「ケータイ小節」
2008/01/10(木)
落川春秋
仏頂面で世界を睨み、吐き出す言葉は呪詛ばかり。
何がそんなに不満なのか。
自分が生きていることにだろう。
つまりは他人にとってどうでも良いこと。
植物の怨念は成長によって示される。
光の怨念は陰影の濃さに示される。
人間の怨念は時間の深さに示される。
深い時間が呪いをぶちまけて暗がりに立ち尽くす。
通りすがりの狂人を殺したら僕は幸せになるだろうか。
通りすがりの狂人に殺されたら僕は幸せになるだろうか。
自分の幸せばかり考えていたら幸せなんてどうでも良くなって後は笑うだけの人生。
ふわふわと笑い、くるくると呪い、さわさわと狂い。
親指一本で人を呪って何度も殺す。
携帯される呪詛は電波に変わって他人のアンテナを強姦する。
通りすがりの赤の他人を皆殺しにしたら僕は幸せになるだろうか。
通りすがりの赤の他人に虐殺されたら僕は幸せになるだろうか。
親指一本で自分を呪って何度も殺す。
殺意ばかりが電波になって空中を飛び回り世界を巡る。
何処かで誰かが死ねばいいのにと願いは空を駆け巡る。
通りすがりの自分を殺したら僕は幸せになるだろうか。
通りすがりの自分に殺されたら僕は幸せになるだろうか。
幸せになることばかり考えていたら幸せなんてどうでも良くなって後は死ぬだけの生き方。
親指一本で世界を呪って皆を殺す。
安易な憎悪は理由を持たずに電波になってはしゃぎ回る。