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ブラックホールはほんとにブラックか?

現在、銀河の中心には巨大なブラックホールがあると言われています。実際にブ ラックホールらしきものも発見されるようになってきました。しかし、光も発し ないブラックホールが、どうやって目に見えるのでしょうか。実はブラックホー ルが見えているのではなく、ブラックホールに落ちていく物質が見えているので す。実際にブラックホールに何かが落ちる時、まっすぐに落ちていくということ はよほど幸運な(落ちるものにとっては不運な)状況でしかあり得ません。太陽の 10億倍の質量のあるブラックホールでも半径は30億キロです(宇宙的に見れ ばほとんど点です)。うまく狙わないと当たらない的の大きさと言えます。

風呂や洗面台などで底の先を抜いた時を思い浮かべてください。水は必ず渦を巻 き、まっすぐに排水口に向かうことはありません[*]。ブラックホールも同様で、回りの物体(たいて いの場合はガスなどです)は図のような渦(降着円盤と呼びます)を作りながら落 ちていきます。この時落ちていく物体同士が摩擦しあって非常な高温になり、光 や電磁波を出します。ブラックホールを観測するというのは実際にはこの降着円 盤からの電磁波を観測しています。

\begin{wrapfigure}{l}{5cm}
\epsfxsize =5cm\epsffile{NGC4261C.ps}\end{wrapfigure}

実際に目に見える降着円盤の写真が左の図で、NGC4261Cと名付けられた、1億光 年向うにある銀河系の中心部で、ハッブル望遠鏡が1992年に撮影しました。中心 には太陽の12億倍の質量の物体(おそらくブラックホール)があるだろうと言わ れています。円盤の部分の質量は太陽の10万倍ぐらいだと思われます。この銀 河は強烈なX線を出しており、昔はそのようなX線の発生メカニズムがわからな かったのですが、今では降着円盤から出ているものであろうと思われています。

我々の銀河系の中心には、0.035パーセクの中に太陽質量の200万倍ぐらいの 質量があることがわかっていて、おそらくこれもブラックホールであろうと思わ れます。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日