スミレの部屋 2005年(2)
低山のスミレが終わり続いて高原、亜高山帯へ
会いたいスミレはまだたくさんあります


 キスミレ

 探していたキスミレにとうとう会えました。ほんとうに最後の最後のチャンス、この週を逃したら今年はもう諦めなければならなかったでしょう。この春は山の雑誌のスミレ特集にとりあげられたことから、特に人気が高まったようです。低山に咲くが故の宿命でしょうか、開発や乱獲のために個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。いつまでも咲き続けてほしいから場所の公開は控えます。数あるスミレの中でも黄色い花は珍しく、夏の高山以外で咲くものはこのキスミレが初めての出会いでした。輝くように鮮やかな黄色の花弁。花と葉の形、大きさのバランス、全体的にとてもまとまりが良いと思います。キュートで愛らしいスミレ。可愛くてしばらく見入ってしまいました。会いたくて会いたくての気持ちが最高潮の時に想いが叶ったせいか、今年初めて出会ったスミレの中でもちろんダントツ一位のお気に入りです。  (2005.5.21)


 戸隠高原と上高地で

 急に決まった旅行で予備知識もないまま、どんなスミレに会えるのかワクワク、まずは戸隠森林植物園へ。入口に紅紫色のミヤマスミレがたくさん。明るい緑の柔らかい葉っぱに囲まれて表情がとっても可愛い。水芭蕉そっちのけでスミレを探すと、日本海側の多雪地帯の代表格のスミレサイシンが2株残っていた。会うのは二度目だけど、花びらが丸っこいし旬が過ぎているせいか雰囲気がずいぶん違って見えた。
 芽吹きの美しい上高地では大正池から河童橋まで自然研究路を散策。お花が多い。遠目に黄色い花の大きな株が見えたので近づいてみると、おおびっくりオオバキスミレ。思いがけなく2回続けて黄色いスミレに出会えた。でも先週のキスミレに比べると、唇弁の筋が黒々として厳つい顔つき、あまり繊細さが感じられないスミレだった。いつもはあまり目に留まらないニョイスミレがここでは妙に活き活きしていて新鮮。
 戸隠でも上高地でも一番目についたのはオオタチツボスミレ。タチツボスミレによく似ているが、距が白く唇弁の網目がはっきりしていて見分けは簡単。あちこちで群落になっていて、普段ありふれて見飽きたタチツボスミレを探すほうがむしろ難しいくらいだった。 (2005.5.26〜27)


 初夏の尾瀬

 水芭蕉の尾瀬でスミレ探索とは、去年までの私だったら考えられないこと。オオバタチツボスミレが今回の主目的です。北海道以外では、中部以北の高層湿原でのみ見られるとか。久しぶりの尾瀬ヶ原、水芭蕉やお花たちを愛でながら風景を楽しみながらのんびりと、でも視線は隈無くあちこちに走らせながら木道を歩いて行きます。なんて素敵な時の流れ・・・。ああっ、薄紫色の集団!中田代の川べりにオオバタチツボスミレが群生していました。遠目にもかなり大型なスミレです。まとまった群落ですが近寄ることは不可能。でも山の鼻に戻って周りを散策してみると、木道の縁に数株咲いていてくれました。背が高い、花も葉も大きい、距が太く短い、托葉は全縁、葉の基部は重なり合うように丸まっていて、どこをとってもタチツボスミレの特徴とは異なります。何故にこの名前? ともあれ想像よりずっと華やかで綺麗なスミレでした。
 鳩待峠から山の鼻間ではオオバキスミレが花盛り。上高地ではあまり好きになれなかったけど、ここのは楚々としてかなり可愛かったです。お花の表情、蕾み、葉の付き方、根生葉、たっぷりと観察。帰りは雨に濡れて、黄色がさらに鮮やかに輝いていました。  (2005.6.10)


 開きかけの愛らしさ

 スミレが周りでたくさん咲いているとなかなか目がいかないものですが、開きかけの蕾には開ききったスミレとは違うなんともいえない可愛らしさがあります。ちょっぴり恥ずかしげにうつむいて、健気で、それでいて秘めた可能性を感じさせてくれるような。寒い日陰の林道でヒメスミレサイシンのほころんだ蕾み(最下段右)をたったひとつ見つけたとき、南側の道ではきっと咲いてる!の確信を得ましたが、その期待通り満開の花が迎えてくれたことがありました。 オトメスミレ(上段右から2番目)は、蕾みのほうが特徴をとらえやすいみたいです。 エイザンスミレの蕾(2段目左)は、いまにもポッと音をたてて開きそうです。その瞬間を観察できたらとても楽しいでしょうね。


 美人コンテスト

 コンテストと銘打ってみても駒不足は否めません。本格的にスミレに興味をもって今年は2シーズンめ。毎回何百枚も写真を撮ってはパソコンで開いてガッカリの繰り返しです。肉眼ではとても可愛かったスミレも、微妙な色が再現されていなかったり、角度が悪くて蘂が映らずに間抜けだったり、葉とのバランスが悪かったり、はたまたボケていたりで、満足できるものは奇跡的といえる確率です。美人さんを撮るにはどうしたらいいのかな。手当たり次第にバチバチではいけないですね。まずは美しい被写体を捜すこと。まさに開いたばかりのピンとした花びら、葉もきちんと整った株です。それから一番きれいに見える角度をあれこれと試してみる、適正な露出を考える、まわりの枝や他の植物を邪魔にならないように整理して・・・。頭ではわかっていてもこれを毎回全部クリアするのは難しいものです。来シーズンの課題ですね。


 

 すみれ咲いたら
2006年からの「スミレの部屋」はこちらです。
ブログの手軽さでたくさんのスミレを見せていけたらと思っています。
あくまでもHPのリニューアルが前提にあるのですが・・・。

   
 スミレ同定チャレンジ!
『たけさんの山あるき』のたけさんは類い希なる探求心の持ち主。
スミレ初心者のために同定のポイントを分かりやすく説明しています。
ぜひ覗いてみて下さい。写真がとっても綺麗です。 
 
 


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