ボイジャーなどの惑星探査機は、燃料はほぼ使いきってしまっているため、惑星の重力をうまく使って加速したり方向を変えたりしています。これも一つの節約方法です(スイングバイ、または重力カタパルトと呼びます)。
あっと驚く解決法は、「宇宙に足場を作ってしまう」というものです。例えば軌道エレベーターと呼ばれる建造物があります。赤道上には、静止軌道と呼ばれる人工衛星の軌道があります。ほんとは静止しているわけではないのですが、たまたま回転周期が24時間になるように公転させておく(高度3万6千キロを回転させる)と、地上から見ると静止しているように見える、というわけです(BSや
CSの放送衛星やひまわりなどはこの軌道に乗っています)。地上から見ると止っているのですから、丈夫なロープをこの静止衛星から地球表面に向けて引っ張ればどうでしょう。宇宙へ行くには、このロープを登っていけばよい、ということになります(「ジャックと豆の木」のジャックのように)。まさにエレベーターのようにゆっくり登ってもかまいません。つまり、電車で宇宙へ行けることになります。それに、登りと下りを一緒にして、一方を下ろす時のエネルギーをもう一方を上げるために使えば、エネルギーはゼロでも荷物の上げ下ろしが可能という、たいへんありがたいシステムになります。
軌道エレベーターの最大の問題は、そんな丈夫なロープは現在の技術では作れない、ということです。3万6千キロの長さのロープは自分の重さだけでもかなりのものです。静止衛星の部分は万有引力と遠心力がつりあっているので落ちてきませんが、それより下のロープの部分は回転速度が静止軌道の部分より遅いので、ロープをぴんと張ってないと落ちてきてしまいます(逆に上についた重りの部分はロープをぴんと張ってないとどこかへ飛んでいってしまう)。このロープを張る力は非常に大きく、鋼鉄の400倍以上強い材料がなければ建造不可能だと言われています。
宇宙飛行にはまだまだ困難がありますが、いつかは人類が宇宙を自由に飛ぶ日が来るかもしれません。そのためには物理学の世界に革命が必要かもしれませんが。