カートリッジの聴き比べ、レーベルの音質の考察
はじめに現状のオーディオ機器
リーズナブルなカートリッジの個別評価カートリッジ:総合評価カートリッジ:高級品
レーベル:クラシックレーベル:ジャズレーベル:ロックなど
 
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[ 最新情報 ]
  • 日本の代表的 MC カートリッジ Shelter Model 501 MK2 を聴く。(2010/11/20)
  • 高級 MC カートリッジ Goldring EROICA GX を聴く。 (2010/05/27)
  • モノラル専用 Grado MC+Mono を聴く。クラシック系に合う。(2009/12/04)
  • Ortofon MC-09B を聴く。質実剛健で重量感のある音色だ。(2009/11/23)
  • Goldring ELAN を聴く。安価ながら素晴しい音色でお勧めだ。(2009/11/14)
  • Benz Micro Ace M を聴く。優しく甘い音色だが、ちょっと弱々しい。 (2009/08/01)
  • ヤフオクでアナログ・プレーヤー Dual Golden 1 を購入した。 (2009/07/04)


  • [ はじめに ]

     アナログ・レコードを鳴らす針、すなわちカートリッジの聴き較べは面白いものです。CDだと音の傾向を変えるのにはスピーカーやアンプの変更が必 要ですが、アナログ・レコードの場合はカートリッジを変えるだけで音色の趣向が変わります。カートリッジの値段は1万円前後から可能ですので、スピーカー やアンプの買い替えに較べると、はるかに安価な値段で行えます。とてもリーズナブルなお金で音楽を聴く幅が広がるという意味では、とても面白い趣味だと思 います。
     このページでは、あくまでも個人の主観ですが、なるべく公平にカートリッジの音の傾向を評価(レビュー:review)したいと思います。
     なお、音質という観点からみると、カートリッジやオーディオ機器より、アナログ・レコードの音質の差が決定的と思います。いくら高価で性能の良 いオーディオ機器やカートリッジを使用していても、音源であるレコードの音質が悪ければ、どうにもなりません。いい音質のレコードといえば、おそらくオリ ジナル盤になるのでしょうが、高くておいそれとは買えません。そこで、安価な再発盤も含めたレーベル毎の音質も検証してゆきます。
     また、ご意見・ご質問がある場合は掲示板までお願いします。



    [ 現状のオーディオ機器の構成 ]

     まずは、恥ずかしながら私のオーディオ機器を列挙します。オーディオ機器のレベル感や音の趣向を掴んでもらうための情報です。一応、傾向としては 原音追求というより、温もり・暖かさ(温かさ)・リラックスな傾向を感じさせる構成になっていると思います。値段的には初級と中級の間くらいで構成してい ます。
     

    アナログ・プレーヤー Dual
    CS 750-1
    約15年前で定価12万円くらいのドイツ製で、
    ベルト・ドライブ方式です。見た目は小さいが、
    音質の良い優れたプレーヤーだと思う。
    欠点は専用シェルであることだが、
    THORENS TD190/TP23のシェルが代用できる。
    (ただし、1つ5,000円と高い)
    アナログ・プレーヤー Dual
    Golden 1
    ヤフーオークションで42,000 円で入手した。
    約20年前に20万円くらいで発売していた中級機だ。
    CS 750-1の兄貴分にあたり、アームが精密で
    見た目も高級感がある。
    オークションによる中古での入手だが、品質は素晴しい。
    全体的に華やかな音質であるのが特徴だ。
    フォノイコライザ Creek
    OBH15
    +OBH2
    Dual Golden 1を購入したので専用のフォノイコも購入した。
    5万円前後で検討したが、結局これにした。
    音色は Luxman のフォノ入力に較べるときらびやかだ。
    音質も素晴しく、音色の好みを別とすれば満足だ。
    MC も中インピーダンスまでなら、まったく問題ないと思う。
    プリメイン・アンプ Luxman
    L-505f
    ラックスマンでは1番安いプリメイン・アンプだが
    値段は約20万円くらい。
    フォノ入力(MM/MC)を含む豊富な入出力を備えた
    多機能で高品位なアンプだ。
    スピーカー2系統、高音低音のトーン・コントロールが
    個人的には嬉しい機能だ。
    フォノ入力に関してはMMは素晴しい(MCも良いと思う)。
    渋い音色というか、大人の落ち着いた音色というか
    安心して聴けるフォノ入力で大変満足している。
    スピーカー1 Harbeth
    HP-P3
    英国製のスピーカーで、暖かさのある音色が特徴だ。
    原音再生とは別傾向に位置するスピーカーですが、
    リラックスして聴ける音色が心地よい。
    アコースティック系に強く、女性Voを美しく聴かせる。
    現状だと HL-P3ES に相当するので
    値段はペアで16万円くらいか?
    スピーカー2 個人ユース 長野県松本市の某電気屋さんが作成したスピーカーです。
    迫力があり、表現力も兼ね備えている音質で気に入っている。
    使用頻度では Harbeth よりこちらの方が高い。
    値段はペアで32万円くらいだったかな???
    その他   CDプレーヤーは DENON DCD-1650SR で、なかなか良い。
    FMチューナーはKenwood製だが、あまり使用していない。
    CDレコーダーに YAMAHA CDR-HD 1500 を持っている。
    外付け3.5インチ・ハードディスク 250 GByte を装着して
    シングル盤、アルバム、CDのお気に入りの曲を保存している。
    音質は安ぽっくなってしまうが、重宝な機器だ。
    アナログ
    アクセサリー
      中古、新品に係わらず購入したレコードは必ず
    レイカのバランスウオッシャーで手入れする。
    レコードの溝にこびりついた汚れを落とせるので重宝だ。
    普段は、 ナガオカの粘着式ローリングクリーナーで
    埃を除去する。間違ってもスプレーは使わないほうがよい。
    ローラーは水洗いせず、ガムテープで落とすと長持ちする。
    静電気除去のブラシも重要だ。
    スタイラスクリーナーは、アルコール性のものより
    レイカのドクター・スタイラスや
    ライラのスタイラスクリーナーの方がカートリッジに優しい。
    ターンテーブルシートには、HARMONIX  TU-800EXi を
    使用しているが、音色の深みが増すと同時に
    とても透明感のある音質になり気に入っている。
    木曽興業(fo.Q:フォック)のRS-912(KISO)も音質向上効果が
    あるが、少し大人し目の傾向がある。
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 は派手目の傾向が
    あったので、ちょうど中和したような感じで使い勝手がいい。
    ケーブル類は試行錯誤の結果、市販品に戻した。
    高価なケーブルは確かに音質が向上するが、
    どうも、きつい音質で気軽に聴くことが出来ない。
    一般の電気屋さんの赤白ケーブルでも充分でしょう。
    将来の予定   2台目のアナログ・プレーヤーを入手したので、
    基本的には買い足す予定はない。
    機器が故障するまで、現状の物を使い続ける。
    アナログ系は、ラックスマンの渋めの音色と
    クリークの華やかな音色と特色ある2台で楽しめる。
    カートリッジの相性も含めて、組合せを考えるのも楽しい。
    ただ、クリークのフォノイコはいい音質で、
    華やかな音色だけれど、若干聴き疲れる傾向がある。
    買い換えるとすればフォノイコかな?

