「純愛」
2006/05/22(月)
2006/06/05(月)
落川春秋
恋の骸は既に人の形ではない
自分の影が闇に融けたような匂いと姿
過去が澱んだ化け物の血の凝固
嘆きの声が耳にへばりついて離れない
何をそんなに嘆くのか
別離だけの人生がどうしてそんなに悲しいか
出会うことすら怯えて生きる
それで良いと思うなら、そうやって生きて行け
あの人を愛するということは
あの人 ただ一人だけを愛するということは
他の誰も愛さないということ
凄まじい孤独の中に僕は居る
安らぎや幸せなどとは無縁の世界
苦しく辛い世界
これは愛なのか呪いなのか
解らないまま
あの人を愛するということは
気が付いた時には恋に堕ちていた
僕は確かに堕落した
人を愛することに没入し堕落した
一時の夢を永遠にしようと願い 願い続けてそれは叶わず 誰かを恨んで終わる
僕は確かに堕落した
人を愛する自分を憎むほどに堕落した
激しく愛し 激しく怒り
穏やかに悲しみ 密やかに呪う
人を愛して得られた物と失った物
全ては完璧な徒労
そんな酷い現実も恋の内
愛するだけが人ではなく 憎むだけが人でもない
愛しながら 憎みながら
笑いながら 泣きながら
求めながら 避けながら
御し難い心が残る
それは純粋に不純な僕
愛されたいと願いながら それを拒絶して あの人を愛する
その歪みに偽りはなく 悔いもない