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「コブラ対マングースの決闘」というアトラクションというかイベントを見たあるいは聞いたことがあると思います。沖縄の方は「ハブ対マングース」ですかね。私は、この「コブラ対マングースの決闘」について、子供の頃、いつも疑問に思っていたことがあります。それは、「決闘の後、マングースはどうなるのか」ということです。 主催者だって、そんなにたくさんのマングースを準備できるものではないと思うのです。しかも、本当か嘘かは知りませんが、時々マングースが負けるという話も聞いたことがあります。そうでなくても、マングースだってコブラやハブの攻撃を受けているわけですから、致命的な傷を受けることも十分考えられます。逆に、コブラやハブだって、マングースにかなりの確率でやられるわけですから、たまったものではないでしょう。ショーの度に、コブラやハブたちは、「次は俺(私)では?」と恐怖におののく日々を過ごしているに違いありません(なわけねーだろ、と誰かがつっこむ)。 当然、ショーなのですから、マングースが死なないように、コブラやハブの毒は抜かれているのでしょう。でなければ、マングースが何頭いても、足りません。大人となった今は、そのくらいのことは容易に想像できますが、幼かった当時の私には、不思議でなりませんでした。そんな思いから、高校生の時に作ったお話を、リメイクしてお届けします。一部、20年近く前にブームになったものも登場しますが、その点はご了承ください。 はじめにお断りしておきますが、これはあくまで「フィクション」(ハクションではない)であり、完全に「想像」の世界のお話です。また、動物愛護の観点から、各地でコブラやハブとマングースの決闘ショーを取りやめる動きがある(あるいはやめた)ということですが、このお話は、コブラやハブとマングースの決闘の開催を助長するような意図で書かれたものではないことを申し添えます。 マングースの憂鬱このお話は、とあるヘビセンターのマングースの一日を克明に記録したドキュメンタリー(?)である。
「あ〜あ。今日もまたコブラと決闘か。こう毎日やってちゃ、飽きちゃうよね。いい加減やめない?ねぇ、おっさん・・・。」
「だいたいさ、今頃流行んないんだよ。コブラとマングースの決闘なんて。どこでもやってんじゃんよ、そんなの。そんなネタしかないから、客だってこねーし。それにさ、『ヘビセンター』なんて名前もいまいちだよね。いっそのこと『スネークパラダイス』とかに名前変えてさ、建物もショッキングピンクとかにしてヘビのじめじめしたイメージをどっかにやっちゃったほうがいいんじゃねーの?おっさん。」 「何ぃ〜。今日の相手は、少ヘビ隊のカガシだとぉ〜?あいつら、最近、妙に若いねーちゃんに人気あんだよな。『カマ首もたげた時の筋の張りがたまんない』とか『ああいう模様のハンドバッグがあったらかわいいのに』とかなんとかいわれてさ。でも、人気あんなら、少ヘビ隊グッズでも販売すりゃ、もうかんのに。・・・おっと、いけねぇや。今はそれどころじゃないぜ。とにかく、ちょっと調子こいてるから、今日はあいつらに一発かましてやる。」
春が目の前に迫り、柔らかな日差しに包まれた昼下がり。客の入りも久しぶりに上々のヘビセンター・・・。いよいよ決闘の時がきた。
「みなさま、本日は当ヘビセンターにご来場いただき、まことにありがとうございます。ただいまから、当センター自慢のマングースと、コブラの決闘をみなさまにごらんいただきます。みなさま、ご存じかと思いますが、マングースは、コブラやハブなどの毒ヘビを見かけると、攻撃をしかけ、頭にかみつき、毒ヘビを倒すことで有名な生き物です。当センターのマングースは、当然、負けたことはこざいません。そうでなければ、今日、みなさまの前に姿をお見せできませんから。」
かくして、大勢の観客が見守る中、決闘は幕を開けた。
どのくらいの時間がたっただろうか。ぼんやりとした明かりがマングースには見えた。
「おお、気がついたか!」 |


