”い”の監督 ![]()
監督
イ・チャンドン [Lee Chang-Dong] 韓国
イー・ツーイェン [] 台湾
イーストウッド、クリント [Eastwood, Clint] 米国
井口奈己 [Iguchi Nami] 日本
石井克人 [Ishii Katsuhito] 日本
石井聰互 [Ishii Sogo] 日本
石川寛 [Ishikawa Hiroshi] 日本
磯村一路 [Isomura kazumichi] 日本
市川準 [Ichikawa Jun] 日本
イニャリトゥ、アレハンドロ・ゴンザレス [Inarritu, Alejandro Gonzalez] メキシコ
犬童一心 [Inudo isshin] 日本
岩井俊二 [Iwai, Shunji] 日本
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イ・チャンドン [Lee Chang-Dong] 韓国
オアシス (韓国、2002年)![]()
(舞台:韓国)(時代:現代)(ジャンル:恋愛)何ともすざましい恋愛映画なのだろう。刑務所行きを繰り返す男と脳性麻痺の女の間に生まれた愛を痛いリアルさとリリシズム溢れる目で描く。それにしても凄い映画だ。正直に言うと最初は気分が悪かった。刑務所から出てきた男は自分勝手というか、大人になりきれない、どうしようもない男ぶりに共感ができない。脳性麻痺の女性も、そこまでやるかの演技表現で、言いたくはないが嫌悪感も感じた。でも、物語が進むうちに物語にのめり込んで行く。2人の関係を丹念に描いて行くのだが、ところどころで幻想的なシーンがはさまる。壁の絵のインドのシーンが展開されたり、女性が健常者になるシーンである。痛い現実を映すシーンに較べて、ホッとするリリカルなシーンだ。
もう一度観るには辛い映画だが、強烈な印象を与える映画だ。凄い。![]()
イー・ツーイェン [] 台湾
藍色夏恋 (台湾、2002年)![]()
(舞台:台湾)(時代:現代)(ジャンル:青春、爽やか)高校生の男女3人を軸にした、なんと瑞々しく爽やかで清い映画だろう。仲良しの女子高生2人がいた。その一人リン・ユエチェンが同級生の男子高生チャン・シーハオに恋心を抱く。友達のモン・クーロウに告白を頼むが、チャン・シーハオはモン・クーロウに恋してしまう。友達と異性との間で悩むモン・クーロウとチャン・シーハオの瑞々しい心の揺れ動きを爽やかに映し出す。
いや〜、いい映画でした。高校生の純粋な感情を嫌味なく爽やかに描いた青春映画の傑作だ。子供と大人の間の純情で、でも大人の世界に興味があるという不安定でいながら、かけがえのない時間を映画が映し出している。主演の高校生がとても可愛い。単に可愛いというだけではなく、内面から醸し出される純情さが愛しい位に可愛い。この辺は日本の映画では無くなってしまった世界だ。ティーンエイジャーでも暴力やSEXを抜きにして語れない現実になってしまった日本との違いが対照的だ(どちらが良いとか悪いとかの単純な比較はもちろん出来ませんが、、)。でも、あせらずにゆっくりと大人になっていくのが個人的には正しいやりかただと思う。
主演のモン・クーロウを演じたグイ・ルンメイが、シュートカットの可愛い少女を演じた。細身の体がボーイッシュな雰囲気を醸し出すも、純粋な女の子を見事に演じていた。(2003/08/17)![]()
イーストウッド、クリント [Eastwood, Clint] 米国
ミスティック・リバー (米国、2003年)![]()
(舞台:米国)(時代:現代)(ジャンル:社会派、ドラマ)ずっしりと重い人間ドラマだ。少年の頃の痛々しい記憶に苦しむ3人の男の、苦しくも残酷な現実を冷徹なカメラで映し出す。ヤクザ社会とも繋がりのある雑貨屋の店主の娘が殺された。容疑者に少年の頃に誘拐され性的虐待を受けた男が浮かび上がった。捜査をする刑事とともに昔の3人の少年が25年振りに再会した。それぞれの苦みばしった人生の軌跡と殺人事件を絡めて物語りは進む。
