し起こることがあります。
森林など木の多いところに生息しているマダニが皮膚を刺し血液を吸います。ダニの顎で皮膚の表面にしっかりと噛み付き簡単には取れません。無理して取りますと虫の顎が皮膚の中に残ってしまいます。
治療: 虫の顎を含め皮膚を切除します。

海水浴などで突然ピリピリした痛みがあり、直後から赤い線状の盛り上がりができる。水疱ができ潰瘍となることもある。
治療: トゲがある場合には除去し、ステロイド外用剤などを使用します。
(頸にできた大きなしこり)
(耳の裏側にできた半球状の腫瘤)
もっともポピュラーな皮膚のできものです。皮膚の毛穴が徐々に広がり皮膚の垢がたまり大きくなります。大きくなると皮膚の深いところで破裂し化膿することがあります。
治療: なるべく小さいうちに局所麻酔したうえ切除した方がよろしいでしょう。 もし赤く大きく腫れた場合には小さい切開で膿を排出し、腫瘤を小さくさせてから切除することとなります。
(石のように硬い腫瘍)
石灰化上皮腫はカルシウムが沈着した非常に脆い腫瘤です。 毛根にある毛母細胞(毛包下部)から発生すると考えられております。 いわゆる粉瘤は毛包上部から発症した腫瘤です。
治療: 外科的に切除しますが、腫瘍は脆(もろ)いため皮内に一部が残り再発しやすいので、十分注意して残存腫瘍を取り除く切除手術必要です。
年齢とともにシミのような茶褐色斑から始まり、徐々に隆起してきます。 大きくなると表面が擦れて出血したり炎症を起こしたりします。 悪性の腫瘍との区別も大切です。
治療: 液体窒素による冷凍凝固術を繰り返し行う方法が一般的ですが色素沈着を残すことがあります。また、レーザーメスや電気メスなどを用い切除する外科的な治療も行なわれます。
皮膚の表面に非常にやわらかい塊が隆起し、徐々に大きくなります。
治療: メスなどを用いる外科的手術で切除します。

血液中の脂肪分が皮膚にたまり黄色いしこりができてきます。血液検査で中性脂肪を調べてみる必要があります。
治療: 中性脂肪が正常であれば外科的治療を行います。再発することや他の部分に新しくできたりすることも良くあります。 (レーザー治療後の経過写真)

乳児から幼児の年少者に黄色いしこりができ徐々に大きくなります。
治療: 放置していても自然に縮小し治ることが多く、積極的な治療になることは少ないです。 茶アザと合併すると神経線維腫症の初期症状のことがあります。
皮膚の浅いところにある汗の管(エクリン汗腺)が増え盛り上がり、白い丘疹が多発することが多いです。
治療:外科的治療を行います。 炭酸ガスレーザー治療も良く行われる方法です。
口唇の血管が拡がり黒色の隆起が徐々に大きくなります。 表面の皮膚は薄いので出血しやすいです。
治療: 局所麻酔を行った後に切除します。
皮膚の裏側にある皮下脂肪が徐々に増え、大きな塊となります。特に心配はありませんので早急な手術は行いません。 写真のように直径15cm以上になることもありますので、大きくなってきた場合には治療した方がよろしいでしょう。
治療: 局所麻酔を行い皮膚を切開し、脂肪腫の塊を取り除く切除手術を行います。
(頬のニキビあと)
(ピアスあと)
(肩のニキビあと)
体質的なものです。 皮膚のニキビあとや外傷・手術・ピアスなどによるキズが出来治った後、キズの深いところからしこりができ赤く大きく盛り上がりあがり硬くなります。 徐々に周囲に向かって拡大していくことがあります。
治療: ステロイド剤(注射・テープ剤・軟膏)や、血流を促す軟膏などを使用し年数をかけ徐々にやわらかくなっていきます。 非常に硬いものや大きいものは形成外科的な手術が必要となることもありますが、再度ケロイドとなることもあり術後に予防的なケロイド治療を行う必要があります。
皮膚の浅いところにある末梢神経から発生する非常にやわらかい盛り上がりで、多発することが多い。 10cmを越える大きな腫瘍ができる場合や、皮下の太い神経に発生する硬いしこりなど症状はさまざまです。
