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マグナス力--カーブが曲がる理由

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次にカーブがなぜ曲がるのかを説明しましょう。カーブを投げる時にはボールに回転を与えながら投げます。このように回転するボールにはマグナス力という力が発生します。実はマグナス力がどのようにして発生するのか、完璧にはわかっていません。ですから以下の説明は「たぶんこうではないか」という一つの説明です(この説明は全然的外れではないでしょうが、完全に正しくもありません)。

左の図は、回転のついたボール(手で投げたボールの場合、毎分1800回転が最大値です)が空気中を飛んでいるところを上から見たものです。図の上は野球の1塁側ということになります。ボールは回転しながら飛んでいるので、図で上側にあたるところでは回転の運動方向が進行方向と逆になり、下側では回転の運動方向が進行方向と同じになります。つまり、ボールの表面にとっては、図の上側にいる時は遅く、下側にいる時は速く空気中を進んでいることになります。ところで空気の抵抗は速度の自乗に比例します。すると、図の下側部分から受ける抵抗力の方が、上側部分から受ける抵抗力よりも大きくなります。この不均衡から、ボールは図の上側の方向に押されることになります。この横向きの力をマグナス力と呼びます。 (なお、マグナス力の説明を「抵抗力の差」ではなく「圧力の差」として説明している本もたくさんあります。どっちがほんとなのか、私にもよくわかりません。上に書いたように「完璧にはわかっていません」というのが正解なんでしょう)。

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毎分1800回転しているボールに働くマグナス力の最大値はだいたいボールの重さの3分の1ぐらいと言われています。マグナス力の推定値は左のグラフのようになります。グラフからわかるように、マグナス力は時速100キロぐらいまでは増えますが、その後はいったん減ります。そのため、150キロのボールより時速100 キロのボールの方がよくカーブします。遅い球の方がホームに着くまでに時間がかかるので、カーブは遅い方がよく曲がる、ということになります。現役選手の中では阪神の星野投手が時速90キロぐらいのスローカーブを得意にしています。

カーブはどれくらい曲がるかの測定によると、初速112キロ、毎分1600回転のボールの場合、0.6秒後に98キロまで減速してホームに到着するが、その時、最初飛んでいた方向の延長線から36.6センチずれる、ということです。

スライダーは、回転軸がカーブより垂直に近いので横滑りするように変化することから名付けられた変化球で、カーブよりも速い球であるため、曲りは大きくありません。シュートはカーブと逆に回転させた球です。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日