主演のショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの完璧なキャスティングで魅せる重厚な人間ドラマだ。そして、イーストウッド監督の現代米国に対する問い掛けを強く感じる。娘を殺された父親が、自分の手で(無実の)容疑者を殺してしまうところや、その殺人者を許す妻の姿に、現代米国の気風を皮肉ったものを(個人的には)感じる。まあ、ちょっと考えすぎだが、人間の業というもの、そしてどうしようもない運命と言うものを強烈に提示した映画だった。(2004/01/11)
数日経っても、この映画の強烈さが忘れられない。この映画は実に痛い映画だ。幼児(少年)に対する性的虐待、簡単に銃で殺されること、離婚問題、鬱屈した生活の低賃金労働者など、アメリカン・ドリームとは程遠い厳しくも暴力的なアメリカが描かれている。最近の日本も厳しい時代に入ったが、それこそアメリカではタフでなければ生きて行けない社会だとい認識される。それでも、市民パレードではアメリカ国旗の下に皆が集まる。このようなパレードに地元の人々が自発的に集まるのもアメリカぐらいではないか? 厳しい現実はあるが、強い愛国心を持っているのもアメリカらしい。これは美徳であるし、アメリカの強さの根本だと思うが、外国人が見ると原理主義的な怖さも感じる。イーストウッド監督は、この現実の肯定も否定もしなかったし、この映画を観た私自身もどちらかはわからない。でも、このアメリカの異常なほどのタフさを必要とする社会と、自分の国への半ば盲目的な愛国心が、ちょっとばっかりの違和感を感じざるを得ない。しかし、アメリカ人はこのような状況の中でもアメリカ人として生きていくとのだという主張も理解できる。なんとも、重いテーマをこの映画を通して感じた。(2004/01/26)
ミリオンダラー・ベイビー (米国、2004年)![]()
(舞台:米国)(時代:現代)(ジャンル:人生、無常)貧しいアイルランド系の女性ボクサーの物語だ。ウエイトレスをして客の残した食べ物を家に持ち帰り、お金は練習費に使う。31歳というボクサーとしては年を取りすぎた彼女(ヒラリー・スワンク)が選んだトレーナーは老いぼれて孤独な男(クリント・イーストウッド)だ。元ボクサーの年老いた雑用係(モーガン・フリーマン)と2人で細々と経営しているジムでトレーニングを積んでいく。快進撃を続け、トレーラーハウスに暮らす母親に家を買ってやるも、貧しさに埋没する家族には理解されない。しかし、世界チャンピオンに挑戦するも汚い手にやられて全身不随になってしまう。もはや父親代わりの老トレーナーに頼めることは安楽死をさせてもらうことだけだった。
イーストウッドの新作は、これまた米国の重い社会を反映させる内容だ。貧しさから抜け出す術を知らない人々や、家族崩壊で孤独な人々を淡々と描く。貧しさから這い出そうとする人(ボクサー)の苦闘と悲劇を描いている。女性ボクサーの過酷な練習と快進撃は爽快だが、老トレーナーの孤独感の描き方にちょっと不満が残った。(2005/06/11)![]()
井口奈己 [Iguchi Nami] 日本
犬猫 (日本、2004年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:友情)主演は榎本加奈子と藤田陽子だ。実は藤田陽子のCD「あたいの涙」が好きで、これを唄っている女の子はどんな女優だろうとチェックしに観た次第です。「イカレポンチのブルース」とか「恋はみずいろ」(ポール・モーリア楽団で有名)などをレゲエ・ダブ・歌謡調でアングラ臭プンプンの怪作アルバムで、さぞやヘンテコな女の子だと思ったが、可愛い女の子でした。
さて、映画の内容だが幼馴染だけれど、同じ男の子をいつも同時に好きになり、そのことであまり仲の良くないヨーコ(榎本)とスズ(藤田)が、ひょんなことから同居することになった。どこかマイペースのスズに対して、几帳面風のヨーコは、どこかペースを乱される。好きな男の子もいつもスズに横取りされる。でも、お互いは、そんなにはイガミ合っているわけでもなく、何気ない思いやりで共同生活を送っている。23歳という女の子同士の微妙な空気、距離感を上手く描いた映画だ。こういう映画は、どこかひとりよがりの作品になりがちだが、ノホホンとしていながらチクチクとした繊細な表現方法が上手かった。なかなかの女の子映画です。
主演の榎本加奈子はTVドラマでは派手目の役が多かったが、この映画では一変して地味目な女の子役を好演した。藤田陽子はキュートだ。どこか憎めないマイペースな女の子が素晴らしかった。