治療: 外科的切除が必要です。 巨大な腫瘍の場合には出血が多くなり輸血が必要となることもあります。
足の爪を短く切りすぎたため周囲の皮膚の中に爪が食い込むようになり、皮膚にキズができる様になります。そこから赤い肉芽が盛り上がってきます。きつい靴をはくと悪くなります。
対処法としては、爪を短く切りすぎないこと・きつい靴(特にヒールの高い靴)をはかないことです。また、靴の紐をゆるいまま履かないようにすることも大切です。
治療: 周囲の赤く腫れている化膿に対しては抗生剤の内服 隆起している肉芽腫は局所麻酔の後にレーザーメスや電気メスで切除します。
手の指の関節のそばに透明感のある盛り上がりが徐々に大きくなります。大きく隆起すると頂点の皮膚が剥けゼリー状の内容物が出てくるようになります。
治療: 隆起しているところを繰り返し焼灼することで治る場合もありますが、難治性で繰り返すことも良くあります。最終的には局所麻酔の後メスで切除することとなりますが、深い場合には爪の変形が起こることがあります。
(足底に生じた赤みのある腫瘤)
(下腿部にできた赤みのある隆起)
赤みや褐色の隆起する腫瘍で徐々に大きくなります。 足底にできた場合には病理検査にて悪性黒色腫との区別を行うことが大切です。
治療: 切除・縫合します。
副乳は一般的には臍〜腋窩にかけてのライン上に小さな乳首を伴うしこりとしてできることが多いです。 しかし、腋窩部にできた場合には「饅頭」のようにふっくらと盛り上がったやわらかい皮下腫瘍となることがあります。生理前や、特に授乳時に大きく腫れることがあります。
治療: 切除しますが、深くまで入り込んでいることもあります。
(耳にできた硬い角のような盛り上がり)
皮角とは病名というよりも硬く角のように盛り上がった症状のことを言います。 原因は様々な病気で起こります。
老人性疣贅から起こることが多いですが、皮膚癌の前駆症状であるボーエン病や日光角化症などから出ることもあり病理検査が必要です。
治療: 局所麻酔を行い切除します。
(額に赤茶色の表面がザラザラした盛り上がりがたくさんできています)
扁平上皮癌(がん)と呼ばれる皮膚癌(がん)のごく初期の病変です。初期の皮膚癌は他の部分への転移を起こすことはまれですが、徐々に大きくなり悪性度が高まりますので、早い時期に治療をする必要があります。 普段の生活の中での紫外線予防が大切です。
治療: 局所麻酔を行った上浅めに皮膚を切除します。
(茶色の腫瘍で中央に潰瘍ができている)
(頭頂部に大きく盛り上がった腫瘍)
一種の皮膚癌(がん)ですが他の部分への転移を起こすことはまれで、中央に潰瘍が出来ることがあります。 あまり大きくなる前に治療をする必要があります。徐々に深くに入り込み筋肉や骨へ入り込むこともありますので要注意です。
治療:大きく切除し植皮手術を行う場合もあります。 早めの治療が大切です!
(腰にできた黒色斑 周囲が微妙にギザギザになっている)
いわゆる「ホクロの癌(がん)」のごく初期の状態で転移することはまれで、切除してしまえば完治します。 早めの治療が大切です。
右耳前部もみ上げの中にある黒褐色の丘疹が1年くらいで大きくなり、半球状に盛り上がって直径約2cmの腫瘤となりました。 周囲に小さな盛り上がりがあります。 残念ながら進行している悪性黒色腫です。
(盛り上がりの強い茶色の腫瘤です)
(足底にある長径7mm黒褐色斑で周囲に色の薄いギザキザがあります。)
もともとは生まれたときには母斑(ほくろ)はないのが通常です。年齢とともに皮膚の中で母斑細胞が徐々に増えていきます。最初に気づいたときには盛り上がっていない小さな茶色の点ですが、年数(10年以上)をかけて大きくなり徐々に盛り上がってきます。ホクロは盛り上がってきますとメラニン色素が抜けてきますので色が徐々に薄くなってくることが多いものです。
治療: 注射による局所麻酔をした後に切除いたします。 比較的小さなものですと(レーザーや丸いメス(トレパン)でくりぬき)縫合せずに治療できますが、大きなものですとメスで切除した後ナイロン糸で縫合する必要があります。
