産廃コネクション
石渡正佳(WAVE出版)
仕事柄,産廃(産業廃棄物)のことが気になる。
有名なところでは“豊島(てしま)の不法投棄事件”があるが,
今やそれ以上の不法投棄が全国で行われている。
およそ疑問に思ったことはないだろうか。
「最終処分場が満杯になるまで残すところ3年とか,4年」
などと10年以上前から言われていて,まだ言っている。
可能性は二つ。産廃が激的に減っているか,最終処分場が増えているかだ。
ちまたの企業でごみが減っているとは思えないし,
近くに最終処分場が出来たとも聞かない。
ではなぜか。そのトリックがこの本に書かれている。
実に恐ろしい裏のシステムの存在である。
それにしても良く調べ上げたものだ。
“一発屋”と呼ばれるダンプ一台で廃棄物を不法投棄する一匹狼タイプから,
その不法投棄する場所を見つける“穴屋”の存在や,
駐車場のスペースを活用して廃棄物を積み替え差額を稼ぐ人,
不法投棄の現場を見張る人やその連絡隊。
これは,“産廃ドリーム”を夢見る男達,産業廃棄物処理の裏のシステムである。
しかし,その「不法」と「合法」が実態に違いがないとしたら…
著者は千葉県庁に勤める公務員であるが,
現在も千葉県で活躍中の「産廃Gメン」の創設者の一人だ。
あまりに詳しい不法投棄の実態は,現在の廃棄物処理法の不備をついているが,
下手をすると「不法投棄マニュアル」にもなりかねない。
次の課題は汚染された自然を再生することにある。
何億トンもの産廃が全国各地に埋まっている。
いつしかその上に住むことになるかもしれない。
(F)