6日目 (8/17) 能代〜男鹿

6:00起床

テントの外に出るとすずしい。フライシートをさわると妙に濡れている。朝露にしては濡れすぎなので、夜中に雨でも降ったのか。空は薄曇りだが雲の隙間から日が射している。それにしても良く眠った。結局夜中は全く人は来ず、結果的に静かな夜をすごせた。夜中だったのでどういうところなのか良く分かず寝てしまったのだが、朝になって改めて周りを見渡すとかなり広々とした砂浜が広がる綺麗な海岸である。7:00撤収終了し能代海水浴場を後にする。

とりあえず能代駅に向かう。駅前で朝食が食べれるような店をさがすが、いまいちこれといったところが見つからない。しかたがないのでめし屋は諦め、コンビニだか本屋だか分からない様な店(コミュニティストア?)に入り、玉子パン+くるみパン+牛乳500mlを購入し朝食とする。ついでに非常食としておにぎり+アクエリアスも購入しておく。コンビニの駐車場でパンを食べながら地図を見て今後の行動を検討する。ここからちょっと行ったところに「風の松原」という景勝地があるようだ。行ってみることにする。

風の松原

20分位走ると「風の松原」に到着。その名の通り松の木が無数に植えられているところだ。案内板を見ると、この辺りは冬の海風がとても強いところらしく、海岸からの砂風を防ぐために植えられたもののようだ。なんと東京ドーム150個以上の広さの敷地に松が植えられているとのことだ。とりあえず自転車で松原の中の遊歩道をポタリングする。ジョギングしている人も結構いるようで、「おはようございます」と挨拶されたりする。大きな池があったので中を覗いてみると金魚とあめんぼが無数に泳いでいた。なんだか非常に静かな雰囲気のところだ。

風の松原を後にし出発。国道7号に出て南下していく。能代市街を抜けるとのどかな田園地帯が続き、のんびりとした気分で進んでいく。やがて八竜町に入る。前方には大きな川が見え、川の向こうに広々とした平野が広がる。おおー、あれがもしかしたらあの中学校の地理の試験でよく出てきた「大潟村」か。なんかちょっと感動をおぼえる。

地図によるとそばに安く入れる温泉施設があるようなので、大潟村上陸は後の楽しみにとっておき、そちらに寄っていくことにする。温泉施設の名前は「砂丘温泉ゆめろん」。この旅では7湯目の温泉入湯になる。旅の途中で温泉に立ちよるといった行動がすっかりやみつきになってしまった。

砂丘温泉ゆめろん

小高い丘を登り「砂丘温泉ゆめろん」へ。かなり立派な建物で、利用料金もちょっと高そうな雰囲気だ。とりあえず中に入り、フロントで料金を確認すると、なんと¥300で入湯可能とのことだ。関東地方でこの手の温泉施設に入ったら¥1、000〜¥2、000はとられるところだ。経営は大丈夫なのだろうかと余計な心配をしてしまうほど東北地方は安い温泉施設が多い。

さっそく浴場へ。大風呂の他に寝湯やサウナ等もあるようだ。サウナに入ると体力を消耗しそうなので止めておき、大風呂と寝湯だけにしておく。やはりお湯は茶色がかっており、泉質はナトリウム−塩化物泉(食塩泉)とのことだ。この辺りは食塩泉の温泉がほとんどのようだ。

温泉からあがり、リラックスルームにあるリクライニングシートに座りくつろぐ。朝から温泉に入れた上に、こんなきれいなところでくつろげるなんて、何だかとても至福な気持ちになる。くつろぎながら地図をながめ、今後のコース取りを検討する。大潟村は是非自転車で走りたいのでこれから上陸するとして、その後は男鹿半島入りだ。男鹿半島にはいくつかキャンプ場があるようなので、今晩のねぐらはこの辺りか...。男鹿半島周回の道はうねうねしており見るからにきつそうな道だ。気合を入れていかなくては...。

十分に疲れがとれたところで、砂丘温泉ゆめろんを後にする。承水路の脇の道をしばらく走った後、橋を渡るといよいよ大潟村上陸だ。大潟村西部の道を南下していく。広大な田園が広がり、一直線の道が延々と続いている。まるで北海道を彷彿させるようなところだ。広大な光景に圧倒されながら5kmほど進むと、「大潟村特産品センター」という施設を発見したので寄っていくことにする。