     以上のような構成で音楽を楽しんでます。安くはないけれど、でも決して高くはない機器で構成しています。現状では不満はないし、ある程度の音質で 音楽が観賞できるという感じです。別の見方をすれば、原音再生を追求するほどお金をかけていないので、雰囲気重視の適当なところで落とし所をつけていると も言えます。ただ、オーディオ好きというより音楽好きなので、究極的な音質の向上を求めようとは(今は)そんなに思っていません。
     また、アナログ・レコードの場合は、クリーナーなどを適切なもの選択する必要があります。静電気なども防げば、古い中古レコードでも、かなり快適に聴けるようになると思います。



    [ リーズナブルなカートリッジの個別評価 ]

     では、カートリッジの聴き比べ評価を行います。アナログ・プレーヤー Dual の付属カートリッジが Ortofon だったので、このメーカーのカートリッジをずっと使ってきましたが、違うメーカーのカートリッジの音がそれぞれ特色あることに気付いて、カートリッジ収集にはまろうとしています。
     一応、1万円台を主体に3万円程度までの比較的リーズナブル(安価)な値段で購入できるカートリッジで評価します。評価は ◎、○、△、× で表しています。評価といっても、私自身の好みや、オーディオ機器との相性があるので、そのあたりは察してください。また、カートリッジを聴き込んでくる と評価が変わる時もあります(評価の低いカートリッジは適度なタイミングで再評価していきます)。なお、店頭価格はあくまで参考ですので、実情と異なる場 合があります。

     
     ◎  良質で個人的な好みにも合っているカートリッジだ。
    プロ野球の投手で例えれば、主力級のローテーション・カートリッジにあたり、
    2〜3ヶ月連続で使用し、どんなジャンルでも気分良く聴くことができる。
     ○  これも良質のカートリッジだが、ちょっと好みが合わないものだ。
    所謂、谷間のローテンション級という感じか。
    それでも、実力があるので人によってはメイン・カートリッジになるかも?
     △  一芸に秀でたカートリッジで気分を変えたい、あるいは、
    特定のジャンルを個性的に聴きたい時に能力を発揮するタイプだ。
    所謂、中継・ワンポイントのカートリッジだ。
     ×  たとえ性能が良くとも、長時間レコードを聴くと耳が疲れるカートリッジ。
    でも、人によっては愛着のあるカートリッジになるかも?
     
    Ortofon, audio-technica, Denon, Goldring, Grado, Nagaoka,
    Pickering, Shelter, Shure, Stanton, Sumiko, Vestax
     
    メーカー
    機種
    針圧
    (適正)
    出力
    負荷
    質量
    針形状
    定価
    店頭価格
    評価 寸評
    ORTOFON          
    MK 540II
    MM
    1.5g
    3.0mV
    47KΩ
    5.0g
    楕円針
    31,250円
    25,000円
    (生産終了)
    オルトフォンはデンマークの名門メーカーだ。
    オーディオ専用はもちろん、DJ系も強い。
    長い間、個人で使用してきたカートリッジである。
    落ち着いた音色だが濃密感がある。
    ドイツを主体とした盤は厳粛、奥深く聴かせる。
    ジャズ・レーベル ECM やクラシック、
    特に室内楽やJ.S.バッハには合う。
    パワーもあるのでUKロックも上手く表現する。
    とにかく、音楽表現が豊かと言うのだろうか
    真面目に聴いても、リラックスして聴いても
    いい音楽を聴いたという満足感がある。
    欧州系の音楽にぴったりのカートリッジだ。
    米国のジャズやロックも力強く鳴らすが、
    熱さや陽気さよりも、渋さが前面に出る。
    現状では総合力でNo1のカートリッジだ。
    (残念ながら生産終了となってしまった)
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    華やかで、きりっとした音質となったが、
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f の
    渋くて落ち着きのある方に合っていると思う。
    2M Blue
    MM
    1,8g
    5.5mV
    47KΩ
    7.2g
    楕円針
    24,150円
    18,500円
    オルトフォンの新型MMカートリッジで
    4種類のうち、値段は下から2番目にあたる。
    前モデル、MK 540II シリーズとは異なる音色だ。
    若々しくて、力強くて、鋭く切れる音質だ。
    その分、前モデルにあった奥深さが無くなった。
    個人的には残念と言うのが正直なところだ。
    余りにも鋭く切れ過ぎるので大音量が必要となる
    ロック、ジャズ、オーケストラにおいては
    トゲトゲしさが有り耳障りな音になってしまう。
    クラシックやトラッドなど古風さを求める音楽は
    切れ過ぎるがゆえ、趣が無くなってしまう。
    1970・80年代以降のポップ、軽めのロック、
    フュージョン等は斬新な音色を聴かせてくれる。
    ただ、オルトフォン・ファンとしては厳しい評価だが、
    聴き疲れするので × とした。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    聴き疲れるようなことは無くなった。
    パワーが有りながらエレガントなのが個性だ。
    ジャズやロックよりクラシックに合っていると思う。
    ただ、ちょっとハイ上がりの音色だ。
    MC-09B
    MC
    1,8g
    0.3mV

