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腋毛の脱毛(毛を剃る・レーザー脱毛など)を行い,入浴をこまめにすることで腋の下を清潔にして,さらに消毒剤や制汗剤などの外用薬を使うことによってある程度ワキガ(わきが)臭はおさえることができます.
レーザー脱毛は直接汗腺を焼くわけではありませんので,腋臭症(ワキガ・わきが)に対する効果は不確実ですので補助的な方法と考えていただいたほうがよろしいと思います.
(制汗剤によるカブレ) (制汗剤による色素沈着)
腋臭症に対する外用薬の効果も数時間しかもたないことが多く,1日に何回も使用しなければなりません.さらに体質的に合わない外用薬を長期間使用すると,かゆい湿疹が出来たり,腋の下に褐色の色素沈着を来すことがありますので注意が必要です.(上写真)
同様に,腋毛を少なくし皮膚を清潔にする目的のために電気分解法もおこなわれていますが,ワキガに対する効果は不確実となることが多いようです.
またワキガ臭に敏感になりすぎ,「周囲の人が自分の臭いを気にしている(いやな顔をする・咳ばらいをする・鼻に手をやる・近くに寄ると立ち上がる等)」と思い込んでしまう自己臭恐怖症といったノイローゼの泥沼にはまりこんでしまうこともあります.
自分の臭いに対してあまり神経質になりすぎないようにしたほうが良いようです.ワキガ臭が確認できない場合には手術は見合わせたほうがよろしいと思います。
腋臭症の原因となるアポクリン汗腺は皮膚の浅いところ(真皮の上部)から深いところ(皮下脂肪織)にかけて大きく発達していますので,腋毛についているアポクリン汗腺を取り除くための手術療法を行う以外に方法はないと思います.
消毒剤や制汗剤などの外用薬を使うことによって多汗を多少抑えることができますが,効果は限定的で効果も長続きしませんので1日に何回も使用しなければなりません.
精神的な緊張が発汗の引き起こす原因にもなりますので,緊張をを和らげるための精神安定剤などの内服も多少の効果がありますが,副作用として眠気・だるさが出ることがあります.また全身の発汗を抑える内服薬もありますが,唾液・涙も同時に減少してしまいますので,なかなか使用しにくいようです.
また、最近では多汗症に対するボトックス注射療法も行われています。ボトックスという薬は神経の働きを鈍らせる作用があり、交感神経が汗腺を刺激し発汗させるところをブロックするわけです。作用は数ヶ月で弱まってしまいますので、定期的に繰り返しボトックス注射する必要があるのが欠点ですが、手軽に行うことができるのがメリットです。 しかしボトックスによる制汗作用は個人差がありますので、注射を行ってもあまり効果が出ないこともあります。
外用薬や内服薬、注射療法などは多汗に対して一時的な効果しかありませんので,確実に腋窩部の多汗を抑えるためには皮膚の非常に浅いところにあるエクリン汗腺をとるための手術療法を行う以外に方法はないと思います.
レーザー脱毛では直接汗腺を焼くわけではありませんので,多汗には効果がありません.
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電気分解法は手軽に行なわれており永久脱毛法ともよばれ,腋毛の毛穴(毛孔)に刺し込んだ細い電極に電流を流すことによって毛包を破壊する方法です.この時アポクリン汗腺もいっしょに破壊するとの考えでワキガ臭を抑えるとのことで行われてきました.
しかし実際には腋毛がなくなるまで繰り返し行っても アポクリン汗腺を完全に焼くことはできず,ワキガ(わきが)臭に対する効果はあまり期待できません.あまり強く焼きますと皮膚表面の毛穴にヤケドを起こし点状のキズを多く残すこととなります.
またこの方法では腋の下の毛に関係なく存在しているエクリン汗腺は取ることはできませんので,多汗症を伴っている方の場合には腋の下がかえってジメジメすることがあります.
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腋臭症手術方法としては,切除法 ・ 剪除法 ・ 吸引法 ・ 皮下組織削除法 に大きく分類されます.
腋臭症・多汗症手術は非常にむずかしいものですし,皮膚に何らかの刺激やダメージを与えることによって治療効果を得るわけですから合併症についても充分に注意しなければなりません.

