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三角形の内角の和は180度--曲がった宇宙でも正しいか?

2次元と言っても平面とは限りません。我々は球面を見たら「曲がっている」と 判断できますし、紙のような平らな面を見たら「平らである」と判断できます。 これは面をいわば「外から」見ることができるからです。

では、どのようにしたら2次元生物は自分達の2次元宇宙が曲がっているかを判 断することができるでしょうか。

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三角形の内角の和は180度--というのは小学校で習います。でもこれって本当で しょうか。今、あなたとあなたの友だちが北極点に立っているとします。あなた は日本に向かって、あなたの友だちはアメリカに向かって走り出すとしましょう。 互いの走り出す方向は90度違う方向を向いていたとします。しかし、二人が走 り出す方向は、どっちも「南」です(北極点から見ればどっちも南)。

さて、二人はどんどん進んでアメリカと日本を通りすぎ、赤道まで達しました。 そこで友だちは止り、あなたは90度向きを変え、今度は赤道の上を友だちに向 かって進んだとします。これで二人の進んだ跡をみると、巨大な三角形ができて いますが、さて、その三角形の内角を足すと--ほら、180度になりません。これ はあたりまえで、「三角形の内角の和は180度」というのはあくまで平面の話で、 地球の表面というのは2次元(経度と緯度という二つの文字で場所を表すことが できる)ではあるけれど曲がった面(つまり曲面)です。

ユークリッド幾何学というのは全ての幾何学の基本だと思われてきました。ユー クリッドの「原論」の中にはユークリッド幾何学の公理[*]が書かれていますが、そのうち一つに平行線の公理 「平行な直線は交わらない」というものがあります。平行線の公理が他の公理か ら証明できるのではないかといろんな数学者たちが頭を悩ましてきました。現在 では、「平行線の公理が成立しないような宇宙も有り得る」ということがわかっ ています。実際、球面の上では平行線は存在しません。つまり、どんな``直線'' も交わってしまいます。

このように曲がった面の上では普通の幾何学が成立しなくなってしまいます。2 次元生物は一見しただけでは自分が曲がった世界の上にいるかどうか判断できな いと前に書きましたが、幾何学がどのようになっているか(三角形の内角の和は どうか。円周の長さはどうなっているか、など)を測定することで、自分の住む 世界の曲がり具合いを推測することができるでしょう。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日