観測されている宇宙ジェットの中にはほとんど光速度(秒速30万キロ)という速 い速度を持っているものもあります。このような高速を産み出すエネルギー源は 上に書いた通りですが、なぜこれが細くしぼったジェット状になって両極部分か ら出るのかについては、まだ定説がありません。
一つには、降着円盤が厚いドーナツのような形になっているので、その穴の部分 から抜けていくからだという説があります。もう一つは、ブラックホールと降着 円盤が地球同様に磁場を持っていて、宇宙ジェットは電気を持った粒子でできて いるため、磁場と平行な方向に進もうとして両極側から出るという説があります。 電気を持った粒子が運動するということは電流が流れることと同じです。そして、 磁場中の電流は磁場の方向にも電流の方向にも垂直な方向に力を受けます。つま り、粒子を運動方向からそらせて円運動させるような力になります。ところがも し、磁場の方向と電流の方向が最初から一致していたならば、粒子は力を受けま せん。結局、粒子は磁力線の方向へ進んでいくことになるというわけです。