内装工事1

リフォーム

4月に入り外部足場が外れた。
この足場はそのまま既存建物の方の足場に組み替えた。
新築の方の水回りが使えるようになったところで、既存部分のリフォームに入る。

ある朝、新聞を取りに外に出てみると、軒下にベニヤを剥がしたようなものが落ちている。
何だろうと思いつつ手に取るともろくも崩れてしまう。
どこにこんな物を使っているのだろうと建築中の建物を見てみるが、思い当たるところが無い。
その時は気づかなかったが、数日後近所の人からご注進があった。
「軒先から何か垂れてるよ。」
あわてて古い方の家を見上げた。
なんと軒天から確かにぶら下がっているものがある。
目を凝らして見て驚いた。
軒天が剥がれて垂れ下がっている。
既存部分の軒天はベニヤ板に木目を印刷したもの。
16年前の当時は流行の品。
ぐるっと全体を見ると、剥がれ落ちたところがいくつもある。
実にまずい。
せっかく新築しているのに、横にお化け屋敷のような物があっていい訳が無い。
補修しなければ。
表面を塗装するという手も考えたが、ベニヤの劣化は止まらないと思われ、そこで張り替えることを決意した。

建築中の建物ばかりに意識が行っていたが、既存の部分にも目を向けてみた。
痛んでいるところが目につく。
横に新品の家を建築中のためか、痛みが余計に目につく。
小生の家の外壁はトタンにグラスウールのような物を貼り付けたサイディングが貼ってあるのだが、表面の塗装が痛んできている。
場所によっては継ぎ目の部分が膨らんでしまい、納まりが悪くなっているところも随所に見られる。
今まで何もメンテナンスをしてこなかったツケが廻ってきたようだ。
こっちは塗装や補修で何とかなると思われたが、見栄っ張りの悪い癖が出た。
建築中のサイディングと同じ物で張り替えれば一体感ができ、見栄えが良いだろうと思った。
昔の人は清水の舞台から飛び降りるつもりと言ったが、今ならさしずめバンジージャンプをするつもりになって、外壁の全面張り替えを決意した。

決意はしたものの先立つものが無い。
前述した白蟻被害の修理費用は床暖房をあきらめることで捻出した。
この軒天と外壁の張り替え費用はどうしたら捻出できるのか?
打ち出の小槌でもあれば良いのだが、残念ながら無い。
これから鶴を助けるか、おじぞうさんに傘をかぶせるか、はたまた犬のポチでも飼うしか手が無い。
今日は決意だけにして資金繰りはゆっくり考えることにする。
リフォーム用に150万円ぐらいは見込まなければならない。
えらいこっちゃー。

職人さん集中

4月も10日を過ぎて内装工事が始まった。
塗装屋、クロス屋、左官屋が来るようになった。
もちろん大工も来ている。
工期が延びているためか内装工事がかち合ってしまった。
大工が仕上げをしているところは塗装屋が入れない。
塗装屋が仕事をしているところはクロス屋や左官屋が入れない。
クロス屋が壁の目地処理等を終わらせなければ左官屋は壁が塗れない。
壁や塗装が終わらなければキッチン等の器具は設置できない。
器具が設置できなければ設備屋や電気屋も工事できない。
住宅機器が使えなければ引越しできないので、大工がリフォームに入れない。
まるで立体パズルを解くようにスケジュールを決めていく。
各職人の手待ちが無くなるように調整するのは難しい。

見栄え

見栄っ張りの小生としては見栄えはしたほうが良い。
とは言うものの家族の健康や金額も考えなければならない。
何を取るか、どこで妥協するかが問題。
回縁や見切りは部屋の見栄えを良くするためにつける装飾品。
この材質で雰囲気が変わってしまう。
和室や1階の廊下、3階には桧の無垢材で。
水回り、階段、子ども室などは既製品(ノダ製)の回縁を付けた。
雰囲気がぜんぜん違う。
やっぱり無垢材にはかなわない。
付けてしまってから失敗したとつくづく思う。
どんなに艶があろうと、装飾が施してあろうと本物の木の質感にはかなわない。
これが全て大壁でクロス張りなどだったら違和感は少ないと思う。
我が家の場合は真壁だったり、塗り壁だったりするので違和感が強い。
窓枠も桧の無垢材を使っているので、既製品の回縁の部分だけ浮いてしまっている。
手間とお金はかかっても無垢材を使えばもっと満足感が得られたであろう。
今回の反省点。

