<ターン・ザ・ページ>

人生は一人に一度きり。
でも、ひとたびページをめくれば、活字によって描かれた他人の人生を共に歩めれば、
読んだ本の数だけ人生を重ねる事ができる。過去へも未来へも旅して行ける。
ここは、新旧拘わらず、読んだ本などを紹介するページです。ナゼか海賊もいるのだ(笑)


『おことわり』

銀嶺同様、ここではどうしてもストーリーに触れざるを得ない場面が出て来ます。
読もうと思っている本のストーリーをバラされる事ほど腹の立つ事はありませんよね?
とは言え
個人の判断基準にもよりますし、必ずしもここまでは大丈夫、
と言う線引きができるものでもありません。
そこで一応、僕の基準で「これは読んでない人には読ませない方がよかろう」
と思うレベルの発言には、あらかじめ

☆ネタバレ☆

のマークを付記して、注意を喚起するように致します。
このマークの付いた発言には、ストーリーや
テーマ上の重要な要素に 言及している
可能性が高いので、 読みたくない人はそのページを開かないようお願いします。
また、これを読んでしまった事によって生じたいかなる個人的及び社会的被害に対しても
当方は一切責任を負わないのであらかじめご了承下さい(^^;


<ブックレビュー>

チグリスとユーフラテス/新井素子 ☆ネタバレ付録☆
集英社

最初がアレだと思ってた方、ごめんなさい!(^^;
1発目に選んだのは、現段階で新井素子最大の傑作と自信を持って言えるくらい、気に入ってる作品。
惑星間移民が始まった近未来、移民惑星ナインに訪れた最後の子供「ルナ」の誕生と、彼女によってコールドスリープから目覚めた過去の人間達が、それぞれの人生を賭けて生きて来た事の意味を探っていく。
軽妙な文体とは裏腹に実に深みのあるテーマを見事に語り尽くした傑作。特に、女性には是非読んで欲しい1冊です。
ラッドベリの「火星年代記」を思わせる詩情がいい。

 

銀河帝国興亡史1〜3/アイザック・アシモフ
ハヤカワ文庫

とは言え、やっぱこれがなくっちゃね(笑)
銀河系が一つの巨大星間帝国として繁栄を誇っている未来。その帝国の衰退を予言した社会心理学者、ハリ・セルダンが、衰退の運命に対抗するべく創設し、辺境の小さな星から始まった『ファウンデーション』が、その社会の中で移り変わっていくさまを描いた、まさしく宇宙の大河ドラマ。
なにより、設定そのものが秀逸。SFやファンタジーの面白さが、その世界観で決まると言う事の見本のような作品だと思う。
ミステリィタッチの作品も得意としていたアシモフならではの謎解きの要素もあり、最後まで読み手を飽きさせない。
実際には、時をおいて書き継がれたシリーズ作があと4冊、そして最近になって別の作家によって書かれ始めた新・銀河帝国興亡史3部作、と言うのもあるのですが、僕にとってはファウンデーション・シリーズはこの3部作、しかもほんとは創元推理文庫版の方がお気に入り(^^;

 

高丘親王航海記/渋澤龍彦
文春文庫

マルキ・ド・サドを紹介した事がつとに有名な澁澤の遺作。彼の他の作品はほとんど読まないけど、これだけは何度読んでも感じるものがあります。
平安の世に天竺を目指した廃太子、高丘親王が、その旅程で出会った幻想的な出来事を、不思議なユーモア感覚とどことなく醒めた視点とで淡々と描いた幻想譚。
親王の父である帝の愛妾だった藤原薬子との関わりを交えながら、まどろむような空気感を醸し出し、天竺と言う、いわばこの世の極楽へと向かう精神と肉体を介して、作家自身の死生観や宗教観を描き出して行く。 魂の安息地は一体どこにあるのか?その問いかけは深い。
いつまでも色褪せない希代の傑作。

 

「リング」「らせん」「ループ」/鈴木光司
角川書店

映画&連ドラにもなりましたので、今さら説明するまでもないでしょう。
一応、別の作品ではあるけど、やはり3部作として扱うべきだと思う。
ストーリー的にはホラーの要素をたっぷりと含んだ異色作ですが、ある意味ではスリリングなバイオSFであり、家族をテーマとした深遠な人間ドラマでもあります。ただ怖いだけではない、後に残る強い印象がこれらの作品の特徴だと思う。
ミクロ=マクロ。広大な宇宙を目指したSFは最後に人間の精神と言う、そもそもの出発点に戻ってきた。
映画『コンタクト』での印象的な至言
「目指すものは違うが、宗教も科学も求めているものは真理だ」
・・・きっと瀬名秀明も同じ事を考えてるに違いない。

 

旅涯ての地/坂東眞砂子
角川書店

隆盛と衰退の両方を味わい、今ではマルコ・ポーロの奴隷となって遥かイタリアまで辿り着いた日本人、夏桂が、聖書にまつわる秘密を隠したイコンを巡る陰謀に巻き込まれていく。
イコンに隠された秘密とは?そして人にとって信仰とは、幸福とは一体なんなのか?重厚でミステリアスなタッチを持った圧倒的な筆力で、最後まで一気に読ませるだけの魅力をたたえた一大叙事詩。


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