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最近、いろんな人と話したり、教科書や小説を読んだりしていて、「こんな言葉、昔は使っていたなあ」と思うことがよくある。
昔のことを思い出しながら少しあげてみる。
「行水」(ぎょうずい)
家に風呂がなく、夏になると毎夕行水をしていた。
海で泳いできた後などは、母親(おかあちゃん)が盥(たらい)に水を張っておいてくれ、太陽(おひさん)で熱くなった湯を水でうめて、体を洗った。
行水の後で食べる、井戸で冷やしたスイカ、地生えキュウリ、トマトなどのなんとうまかったこと。
人糞を肥やしに母が育てたトマトの香りなどは、今でも覚えている。
「天花粉、天瓜粉」(てんかふん)
関東では「あせしらず」というらしい。
先日、初めて知った。
行水の後、子どもたちはみんな、あせも予防の天花粉をつけ、夕食までは床机で将棋をしたり、トンボ取りなどをした。
夕食後は、まだ家の中は暑苦しく、蚊帳の中に入るのも早く、9時頃まで団扇を持ってかくれんぼしたりして、外を走り回っていた。
「かんてき」
関東では七輪。
ご飯は釜屋の大釜で炊いて、おかずは「かんてき」で作っていた。
火吹き竹で釜に空気を送り込んで、酸欠で倒れたこともある。
泣いた時の口がかんてきの口にそっくりで、母親からそれを言われると、すぐ泣き止んだ。
「煙突掃除」(えんとつそうじ)
兄と月に1回は屋根に上がって煙突掃除をした。
長い竹の先に布(きれ)を巻いて、煙突の上から通し煤を落とした。
この時以外は、屋根に上がると瓦がずれるといって、上がらせてくれなかった。
「幻灯」(げんとう)
今の子は幻灯はもちろん、スライドという言葉も知らない。
兄がグリコでコツコツと点をためて、幻灯機をもらった。
近所の子どもが夜になると私(うち)の家に集まってきた。
電気紙芝居で、高級な感じがして、映画に行くお金のない子どもにとって楽しい娯楽だった。
「拳闘」(けんとう)
白井義男がフライ級世界チャンピオンになった頃はボクシングのことを拳闘といっていた。
「百姓」(ひゃくしょう)
今でも小学校の教科書に出てくる。
教科書を読んでくれた子に「百姓って分かりますか」と聞くと、その子どもは知らなかったので、「農家」のことだと教えてやったら、それも知らない。
その子のお母さんが「実はうちがそうなんです」と言った。
びっくりしました。
「去ぬ」(いぬ)
子どもの頃「帰る」という言葉を使ったことがない。
「帰る」は上品な言葉で上(かみ)(大阪や、京都のこと)の人が使う言葉だと思っていた。
「便所」(べんじょ)
トイレと言うようになってから、便所は濁音が入っているせいか、何となく汚い感じがして使わなくなった。
直接的な言葉で、雪隠なんかよりよく意味が分かるのにね。
「千度」(せんど)
長い間という意味。
千度ぶりは久しぶりのこと。
大阪へ出てきてからすぐ使わなくなった。
「めんどい」
淡路島では、顔のぶさいくなことを言う(女の人に対して使う場合が多い)。
東北の「めんこい」の反対。
ミヤコ蝶々さんも使っていた。
大阪では面倒という意味らしい。
わたしは面倒という意味で使ったことがない。
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