    7.0g
    楕円針
    35,700円
    26,600円
    2009年にリリースされたMC型の新製品だ。
    重量感がありパワフルな音色だ。
    MCらしいきめ細やかさもある。
    オーケストラからジャズ、ロックまで
    幅広く全てのジャンルに対応すると思う。
    質実剛健な音色は貴重な個性だ。
    MCが使えるなら 2M シリーズより良い。
    ただ、トランスの選択も必要かな?
    私のシステムでは充分に性能を引き出せて
    いないが、それでもこの音質なら満足だ。
    FF15E MK II
    MM
    2.0g
    ?mV
    47KΩ
    ?g
    針形状?
    Golden 1
    純正
    (生産終了)
    Dual Golden 1 の純正カートリッジだが、
    これは使える。
    タイトな音質は硬派な印象だ。
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 より
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f の
    渋めの方に合っている。
    ロックなんか、特に硬派に聴かせる。
    是非、新しい針を手に入れて交換したい。
    ---------------
    JICO 日本精機宝石工業株式会社より
    交換針を入手した。
    若干、明るめで現代的な音色になったが
    硬派な印象は健在だ。
    OM D25M
    MM
    3.0-5.0g
    (4.0g)
    4.0mV
    47KΩ
    5.0g
    特殊針
    10,500円
    8,000円
    モノラル・レコード用の安価なカートリッジだ。
    (厳密な意味でモノラル専用ではない。)
    Ortofon にしては陽気な音色が特徴だ。
    モノラル録音は渋すぎる傾向なので
    この明るい音色は上手く渋さを中和して楽しめる。
    軽薄な感じもあったが、針圧を推奨の4gにしたら
    それなりの重厚さも出てきた。(最初は3gにしていた)
    クラシックはオルトフォンらしく、きっちりと聴かせる。
    ビートルズの Gold Parlophone やジャズの
    オリジナル盤は鳴りっぷりに余裕が無い感じだ。
    再発盤(例えばOJCシリーズ)に関しては
    ステレオ用カートリッジより豊かな音色で聴かせる。
    ただ、正直に言えばステレオ・カートリッジに比べて
    音が良くなったかというと、効果はない感じだ。
    1950年代のクラシックだけは、いい音かもしれない。
    現状は満足だが、他のモノラル専用カートリッジとの
    聴き較べて最終判断したいと思う。
    OM 78
    MM
    2.0g
    4.0mV
    47KΩ
    5.0g
    特殊針
    10,500円
    8,000円
    SP専用のカートリッジで、針圧2.0g MM型という
    非情に使い勝手が良く、しかも安価だ。
    針先は65ミクロンだから2.6ミルくらいか?
    通常のSP専用に比べて、やや細いと思う。
    最初は、50年代初期のモノラル盤で使用しようと
    思ったが、たいして効果は上がらず。
    そもそも、モノラル盤は1ミルなので、このカートリッジ
    で聴くには危険だ。(盤の溝を傷める)
    audio-technica          
    AT-F3II
    MC
    1.5g
    0.35mV
    12Ω
    5g
    楕円針
    15,750円
    9,800円
    (生産終了)
    オーディオ・テクニカは日本のアナログ文化を
    支える貴重な会社だ。カートリッジをはじめ
    アナログ・アクセサリー類が豊富だ。
    カートリッジはVM型(MM)とMCの両方を扱う。
    今回はMC型にした。値段が安いのが理由だが
    アンプのMC入力の具合も確認したかった。
    入力感度/インピーダンスは0.3mV/100Ωなので
    ロー出しハイ受けで合わない訳では無い。
    さて、音色だが日本のカートリッジにしては
    ハイ上がりの傾向が少なく、フラットな音域だ。
    パワーもあり、AT 15Ea/G 程の過剰感も無い。
    ただ、どうも平面的な音色で面白みが無い。
    MMの場合は音質の優劣は別として色艶があるが、
    どこか無理をして音を出しているように聴こえる。
    やっぱり、MCの場合はトランスが必要なのかな?
    ポテンシャルはあると思うので、性能のいいトランス、
    またはフォノイコを購入したら再評価する。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    若干、潤いが出てきたが平面さは変わらず。
    音色は綺麗だけれど、どうも何かが足りない。
    AT 15Ea/G
    VM
    (MM)
    1,0-2.0g
    (1.5g)
    4.0mV
    47KΩ
    ?.?g
    楕円針
    29,400円
    10,800円
    (生産終了)
    オーディオ・テクニカ伝統のVM型カートリッジだ。
    VM型はMM型と同じ扱いとなる。
    今回は値引き幅が大きい、この機種を購入した。
    音質は力強く明瞭な感じだ。
    日本のカートリッジ特有のハイ上がり傾向は無く
    中低音域にパワーがある。
    各楽器のヴォーカルの表現力も高い。
    ただ、過剰的に盛り上げている音色は
    ロック等を聴いた時にバタバタ感をかんじる。
    パワーはあるけど、どこか上滑りの印象がある。
    オーケストラ作品をパワフルに聴かせるのは
    長所だが、情感とか奥深さはちょっと少ない。
    現状、パワー系の魅力あるカートリッジが
    少ないだけに貴重なカートリッジでもある。
    1万円前後の実勢価格なので、とてもお買い得だ。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    作為感がなくなり、パワフルで華麗な音色だ。
    ジャズやロックなら断然、こちらの方が良い。
    実売1万円でこの性能なら文句なし。
    DENON          
    DL-110
    MC
    1.5-2.1g
    (1.8g)
    1.6mV
    160Ω
    4.8g
    楕円針
    17,000円
    12,000円
    デノンは日本のオーディオ総合メーカーである。
    安価なエントリーモデルの製品も提供しており
    オーディオ初心者にとって、
    お世話になる会社である。
    アナログ・プレーヤーも生産していて、
    カートリッジは MC を専門に提供している。
    このカートリッジは DENON の中では1番安価で
    出力も高いので MM で受けられる。
    初のMC型を聴いてみたが、とても高音質だ。
    細かな音まで拾って繊細(几帳面)に聴かせる。
    シンバルなど、こんな音も入っていたんだと
    驚かされるし、楽器の強弱をくっきりと聴かせる。
    また、繊細ながらも骨格の定まった音でもある。
    ただ、高音域が強すぎて、所謂、ハイ上がりの音だ。
    繊細な音だが、悪く言えば神経質な音色で、
