2006.6.26.
石立 喬
Visual C++ 2005 Express Edition の易しい使い方(1)
――― コンソールアプリケーション の場合―――
最近、Microsoft社から、「Visual C++ 2005 Express Edition」が無償で提供されるようになった。Microsoft社のサイトからダウンロードするか、雑誌の付録のCD-ROMなどからインストールすることができる。ただし、「Express
Edition」は機能が限定されていて、従来の「Visual C++ 6.0」のように、MFC(Microsoft
Foundation Class)を使用することができない。したがって、無償の「Express
Edition」を使用する場合には、従来のプログラムの延長上で考えることが困難で、「.NET
Framework」という、従来と異なる新しいプラットフォームでプログラムを作成する必要がある。しかし、これは必ずしも嘆かわしいことではなく、むしろネット時代に即した新しい概念(すでにJavaで行なわれていたような)を強制的に学習させられるものとして、歓迎されるべきである。
ここでは、「Visual C++ 2005 Express Edition」を本来の使い方でなく、簡単なC言語またはC++言語の学習用として使用する方法を説明する。GUI環境の利用できる、いわゆるWindows
プログラムではなく、入力はキーボードから行い、出力も「コマンドプロンプト」ウインドウ内に表示される。プリンタへの出力や、グラフィック表示はできない。この場合には、特に「.NET
Framework」の知識を必要としない。
プロジェクトの新規作成
1)「Microsoft Visual C++ 2005 Express Edition」(以後、「Visual
C++ 2005」と略す)を起動する(デスクトップからアイコンをダブル・クリックするなどして)。
2)「Visual C++ 2005」の「スタートページ」ウインドウが開く。
3)メニューから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選択する。
4)「新しいプロジェクト」ウインドウが開くので、
プロジェクトの種類 ------ Win32
テンプレート ------------ Win32コンソールアプリケーション
プロジェクト名 ---------- (入力する)
ソリューションのディレクトリの作成
---- (チェックを外す)
として、「OK」をクリックする。
図1は、「プロジェクト名」欄に「C601」と入力して、「OK」をクリックする直前の「新しいプロジェクト」ウインドウを示したものである。ただし、図では、「Win32」と「Win32コンソールアプリケーション」が選択されているのが見づらくなっている。

図1 「新しいプロジェクト」ウインドウの一例
5)「Win32アプリケーションウイザード」ダイアログボックスが開くので、「現在のプロジェクト設定」が「コンソールアプリケーション」になっていることを確認して、「完了」をクリックする。
6) 「Visual C++ 2005 統合開発環境」のウインドウが開く。
図2は、「統合開発環境」の一部を示したもので、左側の「ソリューションエクスプローラ」部には「ソリューション'C601'」ができており、「ソースファイル」、「ヘッダーファイル」のフォルダと各ファイルができている。右側の「コードエディタ」部には「C601.cpp」が表示されている。何らかの理由で表示されていないときは、「ソリューションエクスプローラ」で、「C601.cpp」をダブル・クリックする。
「コードエディタ」部には、スケルトンのプログラムができている。「_tmain」とか「_TCHAR*」など、見慣れない文字があるが、これはUnicodeやShift-JISなど多様な文字コードに対応させるためのもので、気にしないでも良い。

図2 開いた「Visual C++ 2005統合開発環境」の主要部
プログラムの作成
「コードエディタ」部で、「int _tmain()」の中の「 { 」と 「return 0;」
の間にプログラム(ソースプログラム)を記述する。 #include <math.h> などは、必要に応じて「#include
"stdafx.h"」の下に記述する。プログラムの構造にしたがって、自動的に字下げと着色が行われる。
図3は、整数を入力させ、「0」を入力すると、終了して、それまでに入力した整数の最大値と最小値を表示するプログラムである。データ型定数のINT_MINやINT_MAXを使用するためにlimits.hをインクルードしてある。「printf_s」や「scanf_s」など、見慣れないコードがあるが、「_s」はsecureの意味で、不正な文字形式の入出力に対して警告を発する。

図3 作成したプログラムの一例
プログラムのビルド(コンパイルとリンク)
1)メニューから、「ビルド」→「<プロジェクト名>のビルド」を選択する。
2)画面の下部の「出力」ウインドウにエラーや警告が表示される。エラーがある場合には、プログラムを実行させることができない。
警告は、実行できるものと、実行時にエラーになるものとがある。
3)エラーや警告が表示された場合には、その理由を示す説明文(スクロール・アップされて見えないことが多いので、スクロール・ダウンする)の任意の場所にカーソルを持って行きダブル・クリックすると、その部分が選択状態になり、「コードエディタ」ウインドウの該当部分にマークが表示される。
4)修正して、再び「ビルド」→「<プロジェクト名>のビルド」を選択する。
プログラムの実行
1)メニューから「デバッグ」→「デバッグなしで開始」を選択する。
2)プログラムが実行される。図4はプログラム実行時の画面で、「コマンドプロンプト」ウインドウが開き、プログラムの実行結果が示されている。

図4 プログラムの実行結果
プログラムの保存
「ビルド」を行うと、自動的にプログラムが格納される。
既作成のプロジェクトを読み込み、実行する
1) 「スタートページ」の「最近使ったプロジェクト」をダブル・クリックする。
2) 「Microsoft Visual C++ 2005 統合開発環境」のウインドウが開き、「コードエディタ」部にプログラムが表示されるので、必要に応じて変更する。
3) 「ビルド」→「<プロジェクト名>のビルド」でビルドする。
3) 「デバッグ」→「デバッグなしで開始」で実行する。
既存のプログラム(たとえばSample.cppなど)をファイルから読み込み、プロジェクトを作成して実行する
1)「Sample.cpp」を、あらかじめ、「・・・/Visual
C++ 2005/Projects/Sample/Sample.cpp」のように格納しておく。
2)「統合開発環境」で、「ファイル」→「新規作成」→「既存のコードからプロジェクトを作成」を選択する。
3)「既存のコードからプロジェクトを作成」ウインドウが開き、「作成するプロジェクトの種類を入力してください」が「Visual
C++」になっているので、そのまま「次へ」をクリックする。
4)「プロジェクトの場所とソースファイルの指定」ウインドウで、「参照」ボタンを利用して、「プロジェクトファイルの場所」欄に、「・・・/Projects/Sample」と入れ、「プロジェクト名」欄に「Sample」と入力する。「次のフォルダからプロジェクトにファイルを追加します」のチェックをそのままにして、「次へ」をクリックする。
5)「プロジェクト設定の指定」ウインドウで、「プロジェクトのビルド方法」の「Visual
C++を使用する」のチェックをそのままにし、「プロジェクトの種類」を「コンソールアプリケーション」にする。それ以降にはチェックを付けないで、「完了」をクリックする。
6)「統合開発環境」の「ソリューションエクスプローラ」部から「Sample.cpp」を選んでダブル・クリックすると、コードが表示される。以降は、通常の操作を行う。