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万有引力--リンゴを落とすものと月を落とすもの

ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を発見した、というのは有 名な話ですが、もちろん「木からリンゴが落ちるのは万有引力のせいだ」と言っ たというだけでのことではありません。

ケプラーは惑星の運動に関し、「ケプラーの法則」というものが成り立っている ことを膨大な観測データ(ティコ・ブラーエによるもの)から導き出しました。

惑星は太陽を焦点の一つとする楕円軌道を描く。
楕円は、ピンを2本たて、それに輪をかけて描くことができます。このピンを立てる位置を焦点といいますが、その一方が太陽に来ます。

\epsfbox{daen.eps}

惑星の公転周期の自乗は楕円の長軸の三乗に比例する。
長軸というのは、円でいえば直径にあたるものの、長い方です。この大きさが大 きくなるほど、公転周期は長くなり、その間に上のような比例関係 があります。
惑星と太陽を結ぶ線が一定時間に通過する面積(面積速度)は一定である。
面積速度とは、
ニュートンはこのような法則を満たすためには、惑星と太陽の間にどんな力が働 いていなくてはいけないのか、を考えました。

まず、太陽と惑星の間には互いに向けてひっぱりあう力が働いているはずだ、と ニュートンは考えました。もし力が働いていないなら、惑星は太陽からどんどん 離れていくはずだからです。

また、面積速度が一定ということから、惑星に働く力が正確に太陽の方向を向い ていることもわかります。右の図に書いたように、力が太陽の方を向いていると、 惑星と太陽を結ぶ線を描く三角形の高さが変化しないのです[*]

次に、近いところにある惑星ほど速く回ることから、距離が小さいほどこの力は 大きくなることがわかります。これから詳しい計算の後、「万有引力の距離の二 乗に反比例」という法則が出てきます。

コペルニクス、ケプラー、ガリレオなどは惑星の運動を研究しましたが、その背 後にある法則を考えることまではできませんでした。ニュートンの偉大な業績は、 惑星の運動という現象に法則を与え、かつその法則が惑星だけではなくリンゴ (地球上の物体)にも適用されることを示したことにあります。ニュートン以前 の天文学では、惑星の運動は神秘的なものでした(だから「円」にこだわったり する)。しかしニュートンは惑星もリンゴも物理法則の中では同じであることを 示したのです。



Masahiro Maeno 平成14年3月15日