<出会い>


誰に依頼するか

21世紀が幕を開けました。
昨日と今日では何も変わってはいないけれど、やっぱり新たな気分。
家に対する考えはまとまったが誰に依頼するか。
問題である。
前述の通り、我が家は環境が整いすぎている。
しかし勉強したおかげか、こっちの方も方向性が出てきた。

ハウスメーカー
「家を買う」という感覚が肌に合わない。
やっぱり「家を建てた」と思いたい。
実際に作るのは自分自身ではないのだが、意見を言ったり、掃除をしたりと拘わっていきたい。
それに隣家の幼なじみ(ハウスメーカーの営業マン)の給料まで、我が家の建築費に含まれるのはイヤだ。
豪華な展示場の建築費やきれいなオネエーチャンの費用まで請求されるのもイヤ。
顔も見た事の無いメーカーの社長のボーナスまで負担するのは納得がいかない。
いきなり「値引きします」と言う根拠はどこにあるのか?
小生にはハウスメーカーは合わない。

地場工務店
私の知っている工務店の社長は顔が悪い。
水戸黄門に悪代官として出てきそうなのだ。(ゴメンナサイ)
何度か話しをした事があるのだが、「海千山千」という言葉が良く似合う。
「旦那、お任せくだせい。悪いようにはしませんぜー。」
というタイプなのだ。
地元では実績があるので一番安心できるパターンだとは思う。
まるっきり任せしてしまうなら良いかもしれない。
しかし生理的に受け付けないタイプであるのも事実。
設計や工事に拘わっていきたい小生には合わないかもしれない。
(全国の工務店の皆様、勝手な事を言って申し訳ありません。m(_ _)m)

個人の大工
現在すんでいる家も個人の大工が建てた。
依存はない。
しかし新しい工法や断熱材等の知識はあるのだろうか?
材料や設備を安価に仕入れるルートは持っているのだろうか?
センスは時代に促しているだろうか?
工事途中で怪我をしたり、夜逃げされたりした時はどうなるのだろうか?
依存はないがおぼろげな不安もある。

設計事務所
設計事務所なんて見た事が無い。
こんな田舎にもあるのだろうか?
貧乏人を相手にしてくれるのだろうか?
事務所の入り口には「貧乏人お断り」の張り紙があったらどうしよう。
敷居が高すぎて声がかけ難い。

ネットサーフィンで得た知識で、設計事務所には建築士(設計士では決してない)がいる事も、ビルや工場ばかりではなく個人の住宅を手がけている事務所の存在は知っていた。
それでも尚不安がある。
田舎町に宇宙船のような家を建てられてしまっては困るのである。
テレビの「建物探訪」に出てくるような家は望んではいない。
どこかに敷居が低くて、招き猫がオイデオイデをしているような事務所があれば声をかけられるのに。
それに「設計」だけで工事に携わらないのも難点である。
ここも小生の感覚と違うような気がする。


いったいどこに依頼したら良いのだろうか?
我侭な小生はこの時点で多いに悩む。

偶然の出会い

2001年1月末のある夜、インターネットで仕事の調べ物をしていた。
コンピュータのネットワーク関連を調べるために、「オープンネットワーク」という単語で検索していた。
何件も検索された中に「オープンネット」という単語で建築関係のホームページを見つけた。
ナンダコリャ、建築とコンピュータと何の関連があるんだと思いつつ、オープンネットのホームページを開いてみた。

いきなり「設計事務所といっしょに家を建てる」ときた。

「建築革命」「顧客主導」だ、やれ「分離発注」だと新出単語が軒を連ねている。
何の事やらさっぱり解からない。
あまりにも分からない言葉ばかりで逆に興味が湧いた。
丹念に各ページを見てみた。
読んでいる内に、小生が漠然と感じていた建築に対する不満や問題点への提言が書いてある事に気づいてきた。
小生が求めていたのはそうだ!これだったんだ!
ホームページを閉じた時、悩んでいた頭の中に一条の光が道を照らしたような気がした。
大げさではない。
別に宗教に感化されたわけでもない。
やっと迷いから脱出できるような気がしてきたのである。

「価格の見える家造り」という本も出版されている。

即早、本を買ってきて読んでみた。
一つ一つの問題点に納得がいった。
この「オープンシステム」という手法で我が家は建てようと決心した。
偶然にもオープンネットというホームページに出会った事が、我が家の建築を始める本当のきっかけとなったのである。

出会い

オープンシステムという考え方(手法)を取り入れる決心はついたのだが、オープンネットという会社が家を建ててくれるわけではない。
自分で設計事務所を探さなくてはならない。
オープンネットに参加している設計事務所のホームページをいろいろ見てみた。
いろんな考えの人が参加している。
千差万別なのである。
誰が良いのか見当がつかない。
お見合いという手もあったのだが、自分で当たりを付けてみたかった。

