〒656−0121
兵庫県南あわじ市山添280−2
Tel 0799−45−1131
FAX 0799−45−1133

 

       

一般不妊治療
  ・タイミング療法
  ・人工授精:AIH(Artifical Insemination with hasband's semen:配偶者間人工授精
高度不妊治療
  ・体外受精・胚移植:IVF-ET
  ・顕微授精・胚移植:ICSI-ET
  ・受精卵(胚)凍結保存 および融解胚移植
  ・精子凍結保存
  ・補助孵化(アシステッドハッチング)

一般不妊治療
 タイミング療法
 人工授精:AIH(Artifical Insemination with hasband's semen:配偶者間人工授精
 通常、膣内に射精された一部の精子しか子宮の中に入り込むことができません。  入り込んだ精子は子宮内を泳ぎ、卵管内を遡上し卵子との出会いの場である卵管膨大部と呼ばれるところに達します(詳しくは『精子のお話』を読んで下さい)。 精子の数がちょっと少ない(乏精子症)、運動率がちょっと悪い(精子無力症)場合卵管膨大部まで遡上し卵子と出会える精子の数が少なくなり、受精する確率が悪くなります。 そこで直接子宮腔内に柔らかなチューブで精子を注入して卵子と出会う精子の数を増やしてあげる方法を人工授精と言います。  子宮腔内の容積(0.5cc)は小さいため、通常射精される3cc程度の精液全てを注入することができません。また、精液には雑菌や子宮を収縮作用を持つプロスタグランジンと言われる物質が含まれているため、精液を洗浄しこれらのものを除去し精子を濃縮します。当クリニックでは、この洗浄濃縮した夫の精子を用いた配偶者間人工授精(AIH)を行っています
一般不妊治療
 タイミング療法
人工授精の実際
(1)子宮や卵管、卵巣などが正常であることが前提であり、軽度〜中度男性不妊の方などが対象となります。
(2)人工授精は排卵の時期に行います。したがって、超音波で卵胞の発育を観察しながら排卵される時期を探します。
(3)人工授精に合わせて精液を採取持参してください(精液採取に際して )。
(4)持参頂いた精液の洗浄濃縮には30分程度かかります。同時に洗浄濃縮する前後の精子性状を検査します。
(5)細く柔らかなチューブで子宮腔内に洗浄濃縮した精子を注入します。痛みもなく、人工授精自体は2.3分程度で終わります。しばらくそのまま安静にして頂いた後お帰り下さい。


ちょっと豆知識
平成14年11月9 10日神戸で開催されたIVF研究会より話題をひとつ。
 覚えている方もあるでしょう? 約2年前、『HIV(エイズウィルス)に感染した夫の精液よりウィルスを取除き、人工授精でHIV陰性の子供が生まれた』 かってHIVウィルスの感染は、血友病や同姓愛者間っといった方々に多かった(表現が不適切であれば、申し訳ございません)。しかし、わが国で新たに発見される多くのHIVウィルス陽性者はセックスによる感染が原因であると推測される。体液、つまり精液中に存在するウィルスによる感染。精液よりHIVウィルスを除去できれば(技術的には難しくない)、妻や子供に感染させることなくお父さんになれるのです。 が! 問題は、本当に精液からHIVウィルスが除去できたのかという検査方法の感度。限りなく(-)であることは間違いはないのでしょうが、ゼロであるのか?
・平成14年11月中頃、『HIV(エイズウィルス)に感染した夫の精液よりウィルスを取除いた人工授精で妻が感染』との報道がありました。この悲劇は倫理委員会を経ることなく実施された医療行為であり、誤ったウィルス除去法であったことを本大学病院が認めている。無責任かつ許されないことである・・・・我々不妊治療に携わる者たちにも大変ショックな記事でした。
高度不妊治療
体外受精胚移植
 治療への準備
 カウンセリングをお受けください。 治療や費用について十分に時間をかけご理解頂けるまで説明致します。  また、不妊講座の受講をお勧めします。より一層の理解を深めて下さい。
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過排卵刺激(お薬にて卵子を育てます)
 自然の性周期では、頭の中にある視床下部というところより分泌されるGnRHというホルモンが脳下垂体というところに作用して卵巣で卵を発育させるホルモンを分泌させます。このホルモンにより卵胞が十分大きくなった時点(卵の発育と同期して大きくなる卵胞の直径が18_を超える)でLHというホルモンが脳下垂体より一気に分泌され排卵がおこります。