反省点のもう一つはクロス。
台所や、廊下の天井、トイレの天井など一部にクロス張りを採用している。
健康を考えるとクロスは使いたくなかった。
板張りや壁土を塗って作りたかったが予算の関係もあり採用してしまった。
やっぱり変。
綺麗は綺麗なのだが質感が悲しい。
それにここだけ不健康を象徴しているようで何とも情けない。
しかしこれは小生だけの感想で、女性陣には評判良い。
我が家の女性陣にとっては見た目がすべて。
見た目さえよければ良い。
「壁も天井も全部クロスでも良かったんじゃない。」
なんてのたまう。
小生にとっては暴言としか思えない。
一家の主として家族の健康や幸せを考えつつ、やむにやまれず採用したクロスを賞賛するとは情けない。
もっと本質に目を向けてくれ。
見てくれにとらわれてはだめだ。
年を経て生れる美しさもある。
今だけの美しさに目を奪われないでほしい。

左官工事

壁土は珪藻土。
実際に製造元まで話しを聞きに行き、見て、触って納得して採用した。
臭いと水分の吸収力には目を見張るものがある。
実際の感想は住んでから再度書いてみたい。
小生が惚れ込んだ日本ケイソウドの水で練れてるシリーズから「佐野の名水」を用意した。
この壁材は珪藻土の含有率が75%もあり健康には良さそう。
しかし個性も強い。
この会社の製品で珪藻土の含有率80%超の物もあるが、必ず割れるという。
逆にわれ具合を楽しむためのだとも言う。
この話しは直接ケイソウドの社長から聞いた。

小生に頼まれた左官屋さんは大変。
塗り始めて2日目の日に話しを聞くことができた。
職人さんに聞くと、珪藻土は初めてという。
最初の一声が「塗りづらい。」
「伸びは良いが水引きが速い。」
「平らに塗れない。」
「チョット乾き出してから撫でると、乾いてからザラザラになる。」
などなど。
予想していた通りの反応が返ってくる。
珪藻土は癖が強い。
乾く時の温度や湿度によっては割れてしまうことがある。
最近は雨の日もあり、気温も低くも高くもなく、絶好の珪藻土日和。
今の内にどんどん進めてもらおう。

小生が頼んだ左官屋さんは親子で仕事をしている。
後継者がいなくて悩んでいる商店や職人が多い中でうらやましいかぎり。
小生も親父の仕事を継がなかった不肖の息子であり、見ていると反省してしまう。
親父といっしょに仕事ができたら、親父にとってはさぞかし嬉しかっただろうと思う。
今となってはもう遅いのだが、ちょっぴり後悔させられる。
大工さん親子も左官屋さん親子も良い雰囲気。
今後の活躍に期待したい。

強いのは誰?

建て主と建築士と各工事の職人さんたちの中で一番強いのは誰か?
発言力のあるのは誰か?
三者が良きパートナーシップにのっとって協力できれば一番良いのではあるが、長い工事の月日の中では各々の個性や力関係がはっきり出てくる。

一番強いのは本来建て主。
お金を握っているので、嫌なら工事を止めることもできる。
しかし、一番現場にいないのも建て主であり、知識が無いのも建て主。
意外に力が無い。
確かに「お金」は切り札なのだが、使ってしまっては信頼関係を壊してしまう。

では建築士は力が強いか?
確かに強権を持っている。
工事に精通しているし、職人にやり直しを命じることもできる。
実際に工事をするのは現場に来ている職人であり、現場ごとに住む人の立場に立ったアイディアやノウハウを持っているのもこの職人達。
納まりや、使い勝手、仕上がり状況に対して経験とノウハウを持っている。
建築士の発言が強いと職人からの意見やアイディアが出なくなってしまう。
職人の声に耳を傾けられない建築士は失格である。
かと言って強権を使えないような建築士でも困る。
監理をしてもらっている意味が無い。
職人の意見は住み手の立場に立ったものもあるが、自分達が楽をする為の意見も多々ある。
建築士はこれらの雑多な意見を取捨選択する能力を持っていないと勤まらない。
よって建て主はこの辺の建築士の気質を見抜いてから設計監理契約を結ばないとならない。
単純に建築士の実績を見て気に入ったとかで判断してはならない。
分離発注では大事なことだと思う。

では職人は強いか?
はっきり言って弱い。
職人さん相互間でも力関係がある。
分離発注ではお互いに対等な立場のはずであるが、実際はそうも行かない。
弱い立場の職人さんもいる。
大工さんなどは良い方である。
どの職人さんからも一目置かれている。
この辺りは職人本人の気質によるところもあるので、正確には見極められない。
概ねどの職人も、我が侭な建て主と剛面の建築士の狭間で苦労している。
末端の職人さんが一番大変。
反面、最も手を抜いたり楽をしたりするのもこの人達。