下唇に出来た比較的大きな黒色斑で周囲に薄い茶色の斑があります。このように大きくて周囲に「にじみ出し」があるホクロは悪性黒色腫(ホクロのガン)との区別が大切です。
治療: 局所麻酔の後、色のぼやけたところも含め切除します。 念のため病理検査(細胞の顕微鏡検査)を行います。
ホクロのメラニン色素を作る細胞が徐々になくなり白くなっていきます。そして周囲の皮膚へも白斑が広がることがあります。
生まれたときからある大きな母斑です。体の成長とともに引っ張られて大きくなります。 成人になってから表面が盛り上がってくることもあります。
治療: 大きな母斑の場合には1度で切除できず、2,3回に分けて徐々に小さくなるように切除していきます。
学童期からある青黒色のあざの中央部に盛り上がりができてきました。深いところにある母斑(ほくろ)です。ごくまれに悪性化することがありますので、急に盛り上がりができた場合には病理検査(細胞の検査)を行ったほうがよいでしょう。
治療: 局所麻酔を行い切除縫合します。ほくろの細胞は非常に深いですのでレーザー治療はあまり行いません。
幼児期から皮膚の表面にピンク色のザラザラしたアザがあり、年齢とともに表面が隆起してきます。 頭部にできると脱毛となります。 特に周囲に広がっては行きませんが、長年の間には隆起し表面が崩れてくるようになることもあります。
治療: 局所麻酔の後、メスで切除しナイロン糸で縫合します。

幼児期から皮膚の表面に線状に並ぶ茶色いザラザラしたシミがあり、年齢とともに徐々に表面が隆起してきます。 特に痒み(かゆみ)はなく周囲に広がることもありません。
治療: 局所麻酔の後、メスで切除します。
生まれながらにある茶色のあざです。特に大きくなるものではありませんが、目立つ場合にはレーザー治療を行います。 レーザー治療で色調は一旦薄くなりますが再発しやすいものですので繰り返し治療する必要があります。 右の写真で色調が薄くなっているところはQスイッチ・ルビーレーザーで治療した部分です。
学童期からある青黒色や茶褐色のアザで徐々に色調が濃くなってきます。皮膚の深いところに母斑の細胞が増えることでおこり、特に顔面にできるものを「太田母斑」と呼びます。
治療: Qスイッチ・ルビーレーザーを繰り返し照射することで徐々に薄くなってきます。 (レーザー治療後の経過と写真)
生まれながらにある青黒いあざです。通常は成長とともに薄くなり消えるものですが、成人になっても残ってしまう場合があります。特に大きくなるものではありませんが、目立つ場合にはレーザー治療を行います。 レーザー治療は年数をかけ繰り返し治療するような難治性の症例もあります。
皮膚の細胞は乾燥に弱いため、皮膚の表面には皮脂が薄く拡がっていて皮膚表面の角質層を保護しています。しかし、冬季は皮膚が乾燥しやすくなるため痒み(かゆみ)が出てきて皮膚表面が粉をふいたような状態になります。
治療: 乾燥予防のための保湿剤や痒み(かゆみ)を抑えるためのステロイド剤などを塗布します。また痒み(かゆみ)が強い場合には抗アレルギー剤などを内服します。中途半端な治療は症状を悪化させます。
<普段の生活で大切なこと>
皮膚の乾燥を防ぐために入浴時に石鹸で洗い過ぎない。特にナイロンタオルはいけません。また長湯をしますと皮膚のバリアーが弱まりますので短めに。保湿剤の入浴剤もよろしいでしょう。
ザラザラした生地の衣類は直接皮膚に触れないようにする。きつく締め付ける衣類はなるべく着ない(靴下・下着など)
外用剤は皮膚の水分量が多い入浴直後(10分以内)に使用する。
電気ストーブの前で数時間寝てしまい受傷した。水疱はつぶれたがあまり痛みは強くない。
治療: 最初は軟膏治療などによって化膿させないようにして様子を診ますが、非常に深い熱傷なので治るまでは2ヶ月以上かかります。場合によっては外科的な治療(植皮手術など)が必要となることもあります。
