<専門工事会社の皆様へ>


いろいろな工事会社の人にお世話になりました。
解体屋、産廃屋、土建屋、鳶職、大工、重機屋、生コン屋、仮設トイレ等のレンタル屋、足場屋、水道屋、電気屋、ガス屋、左官屋、塗装屋、板金屋、屋根瓦屋、サイディング屋、サッシ屋、ガラス屋、畳屋、建具屋、経師屋、内装屋、ざっと思い付くだけでもこんなにある。
この他に材木をはじめとする各種建材の仕入先があり、そこの職人さんたちもいる。
一軒の家を造るということは、たくさんの人の協力があって初めてできることなのだなぁとつくづく感じました。
各工事会社の社員・職人の皆様、ありがとうございます。

労働時間

皆さんの1日の労働時間は何時間?
見積書を見ると1人工〇〇円とか日当〇〇円とかの数字が出てくる場合がある。
この時の基準となる労働時間は何時間なの?
工場勤務の小生などはきっちり決まっている。
朝8時から夕方5時までで、実動8時間。
10時と3時に10分間の休憩、昼休みが40分。
雨の日も晴の日も同じ。
夏でも冬でも同じ。
職人の場合は?
当然職種によっては雨の日は仕事にならなかったり、自宅の作業場で造ってきてしまう場合もあるのは理解している。
平均したら実動時間はどのくらい?
夏場と冬場では労働時間が違うのだから、単価が変わってしまっても良いのでは?
日頃原価計算などをしているとこんな所に目がつい行ってしまう。
細かいことに目くじらを立てるつもりはないが、ルーズになりがち。

朝はやっぱり8時に出勤してきて下さい。
(朝一番で、皆で打ち合せをしましょう。)
人工で費用請求しているなら、実動8時間は働いて下さい。
(サラリーマンと同じです。)
工事が遅れたからと言ってあまり遅くまでは残業しないでください。
(安全への不安や翌日にひびきます。)
日曜日など決められた休日はきっちり休んで下さい。
(こっちも静かに休みたいのです。)

ホウ・レン・ソウ

工場では「ホウ・レン・ソウ」という言葉を良く耳にする。
ホウ:報告、レン:連絡、ソウ:相談、この三つをしっかりやろうということ。
分離発注では建て主と工事会社が1対1の関係になる。
毎日現場監督がいるわけではないので、建て主と建築士と工事会社間の意見や日程の詰めは重要事項。
だからこそ「ホウ・レン・ソウ」が大切になる。
意志の疎通をしっかりやって無駄の無い作業を心がけたい。

今日の作業の進捗を報告して下さい。
(毎日報告してもらえると建て主は安心します。)
不具合や変更事項があれば連絡して下さい。
(連絡が無いと不安になってしまいます。)
決めかねた事や明日からの工事内容については相談して下さい。
(その場で判断できないかもしれませんが善処します。)

常識

建て主と職人とでは常識に違いがある。
作り手と使用者の違いと言っても良い。
例えば電気屋は配線を通す為に梁や壁に穴をあける。
最近はCD管を通す為に、径の大きい穴をたくさんあける。
電気屋にとって見れば当たり前なのだが、建て主にとっては悲鳴をあげたくなる。
建て主はいくつも穴の空いた梁を見上げて溜め息を吐く。
こんなに穴をあけてしまって強度に問題はないのか?
心の中に不安と疑心が沸き上がってくる。

材料として置いてあるコンパネや石膏ボードを使って、簡単な作業台を作ったりする職人もいる。
職人にしてみれば現場にある物を利用しているのだから問題ないだろうと思っている。
建て主にしてみれば、そのコンパネ1枚1枚にお金がかかっている。
切ってしまえば作業台だが、壁に張れば立派な壁の下地になる。
あぁもったいないと思わず溜め息を吐く。
分離発注だと単価が解っているだけに余計にそう思ってしまう。
小生がケチなだけかもしれない。

掃除の仕方にも違いがある。
職人にしてみれば自分の作業した屑だけを掃除すれば良いと思っている。
しかし、建て主は違う。
現場に放置されているゴミは、誰が残した物であろうと自分のゴミになる。
よって、職人と建て主ではキレイさの要求レベルがおのずと違ってくる。
自分のゴミだけ片付けると言う考えから、現場をキレイに保という考えに変わってほしい。
もちろん人目につかなくなってしまう箇所も同じように考えてもらいたい。
床下や壁の内部におが屑やゴミが残っているのを見てしまうのも嫌なものである。
建て主にとっては壁の内部まで自分のものであり、そこまでキレイであってほしいと願っている。

単価

作業単価、すなわち手間賃というものはどのようにして決まっていくのだろうか?
都会と地方では大きな隔たりがあるし、工事業者によっても単価が違ってくる。
小生には良く理解できない。
例えば柱や梁に墨を付け継ぎ手を加工する作業と、コンパネや石膏ボードを壁に張りつけていく作業が同じ単価とは納得できない。
また、若い半人前とおぼしき職人の単価と、ベテランの単価が同じなのも納得がいかない。
どんな作業、どんな作業者であれ、見積書には同じ単価で表示されている。
これで良いのだろうか?
作業内容や技量によって、建て主への請求単価が違っていても良いような気がする。
小生の勤務先の工場で書いている見積書は、作業内容や工程、使用する機械によってすべて単価を変えて書く。
当然技量を必要とする作業や特殊な機械を使用する作業は高くなり、誰にでもできる作業は安くなっている。
そろそろドンブリ勘定から脱却する時期が来ているのではないだろうか?

オ・ア・シ・ス

前述した事の繰り返しで恐縮だが、もう一度「オ・ア・シ・ス」を取り上げたい。
気持ちよく挨拶のできない職人を時折見かける。
若い人と結構年配の人に多いような気がする。
キチントした挨拶もできない職人に造ってもらっているのかと思うと情けなくなってくる。
信頼できないのである。
挨拶は直接作業に関係ないかもしれないが、人間関係を円滑にするための重要な要素だと思う。

オ:おはようございます
ア:ありがとうございます
シ:失礼します
ス:すみませんでした

お互いにこの「オ・ア・シ・ス」ぐらいの挨拶をして、気持ちよく作業したいものです。

悪口

お茶の時間にいっしょに話しをしていると、他の現場の悪口を言う職人さんに当たる時がある。
「あそこの現場は監督がうるさい」ぐらいから始まって、「安普請」だとか「給料が安い」などさまざま。
場合によっては金額が合わないので手を抜いた話しまで飛び出して来る。
こんな話しは聞いていてけっして気持ちの良いものではない。
仲間内だけで話しをしているなら良いけれど、建て主の前では決して言ってほしくない。
段々信用できなくなってきてしまう。
こんな職人には出入禁止の処置を取りたい。
まぁ、そんな話しを聞き出そうとして、鎌を掛けている小生も小生だが。
とにかく噂話や悪口は言わないに越した事はない。

最後に

一生の間に何十軒も何百軒も工事をする工事会社の皆様と違い、たった一軒しか建てられない建て主とでは気持ちの持ちようが違います。
いつもハラハラドキドキしています。
この一軒しかできないと思うからこそ、トンチンカンな発言もしてしまいます。
笑わないでください。
そっちは専門家でもこっちは素人です。
素人にも納得の行く工事をお願いします。
思わずホッー!と言ってしまうような作業をお願いします。
毎日毎日そんな訳にはいかないとお思いでしょうが、私たちにとっては最初で最後です。
ここの所をご理解願います。




「建築設計事務所の皆様へ」に戻る

「はじめに」に戻る