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もう一つの破壊されるべきアリストテレス的`常識'--物体の落下

ここで、ガリレオが破壊したもう一つの`常識'について述べておきます (こっちの方が有名です)。

\begin{wrapfigure}{l}{8cm}
\epsfxsize =8cm
\epsffile{omoi.eps}\end{wrapfigure}

アリストテレス的考えの中では、重い物ほど早く落 下します。実際ものを落としてみるとそうなるような気がしますが、これも、見 た目からくる`常識'であって、真実ではありません。摩擦などの外因を取 り去った世界でなら、全てのものが同じ速さで落下します。ガリレオはそのこと を、上にも書いた斜面の実験で確かめました(斜面だと、摩擦の影響が小さくな ります)。

ガリレオは実験的にだけでなく、理論的にも「重い物体ほど速く落下 する」という法則がおかしいことを示しています。

左の図を見てください。もし、重い物体の方が速く落ちるというのが本当ならば、 右にあるような重い物体と軽い物体を連結させた物体はどのように落下するでしょ う?--二つの考え方ができます。

  1. もっと重い物体なのだから、もっと速く落下する。
  2. 軽い物体はゆっくり落ちるのだから、重い物体を引っ張りあげることに なり、中間の速度で落下する。

「重い物体ほど速く落下する」という法則を信じてしまうと、全く矛盾するこの 二つの結果がどちらも正解という、おかしなことになってしまいます。

ガリレオはピサの斜塔で実際に二つの重さの違う物体を落下して実験したという 話があります(もっともこれは伝説の類で、実際にはやっていないらしいです)。 現代に生きる我々は、もっと明確な実験ができます。たとえば月面の上で、宇宙 飛行士が羽毛と鉄球を落下させてみると、全く同じ時間で落下しました(実は月 面までいかなくても、ポンプを使ってガラス瓶の中の空気を抜けば、その中でで きる実験です)。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日