    連続してアルバムを聴くと疲れてしまう。
    (個人としては、かなり辛い欠点だ。)
    音質の良いカートリッジだが趣向が合わず残念だ。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    聴き疲れは無くなったが、かなりのハイ上がりだ。
    中音域を豊かに聴かせるタイプが好きなので
    正直、苦手なカートリッジだ。
    DL-103
    MC
    2.2-2.8g
    (2.5g)
    0.3mV
    40Ω
    8.5g
    丸針
    26,000円
    18,800円
    NHKと共同開発されたMC型カートリッジだ。昔、
    FM放送で聴いた音楽は、このカートリッジの音だ。
    そういう意味では、日本の標準カートリッジであろう。
    アンプの入力感度/インピーダンスは0.3mV/100Ω
    なので、正にこのカートリッジを前提としているようだ。
    さて、このカートリッジだが実に素晴しい。
    各楽器類の音を丹念に拾って精密に出すし、
    その音楽表現力も比較的豊かだ。
    私の好きな Ortofon MK 540II に比べて
    能力は同等、奥深さに若干劣るという感じだ。
    弱点は、高音域が強くハイ上がり傾向なことか。
    それでも、丸針のせいか堅実な力強さもある。
    ロックでは物足りないがジャズはそこそこ聴かせる。
    MC入力があるアンプやフォノイコがあるなら
    必ずや聴くべきカートリッジだろう。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    無色透明な音色に華と力強さが増した。
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f より
    聴き応えがある。
    GOLDRING          
    1012GX
    MM
    1.5-2.5g
    (1.75g)
    6.5mV
    47KΩ
    6.3g
    楕円針
    44,100円
    34,000円
    ゴールドリングは英国のカートリッジ・メーカーだ。
    全般的に値段設定が高く、
    このカートリッジは下から2番目の値段だ。
    音色は各楽器の表現力が高く
    傾向としては軽やかな感じだ。
    それでも低音のパワー感に不足はない。
    明瞭で軽やかで楽しい音色が特徴だ。
    ヴォリュームを上げて思いっきり聴けるし、
    長時間レコードを聴いても全然疲れない。
    UKロック、UKトラッド、ユーロ・ロックなどは
    渋くて、ちょっと暗めな作品が多いが、
    このカートリッジだと実に楽しく聴ける。
    個性があまり無い日本プレスのレコードも
    明快、かつ綺麗に聴かせる。
    ハードロックや米国のロック、
    ホーン入りのジャズには合わない感じだが、
    全体的には、この軽やかで楽しい個性は貴重だ。
    欧州系のロックやトラッドを楽しく聴きたいなら
    充分に考慮すべきカートリッジだろう。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    気品さに潤いのある音色が加わった。
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f と
    甲乙付けがたい。
    ELAN
    MM
    1.5-3.0g
    (2.0g)
    5.0mV
    47KΩ
    4.2g
    円錐針
    9,500円
    8,400円
    現在、もっとも良質なカートリッジを提供する
    会社がゴールドリングだと思う。
    どちらかというと高価な製品が多いが
    安価で円錐針の ELAN に興味を持った。
    この値段なのに、しっかりとした製品だ。
    パワーと開放感があるが、雑でもない。
    上位機種譲りの気品さも備えており
    オール・ジャンルで音楽が楽しめる。
    値段を考えれば大注目のカートリッジだ。
    なお、今回は敢えて円錐針の ELAN を
    購入したが上位機種の ELEKTRA の
    方が音質がいいだろう。
    GRADO          
    Prestage Silver
    FB
    (MM)
    1.5g
    5.0mV
    47KΩ
    6.0g
    楕円針
    18,900円
    16,500円
    グラドはアメリカのカートリッジ・メーカーだ。
    このカートリッジは下から3番目の値段だ。
    FB型だがMM型と同じ扱い。
    音場が広く(ワイドレンジ)切れ味が鋭い。
    しかしながら、瑞々しく美しい音色は
    アコースティック系の音楽に合う。
    GOLDRING 1012GX は楽しさという特徴を持つが
    こちらはクールさが特徴だ。
    低音のパワー感もある程度あるので
    ロック、ジャズも聴かせるが端正な分、
    生真面目に聴こえてしまう時がある。
    でも、決して合わない訳ではない。
    値段を考慮すれば、素晴しいカートリッジだ。
    難点を言えば、もう少し色艶が欲しいところだ。
    なお、プレーヤーの電気的ノイズを拾う。
    性能の良いプレーヤーで使用すべきだ。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    電気的なノイズ(ハム)は無くなり、
    再び使用できる状態となった。
    MC+Mono
    FB
    (MM)
    1.5g
    5.0mV
    47KΩ
    5.5g
    円針
    11,550円
    11,550円
    GRADO からモノラル専用がでた。
    針先は1ミルなので1950年代後半までの
    初期版専用という扱いとなると思う。
    ステレオ・カートリッジ Prestage Silver と
    音色は同じだ。瑞々しい音色はクラシックに
    合っている。でも、ジャズやロックには
    どうだろう? パンチ力が足りないと思う。
    これなら、Shure や Pickering で充分だ。
    クラシック初期盤専用という位置付けだ。
    NAGAOKA          
    MP-110
    MP
    (MM)
    1.5-2.0g
    5.0mV
    47KΩ
    6.5g
    楕円針
    9,450円
    7,960円
    ナガオカは日本の老舗カートリッジ・メーカーだ。
    各社の針交換も応じ、日本のアナログ文化を支える。
    これは評判の良かった MP-11 の後継だ。
    ナガオカのカートリッジは標準的なものと、
    元気な音の2タイプがあり、これは標準的な
    音質のカートリッジの1番安価なものである。
    さて、音質だがとても堅実で生真面目だ。
    どんなジャンルの音楽も平均的に聴かせる。
    値段を考慮すれば優等生だろうが、
    逆に面白みを感じさせない。
    また、精一杯感があり余裕を感じない音色だ。
    値段を考慮すれば評価できるカートリッジだが、
    積極的に使用することは無いと思う。
    値段の高いカートリッジは、いい音質なのかな?
    PICKERING          

