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ブラウン運動--直接的証拠がそこにあった!

しかし、いかにいろんな計算が分子運動論を肯定していても、実際に分子を目で みたり、速度を測ったりできない限り、決定的証拠とはいえない、と考えられて いました。

1827年、植物学者であるブラウンが顕微鏡で観察することにより、花粉に含まれ る粒子[*]が水中 で不規則な運動をすることに気づきました。ブラウンはこれは花粉の粒子が生き ているからだろうと思っていたのですが、試しに花粉粒子と同じぐらいの大きさ と思われる染料の粒子(もちろん生きていない)を水に浮かべてみると、同じよ うな動きをすることがわかりました。この現象はブラウン運動と呼ばれましたが、 当時はその意味も原因も理解できませんでした。1902年になってスヴェードベリ という化学者が「水の分子が粒子に不規則に衝突するからではないか」という説 を出しました。さらにその3年後、アインシュタインはブラウン運動が水分子の 衝突によるものだとするなら、大きい物体はブラウン運動しないが小さい物体が ブラウン運動することを「小さい物体ほど、回りからぶつかってくる水の分子に よる不規則な力の影響を受けやすいから」と説明できると考え、ブラウン運動の 動きを観察すれば水の分子の大きさやぶつかってくる速さを研究することができ ることを式の上で示しました。いろんな人の実験により、この式から水分子の重 さや速さが計算され、それが分子運動論の人々による見積もりと一致することが わかりました。分子運動の証拠は、発見から80年間、それと気づかれずにいたこ とになります。

もちろん、現在ではいろんな方法で直接分子の運動速度を測ることができます。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日