<ターン・ザ・ページ海賊版>

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<SF&ファンタジーPart.2>

題 名●ウロボロス
作 者●E・R・エディスン
出版社●東京創元社 創元推理文庫538−1

タスキ●高貴にして文武に秀でたる修羅国王ジャスは、恐怖と権力の化身、魔女国大王ゴライ十一世が臣下の礼を要求するもこれを拒絶、弟のブラスコ卿は、格闘仕合で大王を屠り去ってしますた。ゴライス十二世が即位するや、ジャス王一行の上に魔物をつかわし弟を拉致、かくして水星を二分する戦乱の火蓋が切って落とされた!英雄ファンタジイの超大作!

メ モ●舞台は水星といっても太陽系の水星ではなく別世界の星である。波乱万丈の奥の深いどっしりとした厚みのある物語りが展開される。キャラクターの魅力はさながら「三国志」みたいで、世界情景の描写もまるで映像のようで魅力がある。

 

題 名●黒龍とお茶を
作 者●R・A・マカヴォイ
出版社●早川書房 ハヤカワ文庫 FT113

タスキ●娘のリズからの突然の電話。どうやら何かやっかい事に巻き込まれたらしい。母親のマーサは娘の窮状を救うため、はるばるニューヨークからサン・フランシスコへとやって来た。だが、リズの姿はどこにも見あたらない。娘の身に何が起きたのか。不安を胸に娘を捜すマーサの前に一人の中国人が現れた。名をロングという初老の男、実は自分は太古の龍の化身だと言うのだが……。〈魔法の歌〉三部作で知られるマカヴォイが、奇妙な初老のカップルをシャレた会話とユーモアあふれる筆致でほのぼのと描いたモダン・ファンタジイの秀作!

メ モ●ファンタジイのファンなら「ええっ、こういうのもファンタジイ?」と思わずいうかも知れない。龍とコンピュータの取り合わせというのがなかなか曲者ではありませんか?パソコンを自在に操る龍というのはそうとうユニークです。ビジネス・スーツを着て言語のエキスパートで、教養あふれるダンディな初老の紳士。しかしてその実体は、真実を探し求めて人間に化身した、齢千歳以上を数える中国生まれのドラゴン。そのメイランド氏が、旅先のホテルで出会った中年のフィドル奏者マーサとともに、彼女の失踪した娘を探すうち、いつしか大きなコンピュータ犯罪に巻き込まれてゆく……しかし彼は人間に化身したかわりに龍としての力を失っている、ということで実に人間的に魅力あるキャラクターとして描かれています。

 

題 名●タンポポのお酒
作 者●レイ・ブラッドベリ
出版社●晶文社 文学のおくりもの

タスキ●少年の頃、あなたはどんな夏を過ごしましたか?もしかして、この夏がずつと続けばいい、なんて考えませんでしたか……。

メ モ●ブラッドベリには、時間を超越した不思議な感覚のある作品が多いと思います。ノスタルジックでさえあります。色合いに詩のような感じがします。映画にもなった「何かが道をやって来る」も色彩が大きなウエイトを占めていました。「黒いカーニバル」もしかり。この作品は誰しも一番幸福な時、その瞬間ずっとその時のままならと、思うときがあることでしょう。詩のような一遍の出来事を絵画にしてしまう――そんな気がするのです。一番輝いていた瞬間が見事に描かれています。

 

題 名●魔法の窓(力の言葉)シリーズ
作 者●デイヴ・ダンカン
出版社●早川書房 ハヤカワ文庫FT161〜162

タスキ●魔法の源である〈力の言葉〉――権力を求める者たちがそれを手に入れようと熾烈な闘争を繰り広げる世界、パンデミア、。その北辺の小王国クラスネガルで、王女イノスは幼なじみの少年ラップとともに平穏な毎日を送っていた。そんなある日、イノスは南方の大国に花嫁修行にいくことになり、クラスネガルを旅立った。後に残されたラップは、王宮の厩番見習いとして働くうちに自分に透視能力が備わっていることに気づくが……クラスネガル王危篤。ラップは、遠国のイノスにそれを知らせるべく、アンドルという男と一緒にクラスネガルを出立した。ところが旅の途中でアンドルの姿が豹変した。まったくの別人に変身したのだ。しかもアンドルは、ゴブリン族の中にラップを置き去りにして単身イノスのもとに向かった。アンドルの狙いは何か?いっぽうイノスの周囲では、彼女の父が持つ〈力の言葉〉を狙う者たちが暗躍を始めた……壮大な四部作開幕

メ モ●かなりのヴォリュームではあるが、ジワッとくる面白さがある。こいつらいったどうなるんだ?ともどかしくなるような構成が絶妙。長いのだが読まざるをえないというムードを持っている。もし映像として考えるなら〈力の言葉〉に絞ってテンポ良く見せられると思う。登場人物の多彩さも魅力。イノスって姫はなかなかのキャラクターでいかにもの女の子っぽい気まぐれと王女の気まぐれとが微妙に面白い味を出している。

 

題 名●銀色の白鳥たち(短篇集 )
作 者●ポール・ギャリコ
出版社●早川書房 ハヤカワ文庫 NV227

タスキ ●海と歌を愛し、恋に憧れる、水の精のように可憐な女性テティス。テムズ川の屋形船で暮らす彼女にとって、友達といえばタコだけだった。けれど、ある日四羽の汚れた白鳥を見かけた時から、初めての愛は密やかにはぐくまれてゆく……上記のラヴ・ストーリー「銀色の白鳥たち」をはじめ、だった一人で号外を出そうとする夜勤新聞記者の奮闘記「マスケープ」一つの帽子をめぐる愉快な運命の悪戯を描く「帽子」など、おとなのメルヘンの第一人者が贈る珠玉短篇の数々。

メ モ●ポール・ギャリコは僕の大・大好き!な作家です。プログレロック・グループのキャメルが出した「白雁(スノーグース)」というアルバムのコンセプトになった原作として読んだのが最初でした。映画の「ポセイドン・アドベンチャー」の原作者と知り、あわてて原作を読んだのですが、映画では描かれない魅力が沢山あり感動ものでした。その後、翻訳されいるものはほとんど読んでしまうことになります。「ハリスおばさんパリへ行く」でハリスおばさんシリーズにはまり、「ジェニィ」で泣きそうになり、「マチルダ」で笑ってホロッとし、「シャボン玉ピストル大騒動」で純粋な少年の心に写る人々との出会いに感激しました。そのどれもが、作者の心の暖かさを感じさせ、最後まで主人公を見捨てない優しさがとても心地好く、人間の持つ様々な愛を見事に表現していると思います。その他にも「愛のサーカス」「ズーギャング」「雪のひとひら」「ある人形の恋物語」「トマシーナ」など、どの作品を取っても素晴らしい感動を持っています。

...to be continued


☆海賊☆