いなだしょうにか:稲田小児科

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小児科医からの一口メモ

NEW 28. 赤ちゃんに絵本を読んであげるのはいつ頃からがよいでしょうか
赤ちゃんは絵や言葉の意味がわからなくても、お母さんやお父さんが読んでくれ る声はわかります。一般に4、5カ月くらいになると、絵本を通じて赤ちゃんと のやりとりを楽しめるようになります。この頃にファーストブックと呼ばれてい る赤ちゃん絵本を読んであげるといいでしょう。ただし、絵本よりも歌をうたっ てもらったり、抱っこしてもらっているほうが機嫌がいい赤ちゃんには、時期を すこし遅らせます。

NEW 29. 絵本の種類
本屋さんにはたくさんの絵本が並んでいて選ぶのに迷います。乳児向けのファー ストブックとしては、身近なもの、例えば食べ物、動物、家族、乗り物、生活用 品等が描かれている「ものの本」がいいでしょう。また、幼児には、物語りを楽 しむ「物語絵本」、物を詳しく見せてくれる「観察絵本」、写真が展開されてい る「写真絵本」、いろいろな仕掛けが楽しめる「仕掛け絵本」等があります。

NEW 30. RSウイルス
RSウイルスは毎年秋から冬にかけて流行し、乳幼児にゼーゼーする咳や鼻水、 発熱を起こします。喘息によく似た症状が特徴的で、細い気管支に炎症(細気管 支炎)を起こしやすく、呼吸が苦しくなり入院することもしばしばあります。 RSウイルス自体は珍しくはなく、子どもの約90%は2歳までに感染する、一般 的なウイルスなのです。しかし、感染の回復後も咳やゼーゼーを繰り返す場合が あり注意が必要です。

1.お風呂場の注意
 1~4歳児の死因の第1位は不慮の事故であり、その約80%が風呂場の事故です。 事故防止には、風呂場のドアをマジックテープで固定する、特に実家へ子供を連れ て行ったときは要注意です。また、入浴中に電話に出るためや、上の子の衣服の 着脱などで浴室を離れることのないようにします。  洗濯機のそばに椅子などを置かない、洗濯機はふた付を用い、洗濯が終わったら 水をぬきましょう。1歳児に最も注意が必要です。

2.子供の睡眠
 子供の睡眠にとって早寝早起きが基本です。生活のリズムは生後2〜4ヶ月 ころよりできはじめますから、夜は若干暗くして静かに、昼間は明るくし楽しい 音を増やしてリズム作りをします。保育園児の場合では、園で昼寝を十分にとり、 また昼間働いているご両親もお子さんとのかかわりをもちたいため夜更かしに なりがちです。園から帰宅後、寝かせるまでの間はお子さんとの接触を最優先 にした上で、就眠時間を早めましょう。そのためには親が先に寝るのも一つの 方法です。

3.舌小帯
 最近、舌小帯の手術がよく話題になっています。舌小帯とは、舌の下側と 口の底とを結ぶひだのことで、これが異常に短く舌の動きが悪くなると 舌小帯短縮症と呼ばれます。乳児で哺乳が上手でない場合に、しばしば 舌小帯の手術が検討されます。しかし、統計上、哺乳障害の原因の中で 舌小帯短縮症の割合は少なく、哺乳低下が舌短縮症によるものであると 簡単に決めつけるべきではありません。乳児期の舌短縮症の手術については 慎重に考えるべきであり、安易に行うものではありません。

4. 新型インフルエンザについて
 今年4月よりメキシコから始まった新型インフルエンザ(H1N1)の流行は 瞬く間にアメリカ、カナダに波及し、日本でも多数の人が発症しています。 この新型インフルエンザの症状は従来の季節型インフルエンザと同様に、 発熱、鼻汁、咽頭痛、倦怠感などです。幸い、毒性は強くなく日本では 重症な患者さんはみられません。ただし、糖尿病や喘息の患者さんでは 重症化するおそれもあるので注意しましょう。