ラストは不思議系少女ミュージシャン湯川潮音が唄っているのだが、映画上映の前に彼女が3曲ほど唄ってくれた。なんとラッキーだ。もうすぐ21歳という若いミュージシャンで摩訶不思議なメルヘン・フォークの世界を提供している。まだ、高校生のようなあどけなさがある。(2004/12/18)![]()
石井克人 [Ishii Katsuhito] 日本
茶の味 (日本、2003年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:家族、ほのぼの)ほのぼのしていて、シュールで味わいのある映画だ。田舎町の家族の、世間から見れば何ともなくとも、本人にとっては重要な悩みを、のほほんと描く。同級生に恋した高一の長男、自分の分身に悩む小学生の妹、催眠術の医者のお父さん、アニメ活動を再開するお母さん、ボケがいい味を出しているおじいさん、失恋に今も心の傷が癒えない叔父さん(浅野忠信)を中心に話は進む。独特のシュールな映像を挟みながらも、映画はほのぼのと進む。
結構、面白い映画だったが、ちょっとパワーに欠けるところがあった。土屋アンナが清純派タイプの役で出ていたのはちょっと意外だった。音楽はリトル・テンポでとぼけた映画にぴったりの演奏を披露していた。そして、エンディング・テーマは何と藤田陽子だった。7インチのアナログ盤が売っていたので、迷わず購入した。(2004/07/18)![]()
石井聰互 [Ishii Sogo] 日本
DEAD END RUN (日本、2002年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:アクション)3話のオムニバスでトータル1時間の小品だ。それぞれの主演を伊勢谷友介、永瀬正敏、浅野忠信が演じ、他に新進気鋭の市川実日子が出演している。監督は「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市」等、1980年代初期から活躍する異端児・石井聰互だ。
この監督らしいスピード感・バイオレンスとロックによる映画音楽は健在だ。そして、現代のテクノロジーであるデジタル処理を多用している。音楽や映像感覚は素晴らしさ感じるが、どうも物語りは消化不良だ。ある理由で逃げる男が、思いがけない出来事に出くわす話で統一されている。でも、最初の2つは現実感がないヘンテコな物語だ(1話目は幽霊とのミュージカル?)。3話目の浅野と市川実日子の絡みくらいかな、面白かったのは。音楽は、まるでサンタナがヘヴィメタを演奏しているかのようで素晴らしかった(音楽紹介はこちら)。独特の感覚を持つ監督だけに、今後も活躍して欲しい。(2003/10/18)![]()
石川寛 [Ishikawa Hiroshi] 日本
tokyo.sara (日本、2001年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:青春、切なさ)東京の空の下に暮らす、生きることにもどかしさを感じている女性(女の子)6人の物語だ。今の生活に閉塞感ややるせなさを感じている女性の姿をドキュメンタリー・タッチで淡々と描き出す。作家志望でランパブ(ランジェリー・パブ)で働く女性、同じランパブで働きながら美容師を目指す女性、女優を目指しながら毎日ティッシュ配りの女性、台湾から日本へ語学留学している女性、自分の胸の小ささを気にしている美大生、人気のない喫茶店でバイトする女の子の日常を、ちょっといた感傷を込めて描き出す。
登場人物が6人というのは多かったような感じだ。物語としては作家志望の女性の話が一番面白かったので、この女性に絞って台本を書いたほうがいい映画になっていたかもしれない。女優を目指しながらティッシュを配る女性の役を本上まなみが演じていた。ドラマ「天国の階段」では、ちょっとどうかな〜、という演技だったが、この映画ではなかなかの存在感だ(ほとんど台詞がなかったのは事実だけれど)。へそだしミニスカのティッシュ嬢がよかった(下品で失礼)。
6人の女性の閉塞感が描かれていたのだけれど、彼女達の仕事を評価するのがほとんど男性というところに日本の現実を垣間見た。男女平等といっても、働く場所では圧倒的に男性が優位だ。その中でもがく女性の悲哀というものを、男性の私でも感じました。
