妊娠ライダー

何か気がかりな夢から目覚めた時、男の人生は一変していた。彼は身に覚えのない赤ちゃんをみごもっていたのだ。
「うっ、吐き気がする。あっ、何か酸っぱいものが食べたい。げっ、今、赤ちゃんがお腹を蹴った」
膨らんだ腹を抱えてよろよろと立ち上がる男の前に、立ちはだかる黒い影。彼らこそ、男を無理やり妊娠させて楽しんでいる悪の産婦人科軍団だ。
「畜生、何で俺がこんな目に。とにかくここから脱出しなければ」
焦る男。
「無駄だ。その身重の体では思うように動けまい。あきらめて我ら組織のためにラマーズ法の特訓をするのだ」
黒い影は非情に言い放つ。
「ふざけるな、俺は絶対、ここから逃げ出し、この子どもを…」
「ふっ。どうした、子どもを堕ろすとでも言いたかったのか。無理だ、貴様にはお腹を痛めた子どもを堕ろすことなどできん」
黒い影は男を冷たくあざ笑う。
「うるさーい」
カッとして男は黒い影につかみ掛かる。
「さぁ、言え。ここは一体、どこなんだ。俺をこんな体にしたのは誰なんだ。そしてお腹の子の父親は誰なのよー」

と、まぁそんな訳で妊娠ライダーの活躍が始まる。最終的には悪の産婦人科軍団の首領と闘って勝利するんだけど、直後に産気づいて倒れてしまう。そして赤ちゃんを抱えて引きつった笑顔を見せる主人公の映像が出て感動のエンディングって訳。
誰か、映像化しないかなぁ、これ。ちなみに変身シーンはない。その上、バイクに乗るシーンもない。
必殺技はラマーズ砲という噂だ。


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(C)1998−2008 落川春秋