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さらば青春劇場
これからはおもしろい

われらをめぐる海

 トカラ列島のちょうど真ん中辺りにある島、 平島(たいらじま)に行った。トカラ列島の中では二番目に小さい島である。

 トカラ列島へ行くには、鹿児島港の南埠頭を 夜1150分にでる 「フェリーとしま」に乗らなければいけない。 結構うねりのある海を、ざっぶんざっぶん揺れながら進む船なので、かなりの忍耐が必要だ。 平島には、だいたい翌朝の8時半に着く。

 民宿に荷物を置いて、カメラを持って島のあちこちを探検して歩く。 放牧牛、野生ヤギ、竹藪、ガジュマル、ほら穴、どっかん波、風、海の色、防波堤、 島のおばさん、広い空、岡の上、工事現場の人、温泉などなどだ。

 トカラは「刻を忘れさせる島」だそうだ。現在の有人島は七つ。今度はどの島へ行こう。 ヘビー級の船酔い苦難を我慢してでも一度は行ったほうがいいぞ。  (K)

今月の読中

リビア砂漠探検記 石毛直道(講談社)

 この本の内容に関しては、二つの点を指摘しておきたい。 その一つは、この本は現在のリビア砂漠に生活するベドウィン族の生活誌として、 もっとも詳細な人類学的記述を提供しているという点である。 とくに、砂漠の遊牧民たちが、現代文明の波をうけて、伝統的な生活様式をしだいに 変化させつつある状況が、いきいきとえがかれている。 遊牧民のモタリゼーションの実状など、ほかではえがたい記述である。
 第二の点は、探検記としてのおもしろさである。 現代においても、まだこんなおもしろい経験ができるものだろうか。 冒険ずきの人間にとっては、まったくうらやましいかぎりである。
 石毛直道君は、人類学者としても探検家としても、すでにかなり有名であるが、 もう一つ、食事あるいは料理の研究化としてもしられている。 研究者というばかりでなく、かれは実際に天才的な包丁人である。