作家志望の女性と対応する編集者に北野武監督作「Dolls<ドールズ>」の西島秀俊が演じていた。相変わらずの存在感のない佇まいが観れた。(2002/10/28)
好きだ、 (日本、2005年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:青春、切なさ)17歳の男女高校生がお互いの気持ちを伝えることができず、17年後の34歳で再会し、気持ちを伝える物語だ。17歳を宮崎あおいと瑛太、34歳を永作博美と西島秀俊が演じた。
この監督の特徴であるナチュラルさが前面に出た作品だ。台詞は少なく心象風景を写すような感じで映画は進む。こんな映画だから宮崎あおいにとってはぴったりの映画だ。顔や体のしぐさによる演技で魅せる。あまりにも静か過ぎる映画だけれど、個人的には好きなタイプの映画だ。(2006/03/31)![]()
磯村一路 [Isomura Kazumichi] 日本
群青の夜の羽毛布 (日本、2001年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:家族、生きる)情緒不安定な女性の苦しみと、かすかなる蘇生を描く。それにしてもエグイ物語だ。母親の存在に怯える女性の描き方はよかったが、彼女と関係を持った男が母親とまでも関係を持つ所とか、精神を病んだ父親が家に半ば監禁状態にあったシーンは確かにグロイほどのストーリーだ。ただ、崩壊寸前のところで踏みとどまる描き方がよかった。主人公に恋する男性は、母親までも関係を持つのだから、いやな奴に見られてもしょうがない。でも、彼自身の家族とのあり方を丁寧に描いているために、いやな奴と見えない。苦しい物語だが、主演:本上まなみの力演もあって、見応えがあった。
それにしても、この映画は本上まなみのための映画だった。彼女の不安そうな顔のアップ、ちょっときわどい肌の露出等、なかなか見せましたね。(2002/11/02)
解夏 (日本、2003年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:生きる、愛)失明の運命に見舞われた若い男性の、苦しみと運命の受け入れを描く。失明するまでの恐怖の葛藤が苦しく、失明したなら素直に受けいられる、との同じ病気を経験した人の言葉があったが、主人公もその過程を長崎の美しい景色とともに見せた。主演は大沢たかおだ。彼は映画「花」でも病気に苦しむ役を演じたが、この映画でも素晴らしかった。失明の運命を受け入れる過程で、彼女や親、友人達との係わりを丹念に、そして淡々と描いた佳作だ。
ただ、とても感動的な映画だったが、パンチに欠けていた感じもする。失明という恐怖を受け入れるというのは良く描いていたが、その後にどうして生活して生きていくのかを描いて欲しかった。彼を支える彼女も自分の生活を投げ打って彼を支えるのだから、その部分を描いて欲しかった。そして、男と女の関係が潔癖すぎるのもちょっとばっかり変な感じだ。
でも、美しい背景をバックに感動的な物語であったことは確かだ。(2004/01/25)![]()
市川準 [Ichikawa Jun] 日本
トニー滝谷(日本、2005年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:孤独、人生)村上春樹原作の映画化だ。生まれた直後に母親に死なれ、ジャズ・ミュージシャンの父親は気ままだ。子供の頃から孤独に育った男はイラストレーターとなり晩婚した。若い妻は服の買い物中毒だが、男は妻を愛する。しかし、妻は交通事故死し男は孤独を深める。
主役はイッセー尾形と宮沢りえが演じた。静かに流れる映画で主役の存在感で持たせる内容だが見事な出来だったと思う。映像も綺麗で、しっとりと流れる時間に緊張感と優しさがあった。イッセー尾形はソクーロフ監督の映画で昭和天皇役で出演するみたいですね。宮沢えりは映画女優として存在感をましてきた。(2005/04/02)![]()
イニャリトゥ、アレハンドロ・ゴンザレス [Inarritu, Alejandro Gonzalez] メキシコ
アモーレス・ぺロス(メキシコ、1999年)![]()
(舞台:メキシコ)(時代:現代)(ジャンル:家族、切なさ)衝撃的な作品だ!
