30号室 2004夏号の詩

  1. オフィスルームで床運動
  2. まーだだよ
  3. 三年別人
  4. 血縁
  5. 拝啓、ふるさと様




作:イオン
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オフィスルームで床運動

私の席から見渡せる
オフィスレディの身のこなし
電話を取り次ぐ鮮やかさ
コピー機扱う軽やかさ
フットワークとリズミカル
オフィスルームで床運動

今日の彼女は6点で
あの子は7点、あとは5点
背筋、足組み、髪型と
小技を効かせた演技には
プラス2点をあげましょう
私は勝手な審査員
オフィスルームで床運動

採点席で眺めてる
私の視線はしっかりと
彼女達にも見られてる
オフィスルームで床運動
私も演技の真っ最中




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まーだだよ

我慢してきたけど
もういいかい?
待っていたけど
もういいかい?

 まーだ、まーだ
 まーだだよ

いつまで続くの
まーだだよ?

 死ぬまで続くよ
 まーだだよ
 乾いているから
 水が美味い




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三年別人

内臓は一年
皮膚なんて三月
骨だって三年で
すべて入れ替わる
お互いに体は
三年かけて別人になっている
そう思ってやり直せないかな





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血縁

昔、よく母が
父方の祖母についてこぼしてた
「かあちゃんとおばあちゃんは他人だ
 だげんど、おまえは
 おばあちゃんと
 血が繋がってんだからなぁ
 怖い、怖い」
母も祖母も
私と血が繋がっているのに
母は祖母と
血が繋がっていないことに
安堵していた
確かその頃からだ
私の血が分離し
使い分けるように
なったのは





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拝啓、ふるさと様

拝啓、お元気ですか?
私は、あなたに断りなしに
毎日少しずつ変わっています
あなたも、私に断りなしに
変わっていることでしょう
遠く離れてお互いに
干渉しない約束でしたが
あなたに話したいことが見つかると
つい、筆を取ってしまうのです

でもいつも
手紙は宛先不明で戻ってきて
私の今が届かずに
あなたの今も届きません
だけど、あなたのどこかで誰か
私にいつも
手紙を戻してくれます

便りがないのは元気な証拠
私は貯まっていく宛先不明に
そっと頷くのです



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