    NP/AC-S
    MM
    3.0-7.0g
    (5.0g)
    10.0mV
    47KΩ
    5.0g
    円錐針
    12,600円
    5,000円
    (生産終了)
    ピカリングはアメリカのカートリッジ・メーカーで、
    現在はDJ系に力を入れている。
    このカートリッジは中音域が派手にでる。
    その分、低域と高域が相対的に弱い。
    ジャズのホーンの音色は迫力あるが、
    ベースの音は弱いし、ヴォーカルではサ行が歪む。
    ただ、針圧を3gから5gにしたら、相当良くなって来た。
    ナローレンジだが、元気な音を聴かせてくれる。
    低音部の表現に不満があるが、迫力ある音は
    60-70年代のロックや、ジャズに適していると思う。
    繊細な表現は出来ないけれど、
    いい意味でおおらかに豪快に聴かせる。
    欠点の多いカートリッジだと思うが、
    妙に魅力を感じさせ、使いたくなる。
    円錐針なのでモノラル盤にも相性が良い。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    派手目の音質でいい面もあるが、
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f の
    おおらかさがある方に合っていると思う。
    SHELTER          
    Model 201
    MM
    1.5-2.0g
    4mV
    50KΩ
    6.2g
    楕円針
    16,800円
    13,800円
    シェルターは1986年に設立されたMC専門の
    カートリッジ・メーカーだ。そのシェルターから
    初の安価なMMカートリッジがこれだ。
    地味ながらも引き締まった音色で、力強さもある。
    質実剛健な音で、優れたカートリッジだと思う。
    1960年代前後のジャズやロックなどに合う。
    しかし、ちょっとハイ上がり気味で長時間、
    音楽を聴くと疲労感を覚えるのが、かなり残念だ。
    この疲労感さえなければ主力級になったのに。
    実力は ◎ だが、聴き疲れするので × とした。
    実に惜しい! それでも、オールジャンルで堅実な
    音を聴かせる貴重なカートリッジだ。
    渋めの音色が好きなら候補の1つだろう。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    聴き疲れる症状は無くなった。
    力強い音色は素晴しいが、高音域が強すぎる。
    いいカートリッジだが好みが分かれるだろう。
    SHURE          
    M-44G
    MM
    0.75-1.5g
    6.25mV
    47KΩ
    6.7g
    円錐針
    7,350円
    4,500円
    シュアはアメリカの名門メーカーで、
    現在はDJ系に力を入れている。
    このカートリッジは40年以上も販売されている
    超ロングセラー製品だ。
    おそらく世界で利用者が一番多いと思われる。
    さて、その評価だが良くも悪くも粗野な音質だ。
    中低音域の塊がスピーカーから放たれる。
    力強い音は50-70年代のジャズやロックに合う。
    メタリックな硬質感も面白い特徴だ。
    ただ、高音域の弱さや、繊細さや奥深さが無いので
    アコースティック系には、ほとんど合わない感じだ。
    ヴォーカルではサ行が歪む。
    ジャズやロック専用となるが、個人的には
    Pickering NP/AC-S の方が好ましい音色かな?
    私個人ではパンクやハードコア、ハードロックに
    合っていると思う。爆音で聴くと燃える!
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    華やかで潤いのある音色となった。
    こちらの方が合っているようだが、
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f の
    豪快さも捨てがたい。
    ------------------------
    JICO製のSHURE M44G用のモノラル針
    N44G-MONO (3,150円) を購入した。
    かなり元気な音質だが、
    ちょっとヴォーカル表現が雑だ。
    ジャズなら、まずまず合う感じだ。
    STANTON          
    680HiFi
    MM
    0.7-1.5g
    3.0mV
    47KΩ
    6.3g
    楕円針
    12,600円
    10,700円
    (生産終了)
    スタントンはアメリカのカートリッジ・メーカーだ。
    宣伝文句は、”暖かでかつクリアな音質”だが
    宣伝通りの音質だ。
    とても聴き易い音色で、透明
    感がある。
    それは薄味という意味でもあり、
    好き嫌いは分かれそう。
    パワー感は無いけれど低音も程々出ている。
    全体的にはメタリックな味付けも感じる。
    リラックスして聴くには、もってこいのカートリッジだ。
    BGM的に音楽を聴く時に使用したいと思う。
    681 EEE MK V
    MI
    (MM)
    0.75-1.5g
    2.5mV
    47KΩ
    6.3g
    楕円針
    21,000円
    11,800円
    1960年頃、米国の放送局の業務用カートリッジ
    として生産されていたシリーズ物だ。
    680 HiFi は”暖かでかつクリアな音質”だったが、
    それに加えてパワフルさが増した。
    680 HiFi は正直、味気無さがあったが、
    力強くも明快な音色だ。audio-technica AT 15Ea/G
    もパワフルだったが、どこか過剰感があった。
    こちらは、ちょっとあっさり気味だが聴きやすい。
    ベースの音が明瞭に聴こえるのが特徴でもある。
    パワフルだけど、どこか冷静な雰囲気のある
    個性派だ。個人的には気に入っている。
    欠点はサ行がちょっと歪むことかな。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    ちょっと暖かみのある音色になったが、
    Dual CS 750-1 + Luxman L-505f の
    クールな音色の方が合っている。
    SUMIKO          
    Pearl
    MM
    1.5-2.0g
    (2.0g)
    3.5mV
    47KΩ
    6.0g
    楕円針
    14,700円
    13,000円
    スミコはアメリカのカートリッジ・メーカーだ。
    このカートリッジは下から3番目の値段にあたる。
    音場が広く(ワイドレンジ)切れ味が鋭い。
    力強さもあり、所謂、現代的な音だが
    全体的に落ち着いた雰囲気もある。
    アコースティック系もいいが、パワーもあるので
    ロック、特にジャズに向いていると思う。
    古めのレコードが新鮮な感覚で聴けるので、
    モノラルのジャズやクラシックを
    現代的に聴かせてくれて、とても面白い。
    素直な音色は長時間レコード聴いても疲れない。
    ただ、熱さや骨太さ求めるには不向きな感じだ。
    ジャズなんかはクールに聴かせていいのだが、
    正直、60・70年代のロック・ポップにおいては
    熱さがないと言うか、面白さを感じない時がある。
    それでも総合力に秀でたカートリッジで
    取り合えず1つのカートリッジを選択するするなら
    候補の1つに値するだろう。
    ------------------------
    Dual Golden 1 + Creek OBH15 で聴いた。
    落ち着きのある音色に、パワーと華やかさが
    加わった。断然、こちらの方がいい。
    VESTAX          
    VR-7E
    MM
    3-4g
    (3g)
    7.7mV
    47KΩ
    5.3g
    楕円針
    オープン
    6,300円
    DJ用機器の製造・販売が中心の日本の会社だ。
    元々は楽器を扱っていた会社で、現在では
    オーディオ機器も製造・販売している。
    このカートリッジはオーディオ用としても評価が高い。
    当初はオルトフォンの Nightclub E MK2、
    スタントンの Skratchmaster.V3 も考慮したが
    新しい会社を開拓しようとベスタクスにした。
    さて、性能は意外や高音質だ。細かな音を良く拾うし
    低音も豊かだ。ドンシャリ度も低く普通の
    ピュア・オーディオとして充分に使用できると思う。
    派手でメリハリのあるホット(熱い)な音色だが、
    ちょっとバタバタ感もある。
    欠点と言えば、あまりにも普通のカートリッジに
    近いことだ。もっとケバケバしさがあっても良かった。
               