強烈なカーチェイスから始まるこの映画は、映像からして乾いていてクールだ。事故に巻き込まれた3人の生き様を描く、メキシカン・ニュー・ウェーヴに度肝を抜かれる。3人の生き様だが、中盤までの青年の話が秀逸だ。
豊かになれる希望のない下層階層に住む青年は、そして暴力的な兄の嫁に恋を抱いてしまう。闘犬で稼ぐ金が唯一の希望だ。そのやるせない現実と切ない愛に苦しむ青年に目が離せない。出口のない若者の焦燥感を上手く表現していた。
ただ、物語前半があまりにも素晴らしいので他の2人の物語はトーンダウンを否めない。青年の話に焦点を絞り、時間を短くすればよかったと思う。あくまでも、個人的な感想ですが、、(2002/02/03)![]()
犬童一心 [Inudo Isshin] 日本
伝説のワニ ジェイク jake (日本、2002年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:人間模様、ファンタジー)伝説のワニ・ジェイクを目撃した24人へのインタビューと山村浩二のアニメーションで構成される映画だ。もともとはテレビ東京の短編ドラマだったとか? 市川実日子、柴崎コウ、片岡礼子、大竹しのぶ、寺島進、大杉漣など総勢24名の芸達者な役者が参加している。人生の岐路に差し掛かった時に出現するワニ・ジェイクを語ることで、各人の人生の苦さ・楽しさを表現していく。
でもインタビューとアニメだけでは何とも味気ない。正直、途中で寝てしまった。もう少し動きというものを入れてもらわないと退屈なだけだと思う。贔屓の役者である市川実日子、柴崎コウといったところは面白かった。寺島進は覚えていない(寝ている間に登場した)。各人が外国人に扮してインタビューを受けるのだが、成り切り度があいまいな演技も多かったと思う。でも、やっぱ、大竹しのぶは上手い。
舞台はアメリカやヨーロッパだが、撮影は日本ですよね? (2004/02/14)
ジョゼと虎と魚たち (日本、2003年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:恋愛、切なさ)妻夫木聡、池脇千鶴主演の青春恋愛映画だが、近年稀に見る傑作映画となった。食欲や性欲に忠実な、どこにもいそうな男子大学生と、足が悪く歩けない、そして捨て子として育てられた意固地な女の子の恋愛物語だ。甘酸っぱいファンタジーと、ほろ苦いリアルさが噛みあった恋愛映画が、私達を引け付ける。ある意味、あっけらかんと生きる今時の大学生を妻夫木聡が好演した。人の良さが滲み出ていて、女に目がない男を演じても嫌味がない。足の不自由なジョゼのお婆さんが死んだと聞いて、彼女のところに駆け寄り、結ばれるところや、昔付き合っていた彼女が路上でアルバイトしているところ見て同情してしまうところか、如何にもありそうな展開を自然に演じる。それを受けての池脇千鶴の、強くも脆い女の子像も良かった。本の中の世界に生きる風変わりで女の子から、恋人と結ばれるまでの健気さ、付き合い始めてからのちょっとした傲慢さを上手く演じていた。
乳母車にスノボーをくっつけて街を疾走するシーンや、おんぶをして海をで遊ぶシーンが、それこそ爽やかで素直にジーンときた。物語は2人の別れで終わる。しかし、ジョゼは浮世離れした女の子から、リアルな世界で普通に生きていく女の子に成長して終わることで、深い感銘を覚える。それにしても妻夫木君、君のキスはエロ過ぎる。それは演技ではないだろう!