以前から全国で行われている方法で、腋毛の生えている部分の皮膚を,長さ15〜20cm 幅3〜5cm程度の範囲を紡錘形に大きく切り取る方法です.
しかし,腋の下の皮膚の幅は数cm以上ありますので,腋臭の原因となるアポクリン汗腺のある部分を全部切り取ることは困難です.
結局中央部だけを切除することになることが多く,切り取った傷の周りに腋毛が残るなど治療効果としては不完全となりやすい欠点があります.
また大きく皮膚を切り取り 無理して縫い縮めるわけですから,傷痕も大きく皮膚がつっぱっったり腕にムクミが出るなど,さらには腕の運動障害といった後遺症が残ることがあります.
切除法の合併症を補うために皮膚をZ型やW型に皮膚を切り縫合する方法(Z-Plasty,W-Plasty)も形成外科などで行われています。この方法は現在のところ腋臭症手術として健康保険の適応になっている方法です。 しかし,いずれにしても腋毛の生えている部分の皮膚をすべて切り取ることは困難で,アポクリン汗腺が周囲に残るためある程度しか効果は得られないようです.

形成外科・美容外科などで広く行われている腋臭手術方法です.剪除法は腋の皮膚のしわに合わせ4cmほどの切開を2〜3本入れ,指で皮膚を裏返しはさみで少しずつ切り取っていく方法です.
はさみで皮膚の厚さが1mm以下になるまでしっかり取れば腋臭症の原因となるアポクリン汗腺と腋の下の毛は再生してきませんので良い方法です.
しかし皮膚を均一の厚さで皮膚を切り取るのは難しいことで,皮膚の裏側が凸凹になりますと汗腺が残りますし,皮膚を切りすぎますと皮膚に穴が開いてしまったり,皮膚に大きなダメージを与え皮膚が壊死(死んでしまう)してしまうこともあります.
逆に不十分だとワキガ(わきが)臭や汗がとれず不確実になりやすいため熟練を要します.
腋の下の中央部は手術を行いやすいのですが,まわりの部分は皮膚を裏返しても届きにくいため,ドーナツ状に腋毛・汗腺が残りやすいので注意が必要です.
この方法は手術時間を1〜2時間かけて,腋毛の生えている周囲の部分までしっかり行うことがポイントといえそうです.

もともとは脂肪吸引法といって,吸引器(掃除機のような器械)にストローのような金属の棒を取り付け,脂肪組織を吸い出す方法です.腹部や顎(あご),腕,太ももの脂肪を取りスマートにするために用いられてきました.
この器械を使ってワキガの原因となる腋の下のアポクリン汗腺を取り除こうとする方法です.皮膚の切開も数mmと小さく,手術後の回復が早いため全国的に美容外科などで行われています.

しかし腋臭の原因となるアポクリン汗腺は真皮とよばれる硬い皮膚の中にもありますので,皮下脂肪を吸引する器械では完全に取ることはできません.腋毛も残ってしまうことが多く,強く吸引を行いすぎると皮膚にダメージを与えてしまいます.
さらにこの方法に高温を発生する器具を付け加えた超音波吸引法という方法も開発されました.
真皮の浅いところにあるアポクリン汗腺やエクリン汗腺を熱で破壊するわけですが,完全に破壊することは困難なようですし,表皮直下の皮膚の浅いところに熱を加えますと,表皮が火傷(やけど)を起こし皮膚にダメージを与えてしまいますので注意が必要です.
イナバ式皮下組織削除法によるワキガ手術をご覧になってください.
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腋臭が非常に軽い方の場合には,腋毛を処理(カミソリで剃る・抜く・レーザー脱毛)することで清潔にし,外用薬(制汗剤など)を使用していただきます.なお腋臭が確認されない場合には、ご本人が少し神経質になりすぎている場合もありますので、手術を行うかどうかは慎重に決める必要があります。
腋臭の強い方や多汗の場合には,手術療法−特に熟練した医師による剪除法あるいは皮下組織削除法−を受けられるのが最善ではないでしょうか.
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