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立ち上がれる人間の限界--巨人が存在しない理由

普通の人間と、その2倍の身長を持った人間が二人いたと考えてみましょう。と りあえず簡単のためきりのいい数字をとって、普通の人間(Aさんと名付けましょ う)の方を身長2メートル、体重100キロとします。2倍の身長を持ったBさ んは、身長4メートルとなります。では体重はいくらでしょう?--体重は体積 に比例すると考えられるので、2倍ではなく8倍となり、800キロあることに なります。一方、Bさんの力はAさんの力の何倍でしょう--2倍ではありません。 8倍でもありません。力の強さは、実は筋肉の断面積に比例します。面積に比例 ですから、4倍の力が出せます。

体重は8倍、力が4倍。もちろんBさんの方が力持ちなのですが、体重が8倍に なっているのに比べて力が4倍にしかなっていないので、Bさんは自分が動く時 に非常に苦労することになります。

さて、ここでAさんとBさんがどれぐらいの物体を持ち上げることができるかを考 えてみます。Aさんは身長2メートル、体重100キロの大男です。鍛えれば2 00キロぐらいの重りを持つことができるでしょう(重量挙げの選手なら400 キロぐらいの重りを持ち上げることもできます)。Aさんの筋肉と骨格は、自分 の体重と合わせて300キロぐらいまでの重さに耐えることができると思われま す。Bさんの力はAさんの4倍なので、1200キロの重さに耐えることができま す。しかし、自分の体重が800キロですから、実は400キロの重りしか持つ ことができません(ここではBさんの筋肉のつき方などはAさんと同じだとしてい ます)。

同様に、身長と体重、および持ち上げ可能な重さのグラフを書いてあげるとこの ようになります。

\epsfbox{graph2.eps}

身長6メートルを越えたあたりで、持ち上げ可能な重さより、自分の体重の方が 大きくなってしまいました。力が体重と同じ比率で大きくなっていかないため、 人間の大きさはどこかで限界ができることになるのです。この考察は非常に単純 化して行ったものではありますが、実際、現存する2足動物で身長6メートルを 越えるものはいません。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日