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なぜタイムマシンを考えるのか--物理法則への問いかけ、そして挑戦

そもそもソーンのタイムマシンは構想だけで現実に作るためには障害だらけです。 ではなぜ、とても作れそうにないタイムマシンについて、物理学者たちは議論し ているのでしょう。

重要なことは、「物理法則はタイムマシンの存在を許しているのか?」という問 いかけです。

ホーキングなどは、このようなタイムマシンを作ることはできないはずだ、とい う「時間順序保護仮説」を唱えています。ホーキングの主張はこうです。タイム マシンがあると一つの物体がタイムマシンで過去にもどり、またタイムマシンで 過去にもどり--というふうに、同じ場所を何度も何度もぐるぐる回るようなこ とができます。つまり一つの物体(あるいは一つの光)のエネルギーが無限倍に なることになり、せっかく作ったタイムマシンがこのエネルギーのせいで壊れて しまうに違いない、という考えです。これは現在はあくまで仮説ですが、この仮 説を支持する人は、なんらかの物理法則がタイムマシンの発生を妨げてほしい、 と思っているようです。

かって人は永久機関を作ろうと努力するなかで、なぜ永久機関が動かないかをつ きつめて考えて、結果としてエネルギー保存則という物理法則を発見することが できました。タイムマシンを作れなくするような物理法則が何かあるのだとした ら、それはタイムマシンを作ろうとする情熱の中で発見されていくでしょう。案 外、絵空事としか思えないタイムマシンの研究から、物理が大きく進歩すること だってないとは言えません。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日