ストーブやアンカでの火傷が多いですから冬季には注意してください。 アンカを布団に入れたまま寝てしまうことで起こりますので、寝る際にはアンカを布団から出すようにしましょう。
<参考>
低温熱傷は45度程度であっても数時間で起こってしまうものです。 ローストビーフが芯まで焼けているのと同じように、皮膚の深いところまでじっくり焼けているわけです。 一方お湯などによる高温熱傷は一見ひどく見えますが組織の障害は浅く留まっていますから2〜3週間で治ります。
最近は有害な紫外線(特にUVB)が多くなっているといわれています。普段日光に当たっていない人が急に海や山で直射日光を浴びることで熱傷(ヤケド)の状態になります。 重症になりますと、脱水症状(高熱や震え)となりますので、要注意です。
長時間日光に当たる場合には必ず日焼け止め(Sun Screen)を使用するようにしましょう。 日焼け止めの商品には作用の強さを示すSPFやPAが書いてありますので、なるべく強めの商品をご使用ください。 日焼け止め(Sun Screen)で接触皮膚炎(かぶれ)を起こすこともありますので、赤み・痒み(かゆみ)がある場合には使用を中止してください。 日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類がありますが、どちらかと言えば紫外線吸収剤の方がかぶれやすいようです。
治療: 熱傷と同じ治療です。 炎症を抑える軟膏や飲み薬を使用しますが、治った後で色素沈着(シミなど)が残ることがあります。
(海で強い日焼けをした数年後に茶色のシミが多発してきた)
治療: QスィッチルビーレーザーやCO2レーザーでメラニン色素を焼き除去します。
(ワキガで制汗剤を繰り返し使用し、痒みのある小水疱と紅斑ができた)
(日焼け止めを塗った部分にできた紅斑)
外部から皮膚に付着するものにより起こる皮膚の炎症で、痒み(かゆみ)・紅斑・水疱・丘疹などが出てきます。
化粧品・制汗剤・日焼け止めなどさまざまな物が原因となります。
女性の場合で繰り返す顔の痒み(かゆみ)・赤みは化粧品カブレが非常に多いです。
治療:ステロイド剤などを短期間使用しますが、原因となる物質を皮膚に付着させないことが最も大切です。
<参考> 「おむつかぶれ」について
乳児のオムツの部分に赤みのあるただれや丘疹ができることがあります。 お母さんは「おむつかぶれだから病院に行って軟膏の治療をしてもらおう」と考えます。 しかし、おむつかぶれというのは意外と少ないものなのです。 もちろんオムツをきつく巻いていると太ももの付け根に赤みが出てくることがあり確かにおむつかぶれでしょう。 しかしほとんどの赤ちゃんの場合には、肛門・股から拡がって行く赤みで赤い丘疹が出てきます。 実はまめにオムツを交換しないために起こる「うんちかぶれ」や「おしっこかぶれ」なのです。 「おむつかぶれ」は繰り返しオムツを交換することで防ぐことができるわけです。 股が湿った状態でいるとカンジダというカビがついて赤くなる場合もあります。

熱湯をかけてしまった「やけど」。 大きな水疱と周囲の発赤・疼痛。 軟膏治療で約2週間で治ります。
自己治療で悪くなることが多いですから、熱傷の際には水道水で20分程度冷やしてから病院で治療を受けるのがよいでしょう。
水疱になっている部分の皮膚を剥いて細菌感染起こすと傷が残りやすいです。
<参考>
熱傷が完治した後は多少の赤みや色素沈着が起こることが多いです。もちろん放置しておいても色は薄くなっていきますが、紫外線に当たりますと色素沈着が濃くなる場合もあり
Sun Screen などで紫外線から守ることも大切です。 また起こってしまった色素沈着を薄くするためにはレーザー治療などよりもハイドロキノン軟膏などでやんわりとメラニン色素を薄くさせたほうが良い場合が多いです。
