さぁ困ったことになりました。有理数の数が自然数の数と同じだとすると、無限 には一種類しかないんでしょうか?
前の節まででわかったことは「一列に並べることができるものは自然数と同じ数 しかない」ということです。そして、一見一列に並べられそうにない有理数です ら、ちゃんと一列に並べる方法がありました。
では、実数だとどうなるでしょうか。実は実数は一列に並べることができないこ とがわかっています。そのことは、「もし実数が一列に並べることができたとし たら?」と仮定して考えてみるとわかります。
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| まず0以上1未満の実数を考え、左のように一列に数を並べることがもしできた とします。そこでまず、この対角線に並んでいる数(四角で囲んだ数)を集めて、 新しい数を作ります。右の図の場合は、これは0.127732...という数になります。 この数の全ての桁を1ずつ増やします。ただし、9だった時は0にすることにし ます。すると0.238843...という数字ができます。この数字は、左の表の中に入っ ていません。左の表の数字のどれをとっても、どこかの桁が違っているからです。 |
「0以上1未満の実数を一列に並べることができた」として話をはじめたのに、 その列に含まれていない数を作ることができました。これは最初の前提が間違っ ていたからです。つまり、「0以上1未満の実数を一列に並べることはできない」 のです。
このようにして、0から1までの実数の数は自然数より多い、ということがわか
りました。数学では「自然数は
(アレフ0と読む)個あるが、実数は
(アレフ1と読む)個ある」と言い、この二つの無限大を区別してい
ます。
には2以上もどんどんあり、実数よりもさらに多い無限大もあることが
わかっています。
いま、0から1までの範囲で実数を考えましたが、これは0から2までであろう が、0から0.5までであろうが(あるいはこの他のどんな範囲であろうが)同じ ことです。適当に数をかけたり足したりすることで、1対1に対応できるからで す。
このように、無限にもいろんな種類があり、そのいろんな種類の無限をちゃんと 区別しないで考えると、アキレスと亀や、無限ホテルのような不思議な話ができ てしまうのです。