相対性理論の画期的なところは、時間と空間が別々のものではなく、互いにローレンツ変換という形で混ざり合うということを示したところにあります。その混ざり合う片方である時間が遅れる(スケールが変る)のであれば、相棒である空間の方も伸び縮みする(スケールが変る)のが自然です。実際空間の方も時間と同じスケールで伸び縮みすることになります。そのことをグラフを見ながら考えていきましょう。さっきの図では光をロケットの横方向に飛ばしましたが、今度は横に飛ばすと同時に縦にも飛ばしてみます。横に進んだ光がAからB、そしてまたAへと光が戻ってきたと同時に(この「同時」はロケット内の同時)、縦に進んだ光がちょうどロケットの先端のCに到達したとします。こうなるということは、ロケット内から見るとABの長さの2倍がACの長さだ、ということです。
これを外から見るとどう見えるかというと、光が進む間にA点が移動するので、 ABAというのは往復の直線ではなく、折れ線になります。また、ACの距離は伸びてみえます。ただしこの「伸びてみえる」というのはCが移動したからであって、別にロケットが伸びたからではありません。
前回にやったように違う場所での同時は相対的なので、ロケット内では「ABAと進んだ光がAに返ってくると同時にAからCに向かって出た光はCに到達する」というのはほんとうですが、ロケット外で考えるとABAと進んだ光がAに戻ってきても、もう一方の光はまだC点に到達していません。
前に考えたようにロケットが光速の60%で進み、ロケット内で8秒かかって光が往復したとするならば、それぞれに要する時間は図に書き込んだようになります。グラフを見ると8の方が10より長くなっていて変ですが、これは
で目盛りが違うからです。
波線矢印はAからCまでの光の進行を表したものです。ロケット内で考えるとこれは8秒かけて8光秒進んだことになります。一方、外の人にとっては10秒たってもまだ光はCについていないことになっています。
軸はロケットの後端の進む様子、それに平行な線はロケットの先端の進む様子を表しています。
ロケットの先端を表す線と後端を表す線の(
で測った)距離を調べると、ロケット外の人から見てロケットがどれくらいの大きさに見えるかがわかります。実際に図をちゃんと書いて測定してやると、6.4光秒であることがわかります。
つまり、時間が10秒が8秒というふうに0.8倍になったと同時に、距離が8光秒が6.4光秒というふうに、やはり0.8倍に縮んでしまうのです。