我々の銀河系は空に「天の川」という形で現れます。そもそも、この天の川が小 さな星の集まりであることがわかるにはだいぶ時間が必要でした。
ハーシェルは見えている星が全て同じ絶対等級を持っていると仮定して、星空が 観測の通りに見えるためには星はどのように分布していなくてはいけないかを調 べました。皮肉なことに、後にハーシェル自身が「見えている星が全て同じ絶対 等級を持っている」という仮定が間違いであることを示します(前に書いた連星 の話)。しかし、そのような単純化を行ってもなお、我々の銀河の形を推測する ことはできました。そして星は直径と厚さの比が5:1であるようなレンズ型に 分布しているはずだと結論しました。これが最初に考えられた銀河系の姿です。 もっとも、ハーシェルは銀河系がたくさんあるとは考えず、このレンズが宇宙全 体の姿だと考えていたようです。
ずっと後にシャプリーは、銀河の中にある球状星団(星が球の形に集まっている もの)の距離を測定(ケフェウス型変光星を使った)し、より正確に銀河の形を 決めました。シャプリーの計算は副産物を生みました。球状星団の分布は一方に 片寄っていたのです。シャプリーはこれが我々が銀河の中心にいるのではなく、 中心からはずれた場所にいるからだと説明しました。彼の計算では銀河の直径は 25万光年で、太陽は中心から5万光年の位置にいました。
地球中心という宇宙(地動説)から太陽中心の宇宙(天動説)へと我々の住む場 所はどんどん中心から離れていきましたが、さらに太陽が銀河系の中心にあると いうことも間違いであることがわかってしまいました。
さらにアンドロメダ星雲など、我々の銀河以外にも銀河系がたくさんあることが わかり、我々のいる場所は広い宇宙の中で決して目立った場所ではないことが理 解されてきました。宇宙が広くなるとともに、我々の住む場所はどんどん田舎に なっていったようです。