大潟村特産品センター

ここは大潟村でとれた農産物を提供しており、さまざまな野菜が売られているようなところだ。とりあえず駐車場に自転車を停め中に入ろうとすると、駐車場で何やら車を一生懸命押しているおばさんがいる。いったい何をやっているんだろうかと思っていると、おばさんに「すいませんが、押すのを手伝ってもらえませんか」と言われる。別にタイヤが溝にはまっている訳でもなく、何故車を押す必要があるのかよくわからないが、とりあえずおばさんと一緒に車を押す。運転席にはおばさんの夫と思しきおっさんが座っておりアクセルをふかしているようだ。Aも一緒に手伝って押しているうちに、やがてガクンと音がして車が動きはじめた。おばさんは「助かりました」と言い、「これでジュースでも買って」と¥300をくれた。しかし別に何かに引っかかっていた訳でもないのに、何故動かなかったのだろう。おばさんにそのことをたずねると、「たまにこの車こういう風になるんですよ。」と言う。不可思議な車だ。まあ余計なことは検索しないことにして、おばさんからもらった¥300をAと山分けし遠慮なくジュースを購入することにする。

特産品センターの中で大潟村の案内マップをもらう。マップを見ると大潟村の中にも温泉施設があるようだ。しかし大潟村は人工的に作られた村のはずだが、その土地に温泉とはどういうことだろう。さらに地図をよく見るとここからちょっと行ったところに、「あきたこまち手作り体験工房」というところがあり、大潟村で自家栽培されたものを食べさせてくれる施設があるようだ。ちょうど昼飯時でもあるので行ってみることにする。

あきたこまち手作り体験工房

ものの10分ほど走ると目的の場所に到着する。中では大潟村の特産物が販売されており、さらに奥へ行くと食堂があり¥1、200でバイキング方式の食べ放題というのがあるようだ。これは食べていかない手はないので¥1、200を支払い食堂の中に入る。ソーセージやサラダ、そしてあきたこまちを使用した(とおもわれる)赤飯等多数取り揃えてあり、皿に盛りきれないほどとる。これらは大潟村で有機栽培されたものらしいが、確かに自然の味という感じがして、うまい。食堂は温室風になっており、周りには植物が多数植えてある。なんだかユニークなところだ。ここで造られた地ビールも売られており飲んでいきたいところだったが、今日はまだ男鹿半島が控えているので我慢することにした。替わりにお土産としてこの地ビールを購入し、実家に送ることにした。

バイキングですっかり腹一杯になり満たされたところで、あきたこまち手作り体験工房を後にし、再び大潟村を南下する。延々と続く一本の道。前方には水平線が広がり、まるで飛行機の滑走路を走っているような気分だ。自然とスピードも上がる。ロードレーサーの醍醐味を十分に味わうことができる。そんな道である。それに加えて空は雲一つない日本晴れだ。これが雨だったら180度印象が変わっていただろう。気分もすっかり盛り上がり、大潟村をハイスピードで突っ走る。

14:50男鹿駅前のローソンにて休憩

やがて海沿いの道に出て男鹿市に入る。とりあえず男鹿駅前まで走り、ローソンで休憩。野菜ジュースを購入して飲む。外に立っていると日差しが本格的に強くなってきたのを感じる。今日はこの旅始まって以来の夏らしい日である。日焼け止めを十分に塗って、気合を入れて男鹿半島入りする。

男鹿半島は海を見ながら走りたいということもあり、時計回りに進むことにする。とりあえず男鹿半島の中間地点位にある「男鹿桜島野営場」を目指すことにする。Aを先に行かせ、私は後からのんびりと走行することに。早くも登りが始まるが、それほどきつい坂というほどでも無いようだ。海を見ながらの〜んびりと進む。これくらいの坂だったらそれほど苦労せずにまわることができそうだ。どうやら男鹿桜島野営場には楽勝で到着することが出来そうだ。

...と思ったのもつかの間で、突然道が急勾配になる。立ち漕ぎをしないと登れないような坂だ。車でもローギアにしないと登れないような道で、軽トラ等はブォーーンとものすごい音をたてて登っていくようだ。うーむ、やはり男鹿半島は一筋縄ではいかないか。ここはあせらずじっくりと進むことにするか...。

その後急勾配の坂道が延々と続く。龍泊ラインに優るとも劣らないようなすごい峠道である。しかし、今回は天気も良く景色もすばらしいので、龍泊ラインのときのような苦行ムードは全くない。目の前に広がる雄大な男鹿半島の自然を満喫しながら、ペダルを踏みしめて急坂をじっくりと登っていく。