結局は誰が強いかではなく、三者間でチームワークが作れるかどうかだと思う。
小生のようなサラリーマンでは現場にいる時間が少ないので難しい。
建築士と職人とでチームを組んでもらうような形になる。
ただ、意思決定と伝達経路だけははっきりさせておいた。
職人のアイディアや小生の我が侭は全て小生の言葉として建築士に伝え、小生と建築士で協議し、決定事項は全て建築士から指示してもらった。
大きな変更等は、建築士から職人にいきなり命令されると角が立つ恐れもあるので、小生の口から内示として職人に事前に匂わせておいた事項もある。
会社でも同じだが人を使うのは難しい。

職人の目はどこを向いているか

小生のような分離発注の場合、各々の工事会社と直接契約しているので、建て主と工事会社とで1対1の関係ができる。
直接作業者と話しができ、変更の指示や追加工事を依頼することも可能。
しかし、小生の場合は必ず建築士を通して指示を出すようには心がけていた。
このような時、職人の目はどこを向いているか?
作業者の形態にもいろいろある。
小生の家に来た職人では、棟梁は社長で息子は社員であり、いっしょに作業。
基礎工事屋は社長と社員がいっしょに作業。
左官屋や設備屋、建具屋は社長が自ら作業。
塗装屋は社長は作業せず、社員が作業。
外壁屋はやはり社長は作業せず、社員が作業。
かつ目地の処理は下請けの職人が作業。
足場屋は配下の社員が足場を組み、ネット張りは下請け会社の社員。

社長が自ら作業している工事は70%が建て主の方を向き、30%ぐらいは建築士の方を見ている。
非常に話しがしやすく、お互いの知恵を出し合って工夫したりがしやすい。
図面に記載されてない箇所でも、もっと使いやすくしようなどと考えて作業してくれている。
分離発注の良い面が良く現れているように思う。

社長は作業せず社員だけが作業している場合は、20%が建て主の方向き、30%は建築士の方を見ている。
残りの半分は自分の会社の社長の方を見ている。
職人とは言えサラリーマンであるので仕方が無いことかもしれない。
それでも話しはしやすい。
小生の分と味方である建築士の分を合わせれば50%有り、職人に直接話しをしても全く問題はない。
職人と相談しながら工事を進めることができる。
しかし、工事会社の社長は違う。
いくら直接契約しているとは言っても、目は建て主の方を向いていない。
90%は建築士の方を見ており、わずか10%程が建て主の方を向いている。
理由は簡単。
建て主から直接仕事を回してもらえる可能性は低い。
が、建築士からは仕事の依頼の可能性が高い。
営業拡大のチャンスに繋がる。
当然顔の向きは建築士の方になる。
ただ救われるのは、顔が建築士の方を向いているだけに、建築士を通して指示を出すと話しが早く、間違いが無い。

下請け会社の作業者の場合はどうか?
これは全くダメ。
目は建て主の方も建築士の方も向いてはいない。
元受会社の方を100%向いている。
建て主の都合とか希望などには耳を貸してはくれない。
ただ与えられたノルマ(作業)をこなすのに精一杯のように見える。

こうしてみていると大手メーカーや工務店等の一括請負工事で、下請け会社の人ばかりが集まってしまったような現場ではどのようになっているのであろうか。
想像しただけで恐ろしいような気がしてくる。
我が家に来ている職人さんたちから聞いた話しでは、メーカーの元での工事の場合、建て主と殆ど話しをすることは無いという。
指示された通りに工事をしないといけないらしい。
工夫するとか建て主の指示で勝手に工事を変更するなどと言う事はほとんどしないらしい。
また材料の使い方に至ってもメーカーからの指示書通りで、「ちょっと変だな」と思う場合でもそのまま工事をしてしまう事が多いと言う。
聞けば聞くほど変な業界だなと思う。
この業界には「客先満足度」などという言葉はないのかもしれない。

分離発注の場合、職人の目の大半は建築士に向いている。
建築士次第で現場に良い雰囲気もできれば壊れてしまう事も有るように思える。
建築士の責任は重い。
設計やデザインだけを経験してきて、現場の場数を踏んでいない建築士にとって「分離発注」は荷が重すぎるように思える。
現場を知らない建築士に分離発注は向いていないと思う。
オープンネットに参加している設計事務所の方は高い理念を掲げている人たちなので、現場を知らないなどと言う事はないと思うが、もし仕事欲しさに参加しているのであれば辞退していただきたい。
現場を知らない建築士に分離発注で仕事を依頼してしまった建て主は不幸だと思える。
生意気かもしれないが、インターネットという公共性を利用してあえて提言する。