     

    [ カートリッジ:総合評価 ]

     最後に、各ジャンルでお勧めのカートリッジを挙げる。

     
    とりあえず、結論? ご当地盤ならご当地カートリッジで。
    ジャズやアメリカン・ロックなら米国のカートリッジ
      (Shure, Pickering, Stanton, Sumiko, Grado)
    UK・ユーロ・ロックやクラシックなら欧州のカートリッジ
      (Ortofon, Goldring)
    日本の音楽や、中立的に聴くなら日本のカートリッジ
      (Denon, Audio Technica, Nagaoka, Shelter)
    あたりまえと言えばあたりまえだけれど、やはりこういう結論だ。
    アコースティック系
    トラッド、クラシック(特に室内楽)
    ヨーロッパやピアノ主体のジャズ
    プログレ、日本のフォークなど
    軽やかで楽しい Goldring 1012GX
    繊細ながらも堅実な Denon DL-103
    現代的でクールながら瑞々しい Grado Prestage Silver
    3者3様の独特の個性がある。
    アコースティック系は充実したカートリッジが存在する。
    生産終了品だが、以下のカートリッジも良い。
    奥深く厳粛な Ortofon MK 540U(生産終了)
    ロック・ジャズ系
    ロック、ジャズ、ブルース、ソウルなど
    熱さや迫力の表現が得意なカートリッジ
    硬質な中低音が特徴の Shure M-44G
    パワフルながら品のいい Goldring ELAN (ELEKTRA)
    現代的でクールながら落ち着きある Sumiko Pearl
    MCながら重厚感のある Ortofon MC-09B
    生産終了品だが、以下のカートリッジも良い。
    中音域がとても魅力的な Pickering NP/AC-S(生産終了)
    渋くて濃密な Ortofon MK 540II(生産終了)
    まとまりのある audio-technica AT 15Ea/G(生産終了)
    ジャズやアメリカン・ロックなら断然、米国のカートリッジが合う。
    オールラウンド系
    (取り合えず、これ1本なら)
    欧州系の音楽を楽しく聴かせる Goldring 1012GX
    ハイ上がり傾向ながら、繊細かつ堅実な Denon DL-103
    質実剛健で重厚感のある Ortofon MC-09B
    現代的でクールながら瑞々しい Grado Prestage Silver
    安価ながら素晴しい音質の Goldring ELAN (ELEKTRA)
    現代的でクールながら素直な Sumiko Pearl
    生産終了品だが、以下のカートリッジも良い。
    大人の音色を楽しめる Ortofon MK 540II(生産終了)
    理想を言えば、ジャンルに応じて2種類のカートリッジは用意したい。
    オーケストラ
    オーディオ機器の良さも問われ、
    いい音で聴くには難しいジャンル?
    迫力があり、アコースティックな表現も
    上手いカートリッジが候補だ。
    いい機器を揃えて、MCカートリッジが候補かな?
    現状では以下のカートリッジが良いと思う。
    重厚さときめ細やかさがある Ortofon MC-09B
    気品さと優美さで聴かせる Goldring 1012GX
    線はちょっと細いが端正な Grado Prestage Silver
    ハイ上がり傾向ながら、繊細かつ堅実な Denon DL-103
    生産終了品だが、以下のカートリッジも良い。
    奥深さと渋さの Ortofon MK 540II (生産終了)
    モノラル盤 中級の専用カートリッジを聴かないと判断できないが
    Grado MC+Mono はクラシックに合う。
    Ortofon OM D25M は明るめの表現が好感を持てる。
    ただ、再発盤や60年代以降のモノラル盤なら
    ステレオ・カートリッジでも、それなりに聴けると思う。
    ジャズなら Shure M-44G, Pickering NP/AC-S でも
    充分に合うと思う。
    DUB レゲエなど低音ビンビン系
    エロい女性ヴォーカル用
    DJ用のカートリッジも場合によっては使える。
    値段の割りに高音質の Vestax VR-7E はかなり評価できる。
    メリハリがありホットな音質は、ポップ・ロック系に合う。
    詳細評価 MMなら ORTOFON, GOLDRING, SUMIKO, GRADO がメインだ。
    これらに共通するところは、気分良く聴かせるところだ。
    音楽の表現力や色艶があり、その個性が好きだ。
    audio-technica は力強さが特徴だ。ナガオカ, SHELTER は、
    繊細で生真面目な音質で、若干、ハイ上がり傾向だ。
    どうも私個人の好みに、あまり合わないが、
    堅実な音色が好きなら日本のカートリッジを薦める。
    高評価でないが PICKERING, STANTON, SHURE は個性派だ。
    特に、米国のジャズやロックにとても良くマッチする。
    その独特のパワフルな音色が気に入れば楽しいカートリッジだ。
    モノラル・カートリッジに関しては、評価は保留中だ。
    なお、ステレオ用ながらジャズなら Pickering NP/AC-S が良い。
    DJ用の VESTAX もオーディオ用として使える。
    メリハリの効いた音色は、元気のいい音楽に合うと思う。
    MMカートリッジはリーズナブルと言えども2万円前後以上の
    金額を出すと、音質及び音色のいいカートリッジに出会えると思う。
    ただ、基本的に市販されているMMカートリッジに
    まったくダメなものは無いとも言える(それぞれ個性を持っている)。
    MCに関しては Ortofon, DENON, audio-technica を聴いた。
    MMに比べると繊細さに勝るが、色艶というか個性は抑え気味だ。
    ただ、Ortofon MC-09B はパワーもありお気に入りの1つだ。
    DENON DL-103 は老舗だけに素晴しい音質だ。
    MCの場合、性能の高いフォノイコやトランスが前提と思うので、
    いつの日にか再評価したい。
    太字のメーカーのカートリッジを恒常的に使用している。)
    フォノイコライザの違い Dual Golden 1 と Creek OBH15+OBH2 のコンビは
    Dual CS 750-1 と Luxman L-505f の組合せと音色が違います。
    今まで聴いてきた後者は渋めの音色だが聴き易い傾向、
    新しく導入した前者は派手で華やかな音色となっている。
    フォノイコライザでこんなに音色が変わるとは思わなかった。
    今は満足なので、買い替えの予定はない。
    今後の予定 MM 型カートリッジはだいたい聴き込んだ感じだ。
    今後は Shure V15 Type III 等のビンテージ物、
    モノラル用カートリッジが購入対象だ。
    ただ、好きなメーカーも固定してきたので
    思い切って高価品の購入も検討したい。



    [ カートリッジ:高級品 ]

     高級カートリッジ、特にMCは日本勢が良さそうです。手頃な値段のMMカートリッジは世界のメーカーで量産されているようですが、MCの場合は情 熱のある小企業・職人の独壇場のような感じです。小規模ゆえに値段が高いのでしょうが、さて、音も値段に比例していいのでしょうか?