5. 新型インフルエンザへの対応について
 予防法や対処法は、毎年流行する季節性のインフルエンザと同じです。 人ごみはさけ、マスクを着用し、外出から帰ったらうがいをして、 石鹸で手をよく洗いましょう。室内は定期的に換気をし、 適度は湿度(50~60%)を保ちます。睡眠はしっかりとり、疲れを残さないようにします。 咳やくしゃみをするときは、鼻と口をティッシュで覆い、周囲の人から顔をそむけ、 1m以上離れましょう(咳エチケット)。

6. 頭を打撲した時にどのような場合にすぐに病院を受診すべきでしょうか
1.打撲してすぐに泣かない、ぐったりしたとき、
2.打撲後にひきつけをおこしたとき、
3.3回以上嘔吐があり、その後もはき気が続く、
4.手足の動きに左右差があったり、歩行がおかしい、手に持ったものをおとしてしまう、 眼の動きがおかしい、話を理解できない、話の内容がおかしい、
5.打撲部だけではなく、頭部全体を痛がる場合、
以上の症状があれば、ただちに病院を受診しましょう。

7.インフルエンザの予防接種はなぜ毎年必要なのでしょう?
 インフルエンザウイルスは、その抗原の性質が毎年少しずつ変化しています。そ のため、今までの免疫だけでは対応できません。専門家が世界中のインフルエン ザウイルスを調査して翌年に流行するインフルエンザの種類を予測して毎年ワク チンを作ります。さらに、インフルエンザワクチンは接種後5〜6ヶ月すると免 疫が低下してきます。以上の理由から毎年インフルエンザの予防接種が必要なの です。

8.インフルエンザにかかったときに使われる解熱剤
 インフルエンザにしばしば使われる解熱剤には注意が必要です。最も一般的に使 用される解熱剤はアセトアミノフェン(商品名としてはカロナール、ピリナジン、 アンヒバ等)です。一方、重篤な合併症であるインフルエンザ脳症の発症との関 連から、バファリン(小児用バファリンを除く)やジクロフェナクナトリウム (商品名はボルタレン)、メフェナム酸(商品名はポンタール)は小児には使わ れません。

9.鼻血を出しやすい
 小児の鼻血は4~10歳の男児に多いといわれています。原因は無意識での鼻ほじり が最も多く、睡眠中にほじるため、起床時にシーツに血がついていることがしば しばみられます。かぜ、鼻アレルギー、鼻炎などがあると指ほじりはさらに助長 されますが心配のない鼻血です。一方、少量でも20~30分以上だらだら続くよう な鼻血は血液の病気によることもありますので医療機関を受診しましょう。

10.鼻血が出たときの出たときの処置
 小児の鼻血は通常は一時的なことが多く、適切な止血処置をすれば止まります。 出血している鼻の中にガーゼをつめて、鼻を親指と人差し指でしっかりと5〜1 0分位圧迫します。そのとき、頭をやや前傾させて、鼻血がのどに流れ落ちない ようにします。鼻血を飲み込むと気持ちが悪くなり、しばしば飲んだ血液を嘔吐 してしまいます。以上の止血処置をして、それでも鼻血が止まらない時は医療機 関を受診しましょう。

11.うつぶせ寝
 うつぶせ寝は安静が保て、眠りがよく、嘔吐が少ないという利点があります。一 方、うつぶせ寝が乳幼児突然死症候群との関連があるとされ、6ヶ月未満の乳児 では目をはなす時はあおむけ寝が安全でしょう。どうしてもうつぶせ寝でないと 寝ない場合は、硬い布団を使用します。柔らかい布団では、うつぶせ寝にした時 に口がふさがれて窒息の危険があります。6ヶ月を過ぎると自分で寝返りが出き るようになります。

12.指しゃぶり
 乳児期の指しゃぶりは発達の過程でみられるもので、多くは自然になくなります。 睡眠中に口からそっとはずしてあげるだけで充分です。2歳を過ぎても続くよう あれば、手指を使った遊びや、外での体を動かす遊びを沢山させましょう。3〜 4歳を過ぎても続くようなら、「よごれた指をしゃぶるのはやめようね。」とか、 「お兄さん(お姉さん)になったからやめようね。」と言葉による説得も試して みましょう。