 自然周期では1周期に1個の卵が排卵されるにすぎません。 不妊治療では数個の卵を育て採取することが必要なため、卵を育てるホルモンをやや過剰に投与し複数の卵採取します。まず、自然の性周期をGnRHアナログ(商品名スプレキュア)の点鼻薬で止めてから、卵を育てるホルモンの注射により複数の卵子を育てます。また、GnRHアナログにはLHの分泌も抑えることができるため、せっかく発育した卵が知らない間に排卵してしまうことを防ぎます。過排卵刺激を行わず自然の周期で採卵する場合もあります。排卵誘発に要する日数やホルモンの量は、排卵誘発に対する反応の違いによりかなりの個人差があります。カウンセリングにてじっくりとお話させて頂きます。
 ・来院(採卵当日)
 採卵(卵子を吸引採取すること)の30分前には来院してください。スタッフがお部屋に案内致します。手術着に着替えてしばらくお待ちください。 お部屋は全てバストイレテレビ等をそろえた個室となっておりますので、ご帰宅していただけるまで(数時間の安静)ご主人様がお待ちいただいても結構です
採卵
 卵胞(約2cmの袋状の中に卵子が卵胞液に満たされた状態で存在)を超音波で確認しながら卵胞液ごと長い注射針で穿刺吸引します。(痛みを伴いますので、静脈麻酔を致します) 採取した卵胞液の中から顕微鏡下で卵子を探し出し、一定の時間培養した後ご主人の精子を加え培養を継続します。卵子と精子を一緒に培養することを媒精といい、卵子1個に対し数万程度の運動精子を一緒に培養することで自然に受精するのを待ちます。
 精子の数が少ない、運動性が良くない場合などでは、顕微授精と呼ばれる方法で強制的に受精させます。
採精
 採卵後ご主人様に採取していただきます。当日来院できない場合、当院でお渡しする容器に自宅で採取し、奥様がお持ち頂いても結構です。予め精子を凍結保存しておく方法もあります。
媒精・胚培養
 媒精とは、数時間培養した後(採卵直後の卵はまだ受精する能力がない)元気のよい精子と一緒に卵子を培養することです。媒精より16〜18時間、つまり採卵翌日に顕微鏡下で確認される雌雄前核の存在をもって受精と判断します。
新しい培養液に交換し培養を継続し、翌日大部分の卵が4分割します。
胚移植
 受精卵は胚と呼ばれ、通常採卵の48時間後に4分割した胚を超音波で着床する子宮内膜の位置を確認しながら、柔らかな細いチューブで非常に微量の培養液と共に胚を戻します。(痛みはありませんので、麻酔は致しません)
 胚移植では、子宮に刺激を与えないで行うことが重要です。他の施設でも多く使用されている富士システム製のIVFカテーテルは、タグチIVFクリニック院長 田口俊章先生と当クリニックEmrryologist菊池 宏の改良考案が採用されて製品化されたものを使用しています。
顕微授精
 卵子と受精するためには透明帯という卵を被っているゼラチン様の膜を精子の持つ酵素で破り中に入る必要があります。そのためには多くの元気な精子が透明帯にぶつかりながら少しずつ孔をあけていかなくてはならないのです。受精のためには元気な精子がたくさん必要となる理由はこのようなところにあるのです。しかし、顕微授精では卵1個に対して生きている1匹の精子あればよいのです。
 十分元気の良い精子があっても受精しない(受精障害)でも顕微授精では受精させることができます。また、全く動いていなくても生きている精子(動いていない精子が全て死んでいるとは限りません)があれば、受精可能です。