まず考えた事。
もし本当に依頼した場合、打ち合せをしなければならない。
設計事務所によっては、メールやFAXを使って遠隔地でもOKという事務所もある。
が、やはり額と額を突き合わせて打ち合せをした方が良いように思えた。
小生の住んでいる所は茨城県ではあるが、勤務している会社は栃木県にある。
自宅から埼玉県も遠くはない。
各県の県境に近いのである。
そこで茨城、栃木、埼玉の設計事務所に絞ってみた。
3県にある設計事務所のホームページを見てみる事にした。
なぜホームページかというと、現在ホームページを出しているような設計事務所なら、新しいものを取り入れる感性があるだろうと推測した。
ホームページがあるという事はパソコンがあり、メールも使えるだろうし、CADだって入っているだろうと考えた。
今時、鉛筆をなめなめ製図板に向かっているようでは勉強不足の感じがする。
期待できないと思われた。

その中に設計事務所(有)アーキテックがあった。
安く外注しただろうと思われる面白味の無いホームページである。
もしくはホームページ作成ソフトでテンプレートに文字だけはめ込んだような印象である。
(自分の事を棚に上げて書いています。(^_^;))
しかしそのホームページの中に書いてあった言葉に目が止まった。

「家は中断熱・中気密が良いのではないか」

どの程度が「中」なのかは非常にあいまいで不明だが印象に残った。
しかし小生の考え方と一致するものがある。
これがいいんだ!と断言していないのも気にいった。

住所を調べて見て驚いた。
所長の自宅の住所は我が家から車で10分ぐらいの所になっている。
設計事務所の住所はやはり車で20分ぐらいの所である。
しかも小生の通勤コース沿いにあるらしい。
これは好都合、しかし実力はどんな物なのか?

とりあえずプランを描いて見てくれとメールを送ってみた。
しかも匿名で。
あつかましくも、描いたプランは画像ファイルにして、メールに添付して送ってくれと。
メールの良さは顔も名前も隠せる所にある。
これが2月初めの事であった。

2日後に返信が来た。
営業はしないから名前と住所を教えてくれ。
図面はサイズが大きくなるので郵送するとの事であった。
また心配事ができた。
下手に住所を教えると、かってに現地を見に来て営業されるのではないか?
好いカモだと思われるのではないか?
貧乏そうだから相手にしないでおこうと思われるのではないかなどと、憶測ばかりが駆け回っていた。
弱冠被害妄想の気があるのかもしれない。
エエイ!ママヨと腹を決め、住所と名前を記入し、無礼を詫びるメールを送った。

それから2週間何の音沙汰も無い。

これは無礼に対するペナルティーなのか。
やっぱり相手にされてないんだと思っていた頃、分厚い封書が届いた。
カラー印刷の図面(外観図、平面図)とオープンネットに関する資料など。
図面を見て驚いた。
発想が違うのである。
小生も間取り図なら80枚ぐらい描いてはいたが、考え方が違うのである。
老人(母)に対する配慮が見て取れるのである。
設計事務所の廣瀬さんが「センス」ならこっちは「うちわ」ぐらい。
月とスッポンぐらいの差がある。
ここで宇宙船みたいな家を描いてきたら、石でもぶっつけてやろうと考えていたのだが、もろくも崩れ去った。
田舎に対する配慮があるし、見栄っ張りの小生をくすぐるところもある。
脱帽である。

その後何度かメールをやり取りする内に、事務所に来ませんかという話しになった。
2月の下旬、仕事帰りに事務所を訪問する約束をしてしまった。
この短い足で高い敷居をまたぐ事ができるのか。
まんまと罠に陥ってしまったのか。
命までは取られる事はあるまいと決心したのである。


事務所訪問

時は元禄じゃない、時は平成13年2月26日夕闇広がる午後6時。
恐る恐る初めて設計事務所(有)アーキテックに行った。
敷居は思ったほど高くはなかった。
廣瀬さんをパッと見た印象。
半分寝ているような目をしている。(失礼!)
仏様のようは半眼です。
(後日談:夜は弱い事が判明)

所長の廣瀬さんと女性の所員高橋さん、野沢さん、合計3名の小さな事務所であった。
挨拶もそこそこに壁の模型を出してきて、いきなり断熱の話しが始まる。
断熱、気密、換気から暮らし方までいきなりの熱弁。
圧倒される。
さっきの寝むそうな顔はどこへ行ってしまったのか。
およそ2時間ほど話し込んだ。
多少の知識があったから良かったものの、昨年までの無知のままでは草々に逃げ出していたかもしれない。

信用が置けると判断した小生は現地を見てもらう事にした。
この時点では信用はしているものの信頼まではしていない。

これが偶然から始まった設計事務所(有)アーキテックとの最初の出会いである。
今後どうなる事やら。


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