皮膚の毛穴の出口が皮脂・汚れ・化粧品などが詰まり、毛包に皮脂がたまった状態。いわゆる「白にきび」と呼ばれる小さな盛り上がりができる。その状態が長く続くと毛包内にニキビ菌が繁殖し赤み・痛み・盛り上がりなどの症状が起こってくる。その状態が「赤にきび」と呼ばれる。さらにひどくなると大きく腫れ上がり中央に膿がたまり黄色になってくる。
治療は、痛み・膿がたまっている状態では抗生剤の内服や外用が必要となる。白にきびには毛穴が詰まりにくくするための薬を使う。しかし、最も大切なことは洗顔をしっかり行い、化粧品など毛穴を塞ぐようなものをニキビのあるところに使わないことです。
ニキビの治療は、第一がスキンケア、第二が体調の管理、第三に治療薬の使用です。治療だけでよくなっても繰り返し出ることが多いです。また膿がたまった状態で爪で潰すとくぼんだ傷跡が残るので触らないことも大切です。
<参考>
一般的に石鹸の中に入っている脂肪酸はにきび菌の栄養源となる可能性があります。ニキビ予防にはにきび菌の栄養源となりづらい脂肪酸で作られた石鹸で洗うのがよいでしょう。また皮脂が多く角栓が毛穴に溜まりやすい場合にはピーリング剤の入った石鹸での洗顔がよいかとおもいます。
ナイロンタオルなど繊維の硬いもので強く擦ることで起こる色素沈着です。 下に骨があるようなところに起こりやすいです。 擦らなければ徐々に色調は薄くなってきます。
アトピー性皮膚炎はかゆみの強い皮膚炎が繰り返し出るもので、年単位の長い周期で軽快増悪を繰り返すこともあり難治性です。
以前はアレルギーによるものと考えられてきましたが、喘息を伴う症例は別として実際にアレルギーで起こる症例は意外と少ないようです。 最近では皮膚のバリア機能(自分を守る力)が弱い体質と考えられています。
そのような体質をアトピー体質とも呼びます。
治療は、外用剤と内服が基本となります。 もちろん食事アレルギーなど検査をして明らかにアレルギーがある場合には食事制限などすることもありますが、検査無しに食事がすべての原因と考えるのも問題です。
アトピー性皮膚炎の治療には何といってもスキンケアが大切で、皮膚のバリア機能を弱めないような生活指導のうえ、抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤:いわゆるかゆみ止め)の内服とステロイド剤・免疫抑制剤・保湿剤・保護剤などの外用剤を症状にあわせ組み合わせます。 夏に使用して具合が良かった外用剤を冬に使用したところ症状が悪化したということもあります。 アトピ−性皮膚炎は季節と皮膚炎の症状に合致した治療が大切で、一時的な治療だけでよくなっても放置していると繰り返しかゆみが出て掻破し(ひっかいて)悪くなることが多いです。
アトピ−性皮膚炎は体質によるものですから、「治す」というよりもうまく付き合って「悪くしないよう」に気をつけることがポイントです。
(肘の赤みが強い隆起する局面、他に両膝・背部にも皮疹があります)
(腹部に環状に隆起する紅色局面が多発しています)
尋常性乾癬は繰り返す難治性の皮疹で発赤と皮膚の肥厚・厚い膜状の角質が特徴です。ときに痒み(かゆみ)が強く出ることがあります。 皮疹が出やすい部位は、頭髪部・肘・膝で体幹にもパラパラと散在するようにようになります。 物理的な刺激(強く擦る・引っ掻くなど)を与えることで症状が悪化しやすいので入浴時に軟らかく洗うことが大切です。 皮膚に白血球が集まって炎症を起こし、皮膚が赤く隆起するもので、合併症として爪甲の白濁肥厚などの変化や胸鎖関節炎による胸の痛みがでることなどがあります。
治療は活性型ビタミンD軟膏とステロイド軟膏の外用を基本として、痒み(かゆみ)が強い場合には抗アレルギー剤などを内服します。 症状が全身に広がりコントロールが難しい場合には、ナローバンド紫外線照射・免疫抑制剤の内服なども行われます。 症状を悪化させないように、うまくつき合っていくようにすることが大切です。