     
    メーカー
    機種
    針圧
    (適正)
    出力
    負荷
    質量
    針形状
    定価
    店頭価格
    評価 寸評
    Benz Micro          
    ACE M
    MC
    1.8-2.2g
    0.8mV
    24Ω
    8.8g
    楕円針
    68,250円
    39,800円
    (生産終了)
    スイスのメーカーで高級MCを専門とする。
    モデル・チェンジで Joshin より格安で
    在庫処分していたので購入した。
    今までは実売5万円以上していたので、
    安く買えてラッキーだ。
    甘くて優しい音色というの本当だが、
    かなりアッサリした音色だ。
    パワーが無いという訳ではないが、
    もう少し元気さが欲しいところだ。
    繊細さは素晴しく、
    細かな音まではっきり聴こえる。
    Dual CS 750-1 と Luxman L-505f の渋さより
    Dual Golden 1 と Creek OBH15+OBH2 の
    華麗さの方が合っている。
    総合的に言えば、大人の雰囲気を持った
    高級カートリッジだ。特に不満はなく
    気が付いたら長く使っているといた感じだ。
    GOLDRING          
    EROICA GX
    MC
    1.5-2.0g
    (1.7g)
    0.5mV
    100Ω
    5.5g
    楕円針
    65,100円
    42,000円
    個人的に一番のお気に入りの会社が
    ゴールドリングである。
    高級MCが特価で販売していたので購入した。
    宣伝文句ではロックやジャズに適している、
    となっていたが、パワー感はかなりある。
    MM の 1012GX を元気にした感じである。
    ヨーロッパらしい美しさ、繊細さ、麗しさ、
    に加えて力強さも増した音質だ。
    UKロックやオーケストラなどに最適だ。
    アコースティックや室内楽なら 
    1012GX のほうがいいかも?
    米国のジャズを鳴らすには上品すぎるか?
    それでも上質なカートリッジで間違いない。
    Goldring の 1012GX とこの EROICA GX の
    選択だが、もし、ジャズ用のカートリッジを
    持っているのなら、1012GX を薦める。
    Shelter          

    Model 501 MK 2
    MC
    1.4-1.8g
    0.4mV
    10Ω
    8g
    楕円針
    89,250円
    50,000円
    B級品扱い(接着剤がちょっとはみ出ている)の
    製品が特別価格だったので購入した。
    Denon の DL-103 と同じで無個性が個性だ。
    特徴的な売りは無いが自然に音楽を聴かせる。
    DL-103 よりは力強いかもしれない。
    無個性というと面白みが無いと誤解を
    受けそうだが、レコードの中の音楽を
    作為無く自然と表現するので聴き易い。
    よって、末永く使っていけるカートリッジだ。
    派手な個性が無いので地味な扱いだが
    その秘めた実力は素晴しいものがある。
    幅広いジャンルで聴こうとするなら
    お勧めのカートリッジかもしれない。
               
     
     以下は、取り合えず気になるカートリッジのメモです。
     
    メーカー
    製品名
    定価
    実勢価格
    音質、音色
    ライラ
    DORIAN
    126,000円
    99,000円
    世界中から評価を受ける日本のカートリッジ
    ワイドレンジ、高S/N
    超ハイスピードの低音が特徴らしい?
    ORTOFON
    SPU SYNERGY
    168,000円
    127,000円
    オルトフォン・ファンとしては憧れのカートリッジ
    フューズテック
    P-3
    89,250円
    71,000円
    最近、健闘している日本のメーカー
    アーティストの情念まで引き出すらしい?
    山本音響工学
    YC-03S
    102,900円
    80,000円
    エネルギッシュでジャズやロックに合うらしい?
    ZYX
    R-50BLOOM
    63,000円
    50,000円
    海外でも評価の高い日本のカートリッジ
    リアルサウンドらしい?



    [ レーベル:クラシック ]

     クラシックのレーベル別の音質を検証します。オリジナルはあまり保有していないので、再発盤も含めて評価していきます。
     

    主レーベル名 販売元 評価、感想
    Decca オリジナル 音質の良さから中古市場での人気は高い。
    有名盤だと万のオーダーだ。
    一般的には、音質は最高評価とされている。
    明瞭で豪華な響きが特徴だ。
      サブ・レーベル 「Ace of Diamonds」は廉価な復刻盤を扱うが音質は良い。
    「Argo」は先進的な演奏を扱うが、これも音質は良い。
    オリジナル Decca に較べると、音質は若干は落ちるが、
    それでも音質は相当良く、
    しかも値段が安いのでお買い得だ。
      London
    日本盤
    Deccaの米国におけるレーベル名はLondonであり
    日本ではLondonレーベルを通してキング等でリリースされた。
    日本プレスのレコードは、中古市場では 500円未満と安い。
    オリジナルに較べると、平面的な感じで、質は落ちる。
    ただ、全般的に音質は良くオリジナルの高いレコードを買う位なら、
    まずは日本プレスの安い中古レコードをお勧めする。
    本当に好きな演奏内容なら、オリジナル盤を買えば良い。
    とにかく安いので、とりあえず聴きたい曲を、
    お試しで買うことが多い。
    EMI オリジナル とてもナチュラルな音質が特徴だ。
    Decca に較べると大人しい感じだが個人的には好きだ。
      独仏盤
    日本盤
    ドイツやフランス・プレスも質が高い。
    値段は手頃な価格となるので、入手しやすい。
    日本盤は東芝だが、残念ながら音質は悪くなる。
    Erato オリジナル フランスのレーベルで、バロックや室内楽に強い。
    とても暖かな音色が特徴だ。
    刺激的な高音質とは対極だが、個人的には好きなレーベルだ。
    値段も高くなく、お手頃価格で入手できる。
      日本盤 日本プレスはRVCなどが担当している。
    中古盤では 1,000円以下が相場で安い。
    安い割には音質も良く、貴重なレコードだと思う。
    個人的には購入頻度が高く、有り難い存在だ。
    Westminster オリジナル 米国のレーベルでモノラル時代から定評がある。
    分厚いサウンドながら、暖かな佇まいが素晴しい。
    ただ、モノラル盤は、もっさりとした感じもある。
    値段は高価なものが多い。
      日本盤
    再発盤
    日本ではウェストミスター・レコードという代理店と、
    キング・レコードが扱っている。
    1960年代初期のキング盤はかなり音が良くお勧めだ。
    (特に1962年プレスのレコードが良いと思う。)
    ウェストミスター・レコードは質が落ちる(少なくとも、
    私が持っている盤はイマイチなものが多い)。
    米国では版権が ABC-Paramount に移り再発されたが、
    その音質は美しさを保っており、お買い得だ。



    [ レーベル:ジャズ ]

