19世紀の物理学者であるマックスウェルは、このようなエントロピー増大の法則に従わないような存在がもしいれば、空気からエネルギーを取り出すことができることに気付きました。マックスウェルが仮想したこのような存在は、「マックスウェルの悪魔」と呼ばれています。
空気を入れた箱を考えます。悪魔はその真ん中にあるしきりを操作しています。箱の左側から速度の速い空気分子が走ってくると、悪魔は扉を開けます。一方、箱の右側から速度の遅い空気分子が走ってくると、悪魔は扉を閉めます。これをずっと続けていると、箱の右には速い分子ばかりが、箱の左には遅い分子ばかりがたまります。速いということは温度が高いということなので、右の箱の方が温度が高くなります。
ガソリンを燃やしたりしなくても空気の温度をあげることができるならば、車をガソリンなしで動かすことができます。
現実にはマックスウェルの悪魔はいませんし、悪魔の替りをしてくれるような機械を作ることもできません。