「はたけ」とよばれる状態。皮膚の表面が粉をふいたような細かい落屑があり、周囲の皮膚に比べると白く見える。 尋常性白斑(しろなまず)のように色素が完全に抜けているというよりは、日焼けしても次々と新しい皮膚ができては剥けを繰り返しているために日焼けの色がつかないので色が薄く見えるわけです。
治療:弱いステロイド剤・保湿剤などを使用していると徐々に軽快していきます。放置しておいても問題はありません。
(胸に赤みのある盛り上がりが多発)
じんま疹は様々な原因で起こる「かゆみ」「紅斑」「膨疹(蚊にさされたように盛り上がる)」が主症状です。 まれに呼吸困難を引き起こすこともあります。
風邪をひいた・寝不足だったなど体調が悪かった時、生ものや香辛料など刺激のある食物を沢山食べた時、サプリメントや薬を飲んだ時、激しい運動をした時、急な体温の変化、強いストレスを受けた時等原因はいろいろあります。
治療: 抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤:いわゆるかゆみ止め)などを用います。 内服すると痒み(かゆみ)は落ち着きますが薬を継続しておかないとすぐにぶり返すことも多いです。 中途半端にせずじっくりと治療することが大切です。
原則的に外用剤(塗り薬)は使用しません。
ハイヒールなどの靴が当たるところ(体重のかかるところ)の皮膚が硬く厚くなり中央に硬い杭のようなしこりができてきます。皮膚の深いところに食い込むようになり痛くなります。 基本的には胼胝腫(べんちしゅ・タコ)と同じものです。 ウィルスが原因で起こる尋常性疣贅(ウィルス性イボ)との鑑別が必要です。
治療: 皮膚を軟らかくする薬を貼った後にメスで削り、硬い芯はくり貫き取り除きます。 一時的に治っても繰り返すことがよくあります。
根本的な対処法は物理的な刺激が加わらないようにすることが大切です。 靴の中敷をいれ体重が足の裏に平均的にかかるようにします。また靴の紐をゆるくしたまま履いているとなりやすいのでしっかり紐を結びましょう。

強力なステロイドホルモン剤を誤って長期間使用してしまいました。一時軟膏を中断したところ急に赤みとブツブツとして盛り上がり出てきました。
原因は強いステロイド剤を漫然と顔に塗布したためで、皮膚の毛細血管が拡がったままになっています。
治療: まずステロイド剤の中断が必要で、テトラサイクリン系抗生剤などの内服とステロイドの含有していない軟膏などによる治療を行います。治るまでは数ヶ月間と時間がかかります。
軟膏の誤った使用法にお気をつけください。
皮膚が少し硬く隆起した丘疹が線状に並ぶ病気で、皮膚に炎症を起こすと痒み(かゆみ)を伴うことがあります。
治療: 軟膏治療を数ヶ月間続ける必要があります。
男性ホルモンによる作用により頭頂部と生え際の頭髪が薄くなります。
治療: 男性ホルモンの働きを弱める抗男性ホルモン剤(プロペシア)の内服を続けることである程度の改善が見られます。 なお治療を中断すると元の状態に戻ります。
耳朶(みみたぶ)に開けたピアス穴が、重いピアスによって徐々に長くなり最後には耳朶が裂けてしまいました。またセーターなどを脱ぐ際にピアスが引っかかり裂けてしまうことがあります。ピアスをされている方はご注意を!
治療: 耳朶の形成術が必要となります。
皮膚は弾力のある「真皮」と呼ばれる部分の表面に「表皮」と呼ばれる薄い皮膚が覆っています。 この表皮は外界と体内との境にあり、外界から真皮を保護しています。 表皮は石垣のように積み重なって層になっています。そして空気に接するところには「角質層」とよばれる乾燥した皮膚の層がお菓子の「パイ」のように積み重なり、少しずつ剥がれ落ちていきます。この剥がれ落ちたものが皮膚の垢(落屑)です。 皮膚の表面には毛穴から出た脂(皮脂)が薄い膜を作るように皮膚を保護(バリア)しています。
スキンケアとはよく耳にする言葉ですが、本当の意味のスキンケアとはどうゆうことなのでしょうか? 化粧品(化粧水・乳液・クリーム・ファンデーションなど)を角質層に塗り固めるようにすることがスキンケアなのでしょうか?
