そしてドングリは大きくなった 7/31

 レベルの低い争いの事をよく「ドングリの背比べ」というが、一昨年くらいまでの阪神の選手はどの選手も1軍半っていうレベルの様に感じられたモノだ。だから普通2軍が強い時は1軍もレベルアップして強いものだが、2軍は首位そして1軍は最下位という事が多く、どの選手も2軍ではトップクラスなのだが1軍ではモノ足らないという状態が続いた(その頃の1軍の選手を評してこの程度の選手やったら巨人では2軍やなと言われたものだ)。一昨年野村監督がF−1セブンと銘うって赤星、藤本、沖原、田中秀太ら機動力を使える選手を使い(しかし貧打に泣かされたモノだが)、それが今やっと開花しようとしている。

 今年の阪神の快進撃の要因は色々あるけれどキーワードは「リベンジと危機感」だと思う。片岡選手、藤本選手のリベンジ、赤星選手、矢野選手、浜中選手、桧山選手の危機感があると思う。そして今回取り上げたいのは藤本選手だ。彼は、去年の春季キャンプで星野監督に「あの子は守備だけやと思っていたけど打撃もいいやん」と認められ、開幕ショートスタメンを手にした。しかし極度の打撃不振や怪我などで結局2軍と1軍を行ったり来たりのままでシーズンを終わってしまった。他のショートを争っていた選手(沖原、秀太、関本、上坂)もいまいちぱっとした成績を残せないままだった。しかしシーズンが終わり与えられたポジションを手に出来なかった悔しさを藤本選手は噛み締め努力したのであろう。そのことや今年久慈選手が阪神にカムバックして来た事でなお一層レギュラー取りは熾烈になってきた。相手チームに勝つ前に味方選手と競争が激化した事がショートのポジションの選手に成長を生んだ。そして開幕し藤本選手は8番バッターとしては脅威の3割超で一時は首位打者になったこともあった。そうなったとき去年までどっこいどっこいの成績だった他の選手は非常に危機感を持ったと思う(もう今までみたいにチャンスは無いぞ、と)。と同時に「サルゲッチュ(藤本選手のあだ名)があれだけ出来るんだから俺達だって」と思ったはずだ。そしてチャンスが有ればとって替わろうと牙を研いでいたのだと思う。だから沖原選手や久慈選手、秀太選手は出てきた時は必ず活躍する。去年までのどの選手出しても(ぱっとせず)一緒って感じじゃ無くどの選手もベンチに置いておくのはもったいないという感じになってきている。ほんとドングリは大きくなった訳である。

 これがFAでノリが来ていたらこうはならなかったと思う。あれだけのビックネームが入ってきたらドングリさん達は皆あきらめてすごすご2軍行きだったはずだ。そして今年のノリだったら怪我に泣かされショートのポジションはちょっと無理って事になり3塁を守らざるをえない、そうすると片岡やアリアスを上手い事使う事も難しくなり、そしてショートに替わって入った選手は去年と同じく日替わりで固定出来ないって事になりかねなかったと思う。(ノリ、近鉄に残ってくれて有難う!近鉄にとってもよかったