「思い出の死」
2005/07/14
2005/07/19
2005/08/25
2006/01/19
落川春秋
真っ赤な闇夜に死人の破顔
黒に混じる赤
笑顔に混じる死に顔
呆然と虚脱する
近い内に起き上がるから今は眠っていたい…
それは自分の声か、死人の声か
何を語っても答えは返らない
何を祈っても願いは叶わない
死んだ人間は生き返らない
笑顔を見続けたいという想いはもう叶うことがないのだろう
全てが終わったという感覚が全身を伝っている
あの人の言葉を思い出して陽光に晒してみる
透けて見える陽の輝きは夏の日差しを少し柔らかい物に変える
あの人の言葉は
自分の言葉にも耳を貸さずに傷付くことから必死で逃げて逃げ続けて
それでも自分の言葉に追い立てられる
自分に向けられた刃が鈍く光る残酷さを見せ付ける
あなたに掛ける言葉は亡くなって
わたしは一人で静かに生きている
あなたの思い出は消えていって
わたしは一人きりの思い出に生きている
あなたへの思いは生きていて
わたしは一人のまま思い続けている
思い出をどうにか作り替えて私はようやく過去に傷付けられずに済むようになった