13.寝ぼけ
 夜になかなか寝つかない子や寝起きが悪い子がいます。乳児は自分が守られてい るという安心感があってこそ眠りにつくことができます。顔色が見える程度に部 屋の証明は暗くして、寝つくまではそばにいてあげる、添い寝も抱き癖も心配あ りません。寝る前に、すきなおもちゃや、タオルなどを離さない子にはそのまま 持たせてかまいません。また、夕方の昼寝はやめましよう。朝は7時頃には部屋 を明るくしましょう。

14.寝つきが悪い
 子どもが夜中に突然に起き上がって家の中を動き回ったり、泣き叫ぶことがあり ます。このような寝ぼけは「睡眠随伴症」とよばれますが、多くは発達の途中で みられる一過性の症状で、成長とともに自然になくなります。しかし、あまり頻 繁にみられるようなら、「てんかん」と区別するために脳波をとることもありま す。寝ぼけに対しては、なだめると興奮しますから、危険防止に配慮しながら見 守りましょう。

15.言葉(1)
 言葉の発達は、耳に聴こえた音を自ら聴こうとし、しだいに語音の違いを識別 するようになり、ものを言葉に当てはめて、言葉の連なりを理解します。その後、 言葉を出す準備(指差し)を経て、音を言葉として発するようになります。もし も、2歳をこえても言葉をしゃべらない場合には言語発達遅滞を考えます。その 原因として、耳の聴こえや、知的発達、対人関係に問題がないのか、声を出す器 官に異常がないか、ことばを覚える環境が適切であるかを調べます。

16.言葉(2)
言葉の発達遅滞の原因として、難聴が発見されたときは補聴器の使用、療育セン ター等で発声の指導を受けます。知的発達の遅れによる場合は、表情を見ながら、 こどもの言いたい言葉を代弁してあげたり、関心があることを話しかけます。自 閉傾向があるときは、気に入ってる遊びを一緒に楽しみながら、声かけへの反応 を引き出したり、簡単な指示に従えるように教えます。他に原因がなく、言葉発 達だけが遅れる場合は、専門家による機能訓練が有効なことがあります。

17.おねしょの経過
夜尿は「体が覚えた癖」とも言われています。こどもの夜間の排尿調節は3〜6 歳で完成しますが、5〜6歳でも毎晩夜尿のある子は2.6%もいます。過去の調査 で、全く夜尿がなくなった子の平均年齢は7.3歳です。夜尿に際しての基本姿勢 は、ご両親は「怒るな、気にすうな」、子どもには、「安心、安眠、早起き」を 指導することです。その上で、おねしょの回数と時刻を記録して、寝入りばな型 か早朝型かを調べます。

18.おねしょの対応
おねしょは、初めは寝入りばなに出てしまうことから、だんだんと夜中に、さら に明け方にでてしまう過程を経て、最終的に朝までおしっこをしなくなって、夜 尿が治癒するという経過をとります。治癒を早めるには、寝入りばな型を早朝型 に移す努力が必要です。就眠2〜3時間前に夕食をすませ、その後の水分摂取を なるべく控えて、排尿をしてから就眠させ、早起きを心がけましょう。

19. ヒブワクチンとは
ヒブワクチンとは、インフルエンザ菌に対するワクチンのことです。インフルエ ンザ菌は、毎年冬に流行するインフルエンザウイルスとは異なり、ばい菌です。 このインフルエンザ菌は子供に、肺炎、敗血症、髄膜炎などの重症感染症を引き 起こします。特に、日本では子どもの髄膜炎の原因菌として第一位になっていま す。これに対するヒブワクチンは、年齢により1回から4回接することにより免 疫ができます。

20.肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌は、小児に重い感染症(髄膜炎、菌血症)、肺炎、中耳炎などを引き起 こす細菌です。特に、小児の髄膜炎の90%は、前回の一口メモでご紹介したイン フルエンザ菌か、あるいは肺炎球菌によって発症します。従って、肺炎球菌ワク チンとヒブワクチンの両方を接種することによって、髄膜炎の発症は大きく減ら すことができます。肺炎球菌ワクチンは月齢2カ月から9歳以下の乳幼、小児に 接種できます。

