サーブ考


で、サーブである。
テニスはサーブで始まるのである。サーブがなければテニスは始まらないのである。しかも。そのサーブにはフラットサーブ・スピンサーブ・スライスサーブなどがあるらしいのである。その違いには素人にはなかなか分からないのだが、私なりに考察してみようと思うのである。

フラットサーブ
全てのサーブの基本であって、最もスピードが速く、強力であるらしい。ふらっと行うサーブのどこが強力なのであろうか。ふらふらで行うものが強力であるはずがないのである。もしかして中国拳法の一種である酔拳のようなものであろうか。
お前の解釈は間違っている、フラットは英語であるという声が聞こえて来そうだが、ご要望にお応えして愛用のOxford Advanced Learner’s Dictionaryで調べてみたのである。
flat adj; DRINK| 12  No longer having bubbles in it; not flesh: The soda was warm and had gone flat.
見てのとおり、飲み物に泡がないということである。それは日本語では「気が抜けた」と表現するではないか。
やはり、フラットサーブとは英語でも気の抜けたふらっと行うサーブのことである。

スライスサーブ
スライスするのである。言われなくても分かっている。薄切りするのである。テニスコートに刃物を持ち込まずに相手を薄切りにしてしまうのである。恐ろしい技である。
刃物なしで薄切りにするにはやはり「かまいたち現象」を利用するしかあるまい。高速の風を起こして真空の個所を作り出し、そこで物を切断してしまうのである。薄切りするには絶妙のコントロールが必要である。しかし背の低い人にとっては使いやすく、必須のサーブであるらしい。謎である。

スピンサーブ
スピンサーブである。回転させるのである。ぶん回してしまうのである。恐ろしいサーブである。つまりスピンサーブとはプロレスの人間風車ような技なのであろうか。しかしネットの向こうにいる相手を回転させるとなるとこれはもう赤胴鈴之助の真空切りのような技である。人工的に竜巻を起こすようなものである。竜巻の強度はF0からF5として分類されるが、その最弱クラスのF0、屋根瓦が飛んだり窓ガラスが割れたりする程度の風速毎時50−100メートルの風を起こすには998ヘクトパスカル、つまり標準大気圧1013ヘクトパスカルと15ヘクトパスカルの圧力格差が必要なのである。たつまきパワーで吸い尽くす電気掃除機どころの騒ぎではないのである。スイングでこんな風を起こせるはずはないのである。テニスプレイヤーは自分の体温を一瞬に何百度以上に昇華せしめ、上昇気流を起こして自らを台風の目と化しているに違いないのである。こんなものをテニスコートで起こせたら天気予報など要らないのである。気象予報士の森田さんは失業してしまうのである。
かまいたちといい、竜巻といい、テニスをする人は風を自由に操ることができるのであろうか。これを多くの中上級者がこなしているというのは驚きである。スピンサーブをするには足腰の力をはじめ体力が要るというのも納得である。

リバースサーブ
非常にマイナーなサーブだそうだが、稀に使うことがあるらしい。当然である。リバースするのである。切り返すのである。切り返すためには切りかかられなくてはならないからである。テニスコートで切りかかられることがそうそうあるとは思えない。やはりスライスサーブに対する返し技の一種であろうと思われる。

ツイストサーブ
ツイストするのである。捻るのである。恐ろしい技である。プロレスのコブラツイストと似たようなものであろうか。スピンサーブが相手の全身を回してしまうのに対してツイストサーブは相手の体を捻ってしまうのである。そのままねじり切ってしまったらスプラッターである。恐ろしいサーブである。

キックサーブ
これは簡単である。相手を蹴るのである。スライスサーブやスピンサーブと比べてあまり強力とも思えないサーブである。

スネークサーブ
スネークである。蛇なのである。中国拳法の一種、蛇拳のようなものであろうか。それともコブラツイストの上を行く、ツイストサーブの変形なのであろうか。卍固めのようなものなのであろうか。謎である。

英語の意味を取り違えているという声が聞こえてきそうだが、私に限ってそんなことはない。念のために愛用のOxford Advanced Learner’s Dictionaryで調べてみた。

serve verb; FOOD/DRINK| 1  to give somebody food or drink, for example at a restaurant or during a meal
ほれ、サーブとは給仕することなのである。実際、歌手の北島サーブちゃんも「サラダボウル来たら運ぶだけー」と「運ぶだけの女」という曲で歌っているではないか。


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