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読んだ本の感想です。同じ本を読むことがあったら、是非感想をお聞かせください。


  イタリアからの手紙  塩野七生
Date: 2005-10-18 (Tue)
イタリア史家の塩野七生の本は、父の部屋に数限りなく置かれていたので印象深くて、これまでも「ルネサンスの女たち」という本を買って読んだことがあった。
今回の「イタリアからの手紙」は、彼女の綴るエッセイで、イタリアに暮らす彼女の人間関係、生活、仕事に対する考え方や、それらを通した彼女自身がよく見えてくる作品だったと思う。

特に印象に残ったのは、彼女の愛するミロのヴィーナスの前で出あった日本人の話。自分の時間、趣味、興味のあることに真剣になること、それは私も彼女と同じように価値を感じることのできることで、そういう人間とたくさん知り合いたいと思うし、自分もそうありたいと思う。
イタリアは私が昔から憧れている土地で、そこに長く住み、その歴史を学び表現する彼女が私にとって特別な作家になりうるだろうことは予想していたのだけれど、それ以上に女性としての生きかたやものの見かた、考えかたに深く共感させられました。

  眠る盃  向田邦子
Date: 2005-07-11 (Mon)
様々な雑誌に掲載されたエッセイを集めた本。以前読んだ「夜中の薔薇」と似たタッチで、とても新鮮に、気持ちよく、面白く読みました。

自分の人生や家族の人生を主観的でありながら少しクールに語る口調が、向田邦子の素敵さを引き立てているように感じました。
へんな言い方だけれど、私が認められたいと感じるのはこういう人かもしれないなと思いました。あの人に認められたい、この人と対等にお話ができるようになりたい、と感じる人は、世の中そんなに多くないような気がします。

また、「あ・うん」を高校の国語の授業で観たことを思い出しました。

  半島を出よ  村上龍
Date: 2005-07-11 (Mon)
内容は書きませんが、良かれ悪かれ村上龍の作品!という感じでした。彼の興味のあるだろうこと、経済や軍隊や社会の危機、そして人間模様と「強く生きる」ということを訴える内容が詰まっていて、面白く読みました。
個人的には、最後の終わり方が納得いかないのですが。
他の作品にも言えることだけれど(「希望の国のエクソダス」とか)、彼の作品では問題を解決するのは社会のアウトサイダー。そこが、なんというか、うーん。。

ただ、現在日本の抱えている問題を辛辣に語っている点で、ぜひ多くの人に読んでもらい、実際の社会と照らし合わせて議論したい作品でもあります。

もう読み返さないと思うので、買わずに正解かな。彼氏に返します。笑

  進化しすぎた脳  池谷裕二
Date: 2005-03-07 (Mon)
面白かった。中枢神経系や生理学をちょっとわかっているから余計に面白かったのだろうけど、是非高校生に読んでもらいたい(この本は学者が高校生に対して行った講義の記録)と思いました。
ポイントは、脳と身体の関係性や、複雑系について。視覚の認識やシナプスの仕組みなど、もっと細かいことも書いてあったけれど。
私自身が一番面白いと感じたのは、「身体が脳を規定している」というくだり。中枢神経系、特に脳の仕組みを勉強していると、人の根本的な存在意義は中枢神経にあるような錯覚に陥ってしまって、その点がこれまで勉強してきて納得行かなかったのだけれど、少なくともそうではなさそうだと感じさせてくれた内容でした。
高校生でも知っていることから、それって最先端の話だよね?と思われることまで、上手に語られていて(その分、端折られて「本当?」と思ってしまうところもあったけれど)最後まで楽しく読めました。

  若き知性に  宮本百合子
Date:
1930年から1950年頃に書かれた随筆などを集めた短編集。特に女性を対象に話がすすめられていて、女性として考えさせられる事がたくさんあったと思う。女性ならずとも、20代、30代の人間にとって大切なことが書いてある気がする。
書かれたのはもう50年以上前なのに、そこに綴られている事柄に年月のギャップを感じない。知性について、幸福について、常識について、何かをきちんと考えることの出来る女性の文章を初めて読んだような思いがした。
あと、使われている日本語がきれい。

陳腐な感想になりそうなので、一部本文から引用します。


私はむしろ、行為の動機に対してこそ自信のある、なしとはいえるのだと思う。あることに動こうとする自分の本心が、人間としてやむにやまれない力におされてのことだという自信があってこそ、結果の成功、不成功にかかわりなく、精一杯のところでやって見る勇気を持ち得るのだと思う。その上で成功すれば成功への過程への自信を、失敗すれば再び失敗はしないという自信を身につけつつ、人間としての豊かさを増してゆけるのだと思う。行為の動機の誠実さに自分の心のよりどころを置くのでなくて、どうして人生の日々に新しい一歩を踏んでゆかなければならない青春に自信というものがあり得よう。
『自信のあるなし』より。

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