もちろん日焼けは皮膚の老化を進行させますので、日焼けを防ぐことは大切なスキンケアですし、乾燥肌の方が冬に粉をふくように乾燥し皮膚が突っ張っているようであれば保湿することも大切です。
しかし皮膚科専門医の立場からすると、何も問題の無い皮膚であれば皮膚に刺激などの負担をかけないように自然のまま(何もしない)でいることもスキンケアの一つだと思います。 皮膚は自分を守る力を持っているのです。
毎日強い石鹸やナイロンタオルなどでゴシゴシ強く洗いますと、皮脂が減少し角質が乾燥するため表皮が剥け易くなり皮膚の病気のきっかけになることもあります。逆にニキビのように毛穴に皮脂が溜まることで引き起こされる皮膚の病気の場合には、しっかりと皮脂を洗い流す必要があります。その際洗顔後に乳液・クリーム・ファンデーションなどの化粧品を使いすぎますとニキビを悪くすることが多いので要注意です。
特に皮膚に病気がある場合には要注意で、化粧品を使用することで皮膚の病気を悪化させることもあるわけです。 また化粧品が原因で顔の痒み(かゆみ)・赤みがでることもあり、安易にステロイド軟膏治療を繰り返すと副作用を起こすことがあります。
結局は皮膚の状態によって皮膚の環境を整えるようにし、皮膚の自己回復力を邪魔しないよう対応することが必要となります。
表皮・角質層・皮脂膜が健康な状態であればバリア機能が働き、外から水などが入り込んだりはしません。 しかしひとたび皮膚炎などの皮膚の病気ができますと角質層のバリアが壊れてしまい、表皮の深いところに表面からいろいろなものが浸み込んでいきやすくなります。 その浸み込むものによって表皮と真皮の部分の炎症を引き起こし、さらに皮膚の病気を悪化させることもあります。
アトピー性皮膚炎など湿疹(皮膚炎)の治療は、皮膚の炎症を抑える治療(ステロイド軟こうなど)の使用やかゆみを抑える抗アレルギー剤を内服することが一般的な治療です。
皮膚炎の部分を石鹸やシャンプーなどでゴシゴシ洗っていますと皮膚のバリアーが弱まり、皮膚は刺激を受けやすくなり皮膚の病気が悪化することがあります。 皮膚に様々な物質が浸み込むことで悪くすることを防ぐ必要もあり、治療は皮膚の環境を良くする事が大切なわけです。
また、症状によって使用する軟膏の薬効の強さは加減する必要があります。 症状がひどいときに使用していた強い軟膏を、症状が落ち着いてからもダラダラ使用することは余りよくありません。 症状が良くなっていくに従って弱い軟膏に変えていき、最後には使用を中止するようにします。 ただし治療中断で再燃する慢性的な皮膚の病気の場合には、完全に治療を中断せず非常に弱い軟膏(ワセリン・親水軟膏など)を入浴後に薄く塗ることで皮膚の病気を再燃させないような予防的治療が大切となることもあります。
つまり、皮膚の病気は体質と環境によって起こり、環境を良くするだけでも症状がひどくならないことを忘れないで下さい。
アトピー性皮膚炎などの診療をしていますと、患者さんや家族から「ステロイド剤を使わない治療にしてください」といわれることがあります。その理由を尋ねると「ステロイド剤は危険なので使うと皮膚炎が治らなくなる」との答えが返ってきます。それは他の人から聞いたことを鵜呑みにしてしまっているのではないでしょうか? もちろんステロイド剤は使い方を間違えれば副作用が起こって来ます。
たとえ話としては、「切れる包丁は便利ですが、人を傷つけることもできる」ということです。結局便利な道具の使い方・使う目的を間違えればトラブルが起こるわけです。
ステロイド剤は使うべきときは使い、使う必要がなければ使わない方が良いわけですし、症状によっては弱いステロイドに変えていき中止する方向に持っていけば問題ありません。 自己判断での治療は症状を悪くすることがあります。
皮膚炎などの診療をしていますと、患者さんや家族から「ステロイド剤を使うと皮膚が黒くなるのでは?」といわれることがあります。これは本当なのでしょうか? 確かに皮膚炎の治療後に色素沈着を起こすことはよくある話です。
ではなぜ色素沈着が起こってくるのでしょうか? それは、皮膚は刺激を受けると茶色くなる性質があるからです。 強く擦る・引っ掻く・かぶれる・擦り傷・火傷・日焼けするなど皮膚に色素沈着を起こす原因はさまざまです。
皮膚炎の治療の際も皮膚に炎症があり、さらに痒みにより掻破する外からの刺激なども加わっている(ステロイド剤を塗る必要がある)状態なのです。 そしてステロイド剤で皮膚の炎症が治まると色素沈着が残るわけで、決してステロイド剤を使用したために色素沈着が起こったわけではないのです。 本来ステロイド剤というのは皮膚の毛細血管を収縮させる働きとメラニン色素産生を抑える働きがありますので、薬剤で色素沈着は起こさないわけです。
大切なことは「早めの治療をして炎症を長引かせないこと」と「引っ掻かないようにすること」です。