顕微鏡下で卵子(約0.1mm)をストロー状のもので吸引保持させます。一匹の精子を吸い込んだ直径0.008mmのガラスピペットで卵に精子を注入します。
 現在、卵細胞質内精子注入法:ICSIと言う方法が顕微授精の主流となっています。ICSIは、1992年にベルギーで初の成功を収め、遅れること2年日本初の朗報は1994年に報告されました。体外受精で受精させるためには、卵1個に数万の精子が必要なのに対し、ICSIでは生きている1匹の精子で受精させることができる究極の受精方法なのです。 しかし、卵子の細胞質内に1匹の精子を注入するというミクロン単位の仕事であるため、当然熟練された高度テクニックが求められます。 ICSIは男性不妊における究極の受精法であることは事実なのですが、通常の体外受精同様、十分に成熟した卵にしか実施できません。当クリニックではICSIを実施した卵に対する受精率はほぼ100%ですが、ICSIを実施できなかった卵を含めると採取した全ての卵に対しての受精率は90%を超えることができません。
GV:germinal vvesicle(卵核)を持つ未熟な卵。やがて第一次減数分裂が始まり卵核崩壊(GVBD)する。 この段階ではICSIを行えない。  
 さらに成熟が進み第一極体を放出、第二次減数分裂中期を迎える。 採卵された多くの卵がこの段階にあり、ICSIが可能となる。
 ICSIより15〜18時間後、もうひとつの極体(第二極体)を放出し第二次減数分裂が終わる。 卵実質には卵と精子由来の前核が出現する(この観察をもって受精と判定します)。 やがて両前核が融合し分割が開始される。
・透明帯開孔法
 媒精(精子と卵子を一緒に培養すること)時において、透明体の一部を開孔して精子が卵子内に侵入易くする方法。1989年に初めて妊娠分娩が報告され、日本初の妊娠報告は1992年であった。
・囲卵腔内精子注入法(SUZI)
 囲卵腔に数匹の精子を注入する方法。1988年に初めて妊娠分娩が報告され、日本初の妊娠報告は1992年であった。
・卵細胞質内精子注入法(ICSI)。

 歴史的には最も古く、動物の受精生理学の基礎的な研究に用いられていた方法であるが、人での成功例は最も遅く、1992年に初めて妊娠分娩が報告され、日本初の妊娠分娩報告は1994年であった。
受精卵(胚)凍結保存 と 融解胚移植
 体外受精や顕微授精を行う場合、過排卵刺激によりたくさんの卵を発育させてから採卵します。 多胎防止のため、それぞれの術式で得られた胚の移植は最多でも3個としています(その際移植しなかった胚を余剰胚といいます)。 余剰胚を凍結保存しておくことで、移植した胚で妊娠が成立しなかった場合、融解して移植することができます。 これを凍結胚融解移植といい、煩雑なな過排卵や採卵などの時間的.経済的.肉体的負担を軽減することができます。しかし、凍結保存胚は凍結あるいは融解の過程で20〜40%が死滅します。特に形態的に良好ではない胚は細胞的に弱く凍結保存できないことがあります。  

 凍結方法には緩慢凍結法とガラス化法(ビトリフィケーション:Vitrification)があります。
緩慢凍結法−胚をそのまま凍結すると細胞内に小さな氷片がてき、細胞内の小さな器官が破壊される(液体の結晶化。例えば、氷ができる前に冷凍庫を開けた時を思い出してください。水の中に霜柱のような尖った氷片を見た経験がありませんか?このような大変細かい氷片が細胞内の小器官に突き刺さり細胞を壊してしまうのです) そのため特殊な凍結保護液で胚を処理した後、プログラムフリザー(冷却する温度と時間をコンピューター制御)を用い、2〜3時間かけて凍結し液体窒素中(−196℃)で保存します。

ガラス化法(ビトリフィケーション:Vitrification)−『液体が結晶化することなく粘性が高まりガラス状に固体化する』ことを表しています。?わかりますか? わかりにくいですよね。 つまり、ビトリフィケーション用の特殊な凍結保護液で処理しながら急速に(時間で言えば全工程で6分程度)凍結することで氷ができないように凍らせます。
へぇ? ですよね
 つまり、氷片によって細胞を壊されないように特殊な凍結保護液で処理し急速冷却することで液体が固体になります。

 当クリニックでは、理論的に細胞生存性の高いビトリフィケーション:Vitrificationを採用しており、凍結保存した胚を融解し約1日間培養して発育する胚のみを移植対象としています。
 
凍結保存していた胚を特殊な処理をしながら融解し顕微鏡で観察すると生きているか死んでいるかがわかります。しかし、形態的に生きていても発育しない胚があります。したがって融解後培養し発育する胚のみを移植することで妊娠率が上がります。(菊池宏ら:ヒト融解胚移植における融解後胚培養による卵割評価の有用性.産婦人科の実際,48:1397-1401,1999 より)

治療成績
 2003年から2006年7月末時点(体外受精.顕微授精.凍結融解胚移植.自然周期採卵の全て)
 ・対患者妊娠率 58.8%(患者さんあたりの妊娠率 回数当りの妊娠率ではありません)
自治体による不妊治療費助成制度・医療費控除について
  不妊治療に要する費用の大部分が自己負担となっております。 少しでも負担を軽減するためにご利用下さい。 また、医療費控除(確定申告)もご利用されてはいかがでしょうか

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