1時間ほど登り、さすがに足がパンパンになってきた。そろそろ休憩を、と思いながら走っていると「大桟橋」という看板が目に入る。看板の方に目をやるとでかい何やらでかい駐車場があるので、行って休むことにする。すると偶然Aの姿を発見する。Aも5分ほど前にこの場所にたどりついて休んでいたようだ。

16:00大桟橋駐車場で休憩

どうやら「大桟橋」というのは、海に突き出た大岩が波の侵食を受けて天然の橋の形にくりぬかれているものらしい。この駐車場から遊歩道を渡って下に降りるとその橋を見ることが出来るようだが、かなり歩きそうな雰囲気だったので止めておいた。それにここから広がる景色を眺めるだけでも十分に絶景を満喫することができる。断崖絶壁の海や広大な山々が手に取るようである。道は険しいがそれを帳消しにしてくれるくらいのダイナミックな景色だ。男鹿半島の景色がここまですばらしいとは思わなかった。大潟村といい、本日はまさにこの旅のクライマックスと言える日である。

大桟橋駐車場を後にし、再び山道を登っていく。すると突然勾配がかるくなり、道が下りと変わった。どうやら先ほどの駐車場から峠の頂上まではほんの目と鼻の先だったようだ。ここからは爽快なダウンヒルである。ハイスピードで坂道を20分位下る。おいおいこんなに下ってしまうのかよ...と思ってしまうくらい下りが続き、結局海まで下ってしまうのかー、というところで「男鹿桜島野営場」に到着する。

17:00男鹿桜島野営場

とりあえず案内板を見ると、キャンプ場は隣のホテルが管理しているところらしく、有料のようだ。まあ時間も時間だし、今晩のねぐらはここにするか。とりあえずホテルに入りキャンプ場を使いたい旨を告げると、一張り¥1,000と言われる。げげっ、ちょっと高いなあ...。一瞬ここはやめようかと思ったが、地図を見ると次のキャンプ場はかなり先にあるようだ。それによくよく案内板を見ると、このキャンプ場には無料の露天風呂(温泉)が併設されているようなので、まあ温泉に入れるならいいか、と思い¥1,000を支払いこの桜島野営場を今晩のねぐらに決定する。

適当なところに陣取ってテントを設営した後、早速無料露天風呂に入りに行く。中に入ると、3人入ればいっぱいになってしまうような岩風呂が一つに、冷水しか出ない水道が1個あるだけだ。とりあえず誰も入っていないので、冷水で頭と体をささっと洗い、風呂に入る。今回の旅で入った温泉の中で最もワイルドな温泉だ。お湯の色もまっ茶色である。結構湯量は豊富な様で、岩からごぼごぼとお湯が吹き出ている。湯の中に大量の木屑の様なものが浮いているが、これがいわゆる「湯の花」か。露天風呂からは男鹿の山々や海を眺めることが出来、なかなかいい気分だ。こういうところが真の温泉というのかもしれない。

すっかり疲れがとれたところで、温泉からあがる。すると、どやどやと何やらがらの悪そうな兄ちゃんとその子供数人が「おおーなかなかいいとこじゃん」等と言いながら入ってきた。ちっうるせえなあ...静かに入れよ、などと思いつつ着替えながらちらっと兄ちゃんの方を見ると、なんと刺青をしている。げげっやーさんだ!。びびりまくり、なるべく刺激を与えないようにと、隅っこの方で着替える。するとやーさんの子供がはしゃぎはじめ、私の方にぶつかってきた。どう対応していいか困っていると、やーさんは「あっどうも申し訳ありません」と丁寧に私に謝った。どうやら見かけほど怖い人ではなさそうで、ちょっと拍子抜けであった。(かたぎの人以外には怖いのかもしれないが...)

そんなこんなで温泉入湯終了し、キャンプ場の近くの飯屋でカツ丼(\750)+Beer(\650)を注文し、夕食とする。非常にさびれた飯屋で客は我々2人しかいないようなところだが、腹が減っているせいもあり、カツ丼が妙にうまい。夕食終了しテントサイトに戻る。現在の時刻は19:00。まだ寝るには早いので、レジャーシートに座ってぼーっと海を眺める。何だかひさしぶりにキャンプをしているんだなあという感じのする夜だ。そのうちなんだか眠くなってきたのでテントの中に入り、寝袋の上に横たわる。この日は20:00位に寝てしまった。

走行距離:82.3km
所用時間:4時間6分15秒
平均速度:20.0km/h

7日目につづく

自転車の旅のぺーじにもどる