21.便秘
便秘とは、排便回数が少なくなり、便が硬くなり、排便が困難になる状態をいい ます。便秘の症状は、腹痛、嘔気、嘔吐、食欲不振、おしっこがでにくい、お腹 がはる、排便痛などです。特に、集団生活において、便意を催した時にすぐに排 便ができない環境の中で、排便を我慢することが多くなると便秘になりやすいの です。早寝早起きをして、朝食後にゆっくりと排便をしてから、登園する習慣を つけたいものです。

22. トイレットトレーニングの開始
2歳から3歳の幼児期前期が基本的生活習慣を繰り返し教えるのに適しています。 便意や尿意を大脳が感じとり、排泄後のさっぱり感を味わうことができます。排 泄行動の自立の時期はかなり個人差がありますたとえ3歳までに排尿、排便がう まく完成できなくとも無理をしないで気長に指導を続けましょう。4歳から6歳 の幼児期後期は人まねが上手な時期でもあります。

23. おむつの交換時期
排泄のそぶりのサインを見つけて、おむつを交換します。臭いはもちろんのこと、 ぐずったり、身震いしたり、寝ていて目をさましたとき、なかなか寝付かない、 落ち着きがなくなったり、お股をおさえたり、ピョンピョンはねたり、腰をふっ たり、しゃがんだり中腰になったり、物陰にかくれたりしたら排尿のサインです。 おむつの交換間隔時間を排尿間隔と考えていいでしょう。

24. おまるに座らせるタイミング
おむつ交換の間隔が2時間ぐらいになったらおまるにさそう準備をはじめます。 排尿の予測した時間を過ぎてもまだおむつがぬれていなければ、おまるに誘いま す。もし、おまるに座るのをいやがったら、お母さんが座ってお手本を見せまし ょう。このとき、実際にお母さんが排泄する必要はありません。お子さんがおま るで排泄ができたら、出たものを見ながらよろこんであげましょう。

25. おたふくかぜワクチンについて
おたふくかぜにかかると平均1週間は隔離の必要があり、その間は保育園には登 園は出来ません。入園前にワクチン接種をすませておくとよいでしょう。おたふ くワクチンによる抗体獲得率は約95%ですから効果は十分にあります。副反応で 心配されている無菌性髄膜炎の発症率は約0.1%ですので、実際におたふくかぜに かかった場合の無菌性髄膜炎の10%の発症率よりはるかに低いのです。

26. 麻疹ワクチンについて
麻疹にかかると発疹と約1週間続く発熱があり、解熱後3日経過しないと保育園 に登園できません。また、合併症として中耳炎、肺炎、脳炎等があり、決して軽 い病気ではありません。この麻疹の予防にはワクチンがとても有効で約95%の抗 体獲得率があります。通常は1歳と5歳で接種しますが、2回目の接種を5歳で できなかったお子さんには、中学1年生かまたは高校3年生のときに2回目の予 防接種ができます。

27. 飛行機にはいつ頃から乗せられるでしょうか
飛行機に乗るときには、赤ちゃんの疲労を考えれば首がすわる3カ月以降が望ま しいとされています。搭乗時間の長い国際線では支えればお座りのできる6〜7 か月がよいでしょう。飛行中は気圧の変化により耳が痛くなり機嫌が悪くなるこ とがあります。このような時にはミルクや飲み物を哺乳瓶で飲ませる、幼児では 飴などをなめさせるとよいでしょう。機内では退屈しないようにおもちゃも用意 しましょう。

28. プールや海にはいつから連れていってよいでしょうか
海やプールは紫外線が強いため、皮膚の薄い乳児や幼児では皮膚炎、やけどや熱 を出すことがあります。海への往復の負担を考えて、7か月を過ぎた頃から海水 浴やプールへ連れて行ってあげるとよいでしょう。1歳6か月を過ぎれば水の中 に体をつけることもでき、2〜3歳になれば、大人と一緒に10分位は水に入って もよいでしょう。海辺やプールでは直射日光を避けるために長袖の服や帽子をか ぶせてあげましょう。


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2012年01月15日 更新