ハッブルの式からわかることとして、``因果の地平線''があります。
後退速度と距離は単純に比例関係にありますから、ある距離になると後退速度は光速を超えます。すると、その距離よりも遠くにある銀河から来た光は、地球に届かないことになります。この、「光が届かなくなる場所」のことを因果の地平線と呼ぶのです。
これを聞いて「超光速は特殊相対論で禁止されていたのでは?」と不思議がる必要はありません。特殊相対論で禁止された超光速は、あくまで「その場所の光速」を超えないことです。因果地平の外にある銀河は確かに我々から見ると光速を超えていますが、その場所に行けば止っています。その場所での光はやはり光速で進みます。ただ、光がいくら進んでも、その場所と地球との間の距離の増える割合の方が大きいので、地球に到達できないのです。上の図ではA点で右に向かう光が後退しているように見えますが、それはB点を中心にして図を書いたからであって、A点を中心に図を書けば、光は普通に進んでいることになります。
結局ここまで宇宙がわかってみると、オルバースのパラドックスは解決されました。二つの理由で、我々の見る星空は無限の明るさになりません。
因果地平より遠くの星からの光は、我々のところに届いていないのだから、我々の見ることのできる光は最初から有限である。
宇宙が始まってから、有限の時間しか経ってないのだから、無限の遠くから光はこないので、我々の見る光は有限である。
アインシュタインの式からすれば宇宙の膨張速度は減速しているはずです。これまで因果地平の外だった場所の我々からみた後退速度も遅くなるので、いずれはこれらの領域も因果地平の中に入っていきます。