     ジャズのレーベル別の音質を検証します。オリジナルはあまり保有していないので、再発盤も含めて評価していきます。ジャズの場合、Blue Note や Prestige の有名オリジナル盤は目玉が飛び出るほど高額ですので、再発盤の音質が気になるところです。
     さて、いい音質の定義とは何なのだろう? 単純に考えて、活きの良い音かな。ジャズの場合は、まずはパワーがあることが前提ですが、全体的には 楽しくて体が踊りだすような感じの音質が理想だ。その上で、各楽器類の艶なり明瞭さを判断するのが良いのではなかろうか。個人的には、聴き疲れのしない音 質が好みで、逆に極度の刺激的な音質は好まない傾向がある。
     なお、レコードを聴く時のカートリッジですが、米国録音なら米国のカートリッジである Pickering, Shure, Stanton, Sumiko が合うと思うし、ECM などのドイツ盤や欧州系は Ortofon, Goldring が合うと思う。ご当地盤にはご当地カートリッジが、まずは基本だ。
     

    主レーベル名 プレス元 評価、感想
    Atlantic オリジナル オーネット・コールマン、ジョン・コルトレーン、チャーリー・ミンガス等が
    作品を残したアメリカのレーベルだ。
    オリジナル盤も比較的安値で入手できる。
    ただ、全体的に音質のレベルは低い。
    Blue Note オリジナル ニューヨークに本拠を置くジャズ界の名門レーベルだ。
    録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーによる多くのアルバムがある。
    オリジナル盤は非常に高価だ。
    特にモノラル盤は数万円以上がざらで、手が出ない。
    音質は厚みと迫力のあるサウンドで素晴しい。
      再発盤 2005年頃からルディ・ヴァン・ゲルダーによる
    リマスタリングされたCDが話題となったが、
    アナログ盤も約 1,500円前後でリリースしてる。
    このレコードの音質はかなり素晴しい出来である。
    クリアな音質で、迫力もかなりある。
    下手なオリジナルを購入するよりは、この再発盤で充分だ。
    そして、気に入った作品のオリジナルを購入するのが良いだろう。
    国内盤はキングのほうが東芝EMIより良いとの評判だ。
    ただ、総合的に考慮すると、2005年以降のリマスタリング盤が
    安さと音質の両方を兼ね備えており、充分に満足できる。
    また、音符レーベルと言われている古い米国の再発盤も
    それなりに音質のレベルをキープしていると思う。
    CBS
    Columbia
    オリジナル アメリカの大レーベルで全盛期のマイルス・デイヴィス等が在籍した。
    Blue Note ような厚みのある音質ではないが、
    スマートな音質は良いと思う。
      再発 米国プレスなら再発盤でも、そこそこの音質を保っている。
    日本盤はソニーが担当しているが、平凡な音質になってしまう。
    Contemporary オリジナル アメリカ西海岸のレーベルでアート・ペッパー等が在籍した。
    派手さは無いが、とても高音質だ。
    余裕のある、いわゆる大人の音色という雰囲気がある。
    オーディオ・システムが良ければ良いほど、
    その高音質の真価が発揮されるという感じだ。
    値段的にも高価ではないので入手しやすい。
    Debut オリジナル チャーリー・ミンガス、マックス・ローチによって設立された。
    ECM オリジナル ドイツのレーベルで、静寂感あるクールな音質が特徴だ。
    個人的に大好きなレーベルでもある。
    静寂感までも音として聴こえるのかと思うほどの高音質だ。
    米国の熱いジャズの対極になるが、素晴しい作品が多い。
    オリジナルでも1,000円前後なので購入しやすい。
      米国盤
    日本盤
    日本プレスは「トリオ」や「ポリドール」が担当している。
    米国プレス、日本プレスとも、静寂感や奥深さは、若干なくなるが、
    音質自体は問題なく素晴しい。値段はオリジナル盤と変わらない。
    Fantasy
    OJC
    OJC盤 Prestige をはじめ、Riverside, Contemporary, Debut, Milestone
    , Pablo などの版権を獲得し、再発盤をリリースした。
    正直に言って、OJC盤は買いだと思う。
    値段は安いし(多分、中古で1,000円前後)、音質もかなり良い。
    オリジナルと較べれば、細かな部分では不満はあるとは思うが、
    全体的に快活な音質は、ジャズの面白さを充分に伝えてくれる。
    ジャズ入門者や、幅広くいろいろな作品を聴きたい人なら、
    取り合えずOJC盤で多くのアルバムを揃えることが出来る。
    その後に、気に入ったアルバムのオリジナル盤を購入すれば良い。
    なお、OJC盤も初期盤(ジャケットが厚い)や、リマスター技師名
    Phil De Lancie の名前がジャケット裏にプリントされているものが
    良いと言われているが、それ程の差はないと思う。
    Impulse オリジナル 設立は1961年と若いながら、全盛期のジョン・コルトレーン、
    アルバート・アイラー、キース・ジャレット、ソニー・ロリンズが在籍した。
    録音技師にルディ・ヴァン・ゲルダーが係わっていた。
    オリジナル盤は、あまり高額でないので手が出しやすい。
    Mercury
    EmArcy
    オリジナル アメリカのレーベルでサブ・レーベルEmArcyを持つ。
    Pablo オリジナル 1973年設立の新興レーベルだ。
    Prestige オリジナル Blue Note と並ぶ名門レーベルで、マイルス・デイヴィス、
    ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド等が名作を残した。
    オリジナル盤は、有名どころは高価だ。
    Riverside
    Jazzland
    オリジナル アメリカはニューヨークの名門レーベルだ。
    サブレーベルとして Jazzland を持つ。
    セロニアス・モンク、ウェス・モンゴメリ等が在籍した。
    スマートで暖かみのある音質は、ブルーノートと反対の音色だが
    個人的にはとても好ましく思う。
    有名盤は高価だが、比較的入手しやすいレコードもある。
      日本盤 日本ビクターのペラジャケは、スマートな音色を残していて
    結構、聴き応えがある。
    Savoy オリジナル アメリカの古くからのレーベルだが、1960年代は
    アヴァンギャルド系の作品もリリースしている。
    Verve オリジナル アメリカのレーベルでオスカー・ピーターソンなど
    渋めのミュージシャンが在籍していた。



    [ レーベル:ロック、トラッドなど ]

     ロック、トラッド等のレーベル別の音質を検証します。オリジナルはあまり保有していないので、再発盤も含めて評価していきます。
     

    主レーベル名 プレス元 評価、感想
    Parlophone オリジナル ビートルズのオリジナル盤をリリースしたレーベルだ。
    Vertigo オリジナル 英国プログレの宝庫と言われるレーベルだ。


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