左官工事2

4月に入ってから始まった左官工事も終わりを迎えようとしている。
後は旧家屋との繋ぎ目部分でおよそ半日仕事分ぐらいが残っている。
足掛け10日ほどの仕事となった。
思ったより仕上がりも良く、割れも無く良い雰囲気になた。
しかしここまで来るのにずいぶんと左官屋さんは苦労した。
問題は下地の処理。
石膏ボードやコンパネの継ぎ目をどう処理するか。
小生の家ではいくつかの方法を試みてみた。
@テープ張りをして珪藻土直塗り
A継ぎ目に珪藻土を接着剤代わりに薄く塗り、テープを張った後、珪藻土仕上げ塗り
B市販のパテで均してから珪藻土塗り
C市販のパテで均して後、水引を止める物を塗り、その後に珪藻土塗り
D一度クロスを貼り、その上に珪藻土塗り
うまく仕上がったのは@ADの方法。
小生はコンパネに塗ると木のアクが出るので、Dの方法を採用し、石膏ボードの部分は@の方法を採用した。
逆にBとCはうまくいかなかった。
市販のパテを使用した場合、パテの部分だけが薄く透けて見えてしまう。
3回ほど重ね塗りをしてみたが、水の引き具合が違うので薄く跡が出る。
市販のパテは使用しない方が無難なようだ。
また、重ね塗りする場合は完全に乾いてから塗るより、一度霧を吹き、湿り気を与えてから塗り込んだ方が良さそうに見える。
@の方法は簡単で良いが、塗りが薄いとテープの模様が出てしまう。
厚く塗れば問題は解決するが、壁の隅などは厚く塗る為に何度も鏝でこすると仕上がりが悪くなる。
仕上がり具合は個人の好みによって左右されるので、左官屋さんと相談する方が良い。
Aの方法は手間はかかるが仕上がり具合が良い。
Dの方法の思いの他、良く仕上がる。
クロスの上に塗れてしまところが凄い。
珪藻土の凄いところの一つはクロスの臭いを封じ込めてしまうところに有る。
これには左官屋さんもビックリしていた。
普通、クロスが貼ってある家で仕事をしていると臭いで頭が痛くなってくるが、珪藻土を塗ってしまうと臭いが無いと感心していた。
また、その日の湿度によって壁の色が若干変わって見える。
湿気を吸収しているのを目でも理解する事ができる。
これにも相当ビックリしていたようだ。
やはり日本ケイソウド社の壁土を選択して正解だった。

システムキッチン考

4月も後半に入り、奥様達の夢のシステムキッチンが設置された。
ノーリツのOEM生産で新日軽のキッチン。
ミーレの食洗機と電磁調理器も入った。
他メーカーの物が入ると言う事でシステムなのだろうが、もう少し根本的にシステムになってほしい。
小生が思春期の頃はシステムコンポーネントステレオが流行で、アンプはどこの、スピーカーはどこの、プレやーはどこそこのと、他メーカーの製品を自分の好みに合わせて楽しんでいた。
正直なところを言えば当時も貧乏だったので、メインアンプのみ自作し、プリアンプは従兄弟のお下がり、スピーカーは粗大ゴミになっていたものを自分で修理して使っていた。
ともかく自由に組み合わせられるから「システムコンポーネント」なのだ。
ところがシステムキッチンはそううまくはいかない。
シンクは日立化成で、調理台の天板はタカラ、台の扉はトステムなどと言うわけにはいかない。
この辺は大いに不満が残る。
「システム」と名乗るからにはこれぐらいの組み合せの自由が有ってほしい。
パソコンだって、ディスクは日立でCD-ROMは東芝、モニターは飯山なんて事が可能なのだから。
キッチンメーカー連合会(こんな会ある?)で考えてもらいたい。

キッチンが入ったのは良いが、臭い。
シックハウスの心配が有ったので、できるだけ臭いが少なく、接着剤にも気を使って選択したにもかかわらず、やっぱり臭い。
小生が匂いに敏感すぎるのか。
各メーカーにおいてはこの当りにも充分気を使ってほしい。
「健康住宅」などという単語が最近の広告によく見られるが、健康に暮らせるなどという事はごく当たり前の事で、宣伝のうたい文句にするような事ではない。
家に住んでいるだけでガンになったり、シックハウスになったりするような建材は住宅には使ってほしくない。
金儲けばかり考えないで、暮らす人の味方になった建材等を提供してほしい。
また小生たち建て主も、見てくれや機能ばかりに目を向けず、本当に大事なものは何かという事を念頭においておきたい。
建て主が賢くならない限り、建築業界は良くならない。
農業の二の舞だけは踏みたくない。

しかし、建築業界って本当に変なと言うか面白い業界だなぁ。



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