「悲しい花」
2001/07/04
落川春秋
悲しい夢を見た後で
不意にあなたを思い出す
私は戸惑い、首を振る
あなたが悲しみの種ではないかと
植えつけられた種子が育っていく
私の心に育つ悲しい花
涙と苦悩を吸い取って育っていく
悲しい花が咲いたなら
悲しい花が散ったなら
悲しい花が枯れたなら
私の悲しさは終わるのでしょうか
薄い暗闇の中の寝台の冷えきった布団の中の私の中の心の中の悲しさが
孤独な花を咲かせては枯らしている
それは悲しい花
それは寂しい花
在りもしない時の、在りもしない場所に咲く花
摘んだのなら流れ出るのは涙色した血の滴
優しさや慈愛には縁の無い悲しい花は咲いて散るだけ
花の死骸が、うずたかく積み上げられるだけ
過ぎた時が無惨な骸を晒しているだけ
悲しい夢を見た後で
不意にあなたを思い出す
悲しい花が静かに咲いて、散っていく
たった一輪の花だけの冷たい花園