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宇宙ジェット--ブラックホールの証拠

中心近くまで落ち込んできた物質は、全部がブラックホールには入りません。こ こまで落ちてくる間に互いの摩擦で熱せられ、上から落ちてくる物質に押され、 とエネルギーをため込んでいるので、非常に高熱の状態になり、ブラックホール に入る前にまた脱出してしまうのです。これを宇宙ジェットと呼びます。宇宙 ジェットは、降着円盤の方向ではなく、降着円盤を赤道とした時の北極と南極の 方向に出ます。

観測されている宇宙ジェットの中にはほとんど光速度(秒速30万キロ)という速 い速度を持っているものもあります。このような高速を産み出すエネルギー源は 上に書いた通りですが、なぜこれが細くしぼったジェット状になって両極部分か ら出るのかについては、まだ定説がありません。

一つには、降着円盤が厚いドーナツのような形になっているので、その穴の部分 から抜けていくからだという説があります。もう一つは、ブラックホールと降着 円盤が地球同様に磁場を持っていて、宇宙ジェットは電気を持った粒子でできて いるため、磁場と平行な方向に進もうとして両極側から出るという説があります。 電気を持った粒子が運動するということは電流が流れることと同じです。そして、 磁場中の電流は磁場の方向にも電流の方向にも垂直な方向に力を受けます。つま り、粒子を運動方向からそらせて円運動させるような力になります。ところがも し、磁場の方向と電流の方向が最初から一致していたならば、粒子は力を受けま せん。結局、粒子は磁力線の方向へ進んでいくことになるというわけです。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日