4月9日 陸上自衛隊第1師団(練馬駐屯地) 創隊記念式典  本日は陸上自衛隊、そして第1師団の創設記念にお招き頂きまして、ありがとうご ざいます。そしてまた、この機会に国民、都民を代表しまして、皆さんへの改めて大 きな期待を述べさせて頂きたいと思います。  今日(こんにち)の日本を眺めますと、残念ながらどうも国の外側も内側もタガが 緩んできたなという感じを否めません。ずうたいの大きな経済国家でありますけども、 この日本の姿、社会に起こっている出来事を眺めますと、何か肝心なものが欠けてし まっているなという感じが否めません。私たちのうちに、自分たちが属する伝統のあ る、力のあるこの日本という国家社会に対する意識が、どれほどあるかなという疑念 がわいてまいります。  国家の国民に対する責任の最大のものは国民の生命と財産を守るというのは自明な ことであります。そしてまた、国民もそれを期待するがゆえに国家というものに対す る責任あるいは忠誠というものを抱いてるに違いないが、しかし、残念なことに今日 の日本の政治を眺めますと、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)にら致されていた、 いたいけなあの少女1人を救うこともできずに、これは政府の責任であると同時に私 は国民1人1人の責任というものが結束していないその証拠ではないかという気が強 くいたします。  まあ、あまり物騒なことは申しませんけども、私たちどうもですね、この敗戦後の 50年間、実に見事に内側からも外側からも解体されたという気がしてならない。私の 大の友人でありました評論家の村松剛君が交換教授に行った帰りに、ニューヨーク・ タイムズに寄りまして、私たちが戦争に敗れた時(1945年)の8月15日、向うの 14日のニューヨーク・タイムズの論説、そしてまた、数か月前、ドイツの敗れた日の 論説をコピーして、持って帰ってくれました。私とこれも今は亡き、(作家の)三島 由紀夫さんに一つの資料としてくれた。非常に対称的なことに、ドイツの降伏は当た り前に扱われておりますが、日本の降伏の場合には非常に醜い大きな怪物の姿が、そ のあんぐり開いた口からアメリカの兵隊が3人でやっと大きな牙を抜いている。そし て、その解説にこの怪物は倒れはしたが、まだ骨と牙は抜き去られていない。我々は 永久にかかっても、この解体をアメリカのために世界のためにするんだという記事が ありました。  彼ら白人にとってみると、日本人だけが有色人種の中で唯一見事な近代国家を作っ たということそのものが、意に沿わない事実だったのでありましょう。ゆえに、この へんを非常に危険視したアメリカは、あのいびつな憲法に象徴されるようにこの日本 の解体を図って、残念ながらその結果が今日露呈されていることをだれも否めないと 思います。  そういう中で皆さん、ある意味で社会の中に途絶された形で、場合によっては白眼 視されながら日々精励され、この国家をいったん緩急の時には守る、国民の生命を守 る、財産を守るために精励していらっしゃる。これは当たり前のことであると同時に、 実は日本の社会にとって稀有(けう)なことであると、残念ながら思わざるをえない。 どうか一つこういった状況に決して屈することのないように、いったん緩急の時に崇 高な目的を達成されるために精進を続けて頂きたいということを、改めてこの機会に 国民、都民を代表して熱願する次第でございます。  先程、師団長の言葉にありましたが、この9月3日に陸海空の3軍を使ってのこの 東京を防衛する、災害を防止する、災害を救急する大演習をやって頂きます。今日の 東京をみますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返し ている。もはや東京の犯罪の形は過去と違ってきた。こういう状況で、すごく大きな 災害が起きた時には大きな大きな騒じょう事件すらですね想定される、そういう現状 であります。こういうことに対処するためには我々警察の力をもっても限りがある。 だからこそ、そういう時に皆さんに出動願って、災害の救急だけではなしに、やはり 治安の維持も1つ皆さんの大きな目的として遂行して頂きたいということを期待して おります。  どうか、この来る9月3日、おそらく敗戦後日本で初めての大きな作業を使っての、 市民のための、都民のための、国民のための大きな演習が繰り広げられますが、そこ でやはり、国家の軍隊、国家にとっての軍隊の意義というものを、価値というものを 皆さんは何としても中核の第1師団として、国民に都民にしっかりと示して頂きたい ということをここで改めてお願いし、期待して、本日の祝辞と皆さんに対するお礼と 期待の言葉にさせていただきます。頑張って下さい。