赤坂で老猫に遭遇
いやはや終日外出の日であった。暑いのなんの,
午前中は板橋方面で打ち合わせをし,
午後は赤坂見附で会議であった。立ち寄り,立ち帰りというヤツである。忙しいのだ。
時間が中途半端に空いて,やや早めに赤坂見附に到着。
昼時だったのでメシを食おうと界隈をぶらついた。
昼の赤坂見附は中華系の店が結構多い,ということが判明。
しかし中華モードではなかったので,
「マグロ市場」という店でマグロ丼を食った。
店頭で,呼び込みのお姉さんが愛想がよかったのだ。
でも,おいしくなかったゾ。やめたほうがいいゾ。
「うーむ」と唸りつつ,マグロ丼を5分で完食,
スバヤク店を出た。食後,まだ時間があり「赤坂カメラ」でヴィンテージライカを物色。
その後も,もうちょっと時間があったので,
青空立体駐車場の影で,携帯メールをチェックすることにした。
と,その時,背後にケハイが…
「ん!」と思い振り返ったが,だあれもイナイ。更に「んん!」と思いつつ,
よおく見たら,すぐ傍に痩せてややキタナらしい老ネコがいて,視線が合ってしまった。
でもネコとはいえ,この力に満ちた視線はなんだろう。
こういうのを「ガンをつける」というのではあるまいか。
アナタはネコにガンをつけられたコトがありますか。
このネコにとって,その場所はコースポジションになっているようで,
つまり,そこで小便中であった。
そりゃあ「何見てんだヨォ!」と,ガンもつけたくなるよなあ,
と思いつつしばし観察することにした。
用足しが終わるとネコは,ようやくぼくから目を外してくれて,
往来の向こうへ,ぺたり,ぺたりとゆっくり歩いていくのだった。
歩きながらも,OLや,
サラリーマンふうのお父っつあんに,始終ガンをつけているように見えた。
その背中は「オレのほうが赤坂なげえんだからな,わかってんだろーな」と
物語っているようであった。
そして,ぼくの目の前では,老ネコの小便が,
表面張力を見せながら駐車場の低いところへ流れ動いてゆくのであった。
(K)