くるりの音楽も素晴らしかった。出だしのダブ調の演奏から、もう映画にフィットしていた。(2003/12/14)
死に花 (日本、2004年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:人間模様、コメディ)高級老人ホームに暮らす老人達が、自分の老いを感じながらも銀行の金を盗む過程をコミカルに描く。老人だからといって元気だし、恋もするし、パワフルなところを見せる。
でも、全体としてはワンパターンの描き方だと思う。銀行強盗に加わるホームレスの老人と、リッチな老人の対比とか、老人を巡る問題をあぶりだすことは、もっと出来たであろうに、残念だ。(2004/05/10)
メゾン・ド・ヒミコ (日本、2005年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:家族、切なさ)若手人気俳優のオダギリジョー、柴咲コウ、「たそがれ清兵衛」にも出演した舞踊家・田中泯、透明感のある存在感から日本一の売れっ子俳優・西島秀俊らが出演した注目作だ。
ゲイである父親に捨てられ、母も病気で亡くした地味な娘のところへ、若くて綺麗な男が訪ねてくる。ゲイである父親はゲイのための老人ホームを経営しているが、癌で余命がないと告げられる。老人ホームへ手伝いに行くが、自分を捨てた父との確執、若い男への恋心、ホームの奇妙な住人との触れ合いを描く。
これといって盛り上がる内容ではないが、主役3人の存在感が抜群だ。コミカルなホームドラマも笑いを誘う。マイノリティのゲイが老いてきた時の寂しさも描かれている。地味ながらも見応えのある映画となった。(2005/10/01)![]()
岩井俊二 [Iwai, Syunji] 日本
日本映画界の注目の若手監督である。CF出身だけに独特の映像感覚があり、若者の切ない内面を描くのが得意の監督だ。
Love Letter (日本、1994年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:恋愛、切なさ)同姓同名の男女と、その女性にそっくりな人が結びつける切ない恋愛物語だ。中学生時代、同姓同名の名前で反発しあって男女がいた。大人になって男性は、同姓同名の女性とそっくりな人に恋する。しかし、不幸にも若いうちに死んでしまう。哀しみの女性は彼の卒業アルバムから昔の彼の住所に手紙を出した。しかし、その手紙は同姓同名の女性に届いた。
切なくともファンタジックな物語で、見応えがあった。中山美穂が一世一代の演技で存在感があった。このころの岩井監督のロマンチストぶりが発揮された、いい映画だと思う。
四月物語(日本、1998年)![]()
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:青春、切なさ)1つ年上の先輩を追いかけて北海道から東京・武蔵野の大学へ上京した女の子(松たか子)がいた。ちょっと変わった友人や隣人などの囲まれながら、憧れの先輩がバイトする本屋へ通い詰める。そして、ようやく会話ができる関係まで発展する。さて、これからどうなるのだろうかと期待させたが、映画はそのまま終わってしまう。
いやー、意外と面白かった映画である。松たか子も切ない女の子を好演していた。何だか、はるか昔の大学時代を思い出してしまった。好きな人を一目見るだけで幸せを感じてしまう多感な時期が自分にもあったことを思い出し、ちょっと感傷に浸ってしまった。
花とアリス (日本、2004年)
(舞台:日本)(時代:現代)(ジャンル:青春、切なさ)やんちゃだけれど純粋な花と、ちょっとマイペースなアリスの少女2人の恋物語をリリカルに描く。花が憧れの先輩が頭を打って気を失ったところで芝居を打ち、記憶喪失で自分が彼女であることを思い出さないでいる、と嘘を付く。そこから嘘は広がり、アリスは先輩の元カノにされてしまう。記憶を巡り、2人は交互に先輩とデートし、恋の駆け引きをしていく。
物語を語ると、上記のような話だけれど、この映画のメインは2人の少女の瑞々しい感性を映し出すことが主題だ。映画の冒頭、冬の道を2人で歩くシーンから、少女の世界へ私を導いてくれる。もう、この年頃の少女達の世界なんて無縁の私には、例え映画でも観るのが気恥ずかしいくらいのシーンが連続する。2人で電車に乗っているシーンや、バレエを習っているシーンとか、詩的で美しい。でも、憧れの先輩との最後はどうなったんだろう? 男の私としては成り行きが気になるが、女の子にとって感心が無くなれば、それこそ無の存在か? それとも、花と先輩は上手くいったのか? 結果はどうあれ、女の子2人の友情は不変だ。
主演の2人は可愛かったけれど、写真好きの妙な女の子が一番印象的でした。(2004/03/![]()