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チベット問題に関する文献案内


チベット問題について関心をもつ人のために、簡単に文献を紹介する。
1950年の人民解放軍のチベット占領から始まる半世紀のチベットと亡命チベット人たちの歴史について知るには、次の文献が最も有益である:

ジョン・F・アベドン:『雪の国からの亡命 〜チベットとダライ・ラマ 半世紀の証言』、地湧社、1991。

さらに詳しく調べたい場合にも、上記のジョン・F・アベドンの本の巻末にある参考文献のリストが非常に役に立つ。
またチベット亡命政庁が発行した次の本は名著であって、現在のチベット問題を包括的に知るには絶好の本である:

チベット亡命政府情報・国際関係省:『チベット入門』、鳥影社、1999。

また次の書はニューヨーク州立大学の歴史学助教授が「偏見のない公平な歴史書」をめざして書いた、7世紀から現代までのチベット史である。特に20世紀後半の記述においては、中国と亡命チベット政庁の両者の言い分に注意深く耳を傾ける。亡命チベット政庁ソースの情報の信憑性を相当疑い、反論している。

A・トム・グルンフェルド:『現代チベットの歩み』、八巻佳子訳、東方書店、1994年。

チベット人が書いた、古代から20世紀前半までのかなり詳細なチベット通史としては次の書がある:

W・D・シャカッパ:『チベット政治史』、貞兼綾子監修・三浦順子訳、亜細亜大学アジア研究所、1992年。

20世紀前半のチベットの歴史だけを扱った本格的な史書としては、次の2冊がある:
A History of Modern Tibet, 1913-1951. The Demise of the Lamaist State,
by Melvyn C. Goldstein, published by University of California Press, 1989.

Tibet and the British Raj. The Frontier Cadre 1904-1947,
by Alex Mckay, published by Curzon Press, 1997.

特に20世紀後半のチベットの歴史に焦点をあてた本格的な史書としては、次の書がある:

Tibetan Nation. A History of Tibetan Nationalism and Sino-Tibetan Relations,
by Warren W. Smith, Jr., published by WestviewPress, 1996.

現代アジアの紛争と国際法の専門家が、1950年のダライラマの国連への提訴から1965年までの、チベット問題に対する国連やインド・中国の動きを調べた書として、次の書がある:

落合淳隆:『チベットと中国・インド・国連』、敬文堂、1994。

現在のインドにおけるチベット難民キャンプ、入植地の活動について知るには、次の報告が最も有益である:

斎藤保高:「ダライラマの聖地へ 〜インドの亡命チベット人社会」(1) 〜(8)『春秋』1996年10月〜1997年7月

イギリス人ジャーナリストが、通訳であるネパール在住チベット人テンジンと一緒に1989年にインド各地の亡命チベット人入植地を巡り歩いた旅行記として次の書がある:

Heirs to Tibet,
by Andrew Powell, published by Bluejay Books, 1998.

アメリカとヨーロッパを中心にして世界中に散らばった亡命チベットの高僧たちが運営するチベット仏教布教センターの活動を知るには次の書がある:

A Handbook of Tibetan Culture. A Guide to Tibetan Centres and Resources throughout the World,
compiled by The Orient Foundation and edited by Graham Coleman, published by Rider, 1993.

すこし古いが、1980年までの亡命チベット政庁の活動について知るには次の公式の報告書がある:

Tibetans in Exile 1956-1980,
compiled, edited and published by the International Office of His Holiness the Dalai Lama, Dharamasala, 1981.

またチベットにおける1987年から1992年までの期間のデモと動乱についての調査として:

Circle of Protest. Political Ritual in the Tibetan Uprising, by Ronald D. Schwartz, published by C. Hurst & Co., 1994.

日本語でチベットの1987年から1990年までの動乱の真相について語っているものとしては:

ペマ・ギャルポ『チベットはどうなっているのか?〜チベット問題へのアプローチ〜』、日中出版、1990.

最近のチベット情勢についてはインターネットで情報を集めるのがもっとも良い。
英語が読める人はまずロンドンのThe Office of Tibetのサイト(http://www.tibet.com/Govt/oot.html)を訪れてみるべきである。

日本語のホームページでは "I Love Tibet!" のホームページ(http://www.tibet.to/)が勧められる。このホームページは『ぼくのチベット・レッスン』、『旅行人ノート チベット』の著者である長田幸康(おさだゆきやす)氏が運営している。ここにはチベット情報の包括的なリンク集がある。

チベットに関する最新のニュースを日本語で定期的に読むためにはチベット・ニュース・ダイジェストhttp://www.tibet.to/tnd/)がよい。これはチベット人権擁護国際キャンペーン=自由チベット協議会がほぼ月1回発行している。このニュースは英国のTIN(チベット・インフォメーション・ネットワーク)や、カナダの WTN(ワールド・チベット・ネットワーク)などのチベットに関する重要な最新情報を、日本語に翻訳したものである(註)。

最後に一言。
ダライラマはこれまで「いかに中国に勝つか」ではなく、「いかに仏法に適った立場をとるか」で亡命政庁の政策を決めてきた。これは、真理であり続ける限り少数者の立場であっても歴史の流れは必ずその立場を無視することはない、というダライラマの強い信念による。チベット問題に最終的に決択をつけるのは、ダライラマが真理と呼ぶものであろう。つまり中国共産党の信じる世界観と、ダライラマの信じる世界観の違いが、チベット問題の本当の中心なのである。哲学・世界観が政治に投影されて政治システムとなる。人間を幸福にしない政治システム、非人道的な政治システムの背後には必ず悪しき哲学がある。善い真理など存在しないという現代的なニヒリズムを捨てて、善い真理を探さなくてはならない。誰もが善い世界の哲学を考えなくてはならない。大衆が精神的に十分に成熟して初めて、民主的に最高の社会システムを実現することができる。ダライラマは啓蒙することによって人類を幸福に出来ると信じている。仏教の真理による啓蒙が世界を動かすことができるか。一人の僧の法の啓蒙が歴史を変えられるか。これがチベット問題の鍵であり、見どころであって、この超政治的なレベルでの精神の戦いが、チベット問題を単なるチベット民族の問題であることにとどまらせず、私たちが人類史上で最も注視すべき問題の一つにする 。
従って、チベット問題を包括的に考えるには、上述の歴史書ばかりでなく、むしろ次のような哲学書から出発するのが最もよいのかも知れない:

ジャン=フランソワ・レヴェル&マチウ・リカール:『僧侶と哲学者 〜チベット仏教をめぐる対話』、菊地昌実・高砂伸邦・高橋百代訳、新評論、1998.




以下は Web 上のチベット・ニュースについて、ニフティ・サーヴのFASIAEにあった「TIBET_G1.TXT [情]チベットの現実」というファイルの中にある「GAF02753/かるま」氏の情報。有益なので、原文をそのまま引用する:

『「Tibet Information Network」(略称TIN)ってのは、ロンドン拠点の非政府人権監視組織で、チベット内部の人権情報について、ほとんどスパイかと思うほどの^^;情報量と質を誇っています。TINはオンラインでニューズレターを発行していて、いろんなネットを通じて入手できます。私がたまたま利用しているのは、「The Canada-Tibet Committee」の「WTN-L」という、いわゆるリスト・サーバーで、ここにIDを登録しておくと、TINニューズレターが勝手にニフティのメールボックスに送られてきます。「WTN-L」からは、それ以外に「World Tibet Network News」のニューズレターも毎日送られてきます。世界中の主だった新聞・通信社のチベット関係の記事や、チベットや中国の新聞の翻訳、漏洩^^;公文書やラジオ放送を傍受したものなどなど、とにかくすごい量で、ぜんぶ無料。ただし全部英語(たまにドイツ語もあり)ですが……

実は昨年半ばぐらいまでは、ニフティの「FSHIMIN」のデータライブラリにも
TINやWTNの情報はアップされていたのですが、ご存じの方は少なかった
でしょう^^;

しかし、そんな苦労(?)をしなくても、TINを日本語で読むことができると
いうお得な話があります(←なんかの営業みたい^^;)。
【その1】日本の「チベット人権擁護国際キャンペーン」なる団体の奇特な方
々が無償で翻訳をやってまして、月に1回程度『チベット・ニュース・ダイジ
ェスト』というニューズレターを出しています(昨年までは主に『チベット情
報・資料』という名前で出ていました)。これまた無料ですが、当然ながら購
読者のカンパのみが財源です。
【その2】「Kawajong Networks Japan」というBBSにWTNやTINの原文・訳文がアップされています。(03局番、2400bps)

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#341 おおまる さん

>> もしよろしかったら、各機関?の連絡先つーのを教えていただけると幸いなの
>> ですが。
それを忘れていました^^;

『チベット・ニュース・ダイジェスト』は「チベット人権擁護国際キャンペーン」(〒105東京都港区新橋6−12−3恒産ビル2F)まで

BBS「Kawajong Networks Japan」については、とりあえず私かるま(GAF02753)までメールくだされば……あ、ついでですから時々「掲示板」で流してるご案内をここにもアップしておきますね。

英語に自信のおありの方は「WTN-L」直ってのもいいでしょう。
>> TO:INET:Listserv@vm1.mcgill.ca ←宛先
>> SUB:              ←空白
>> SUB WTN-L あなたの名前     ←本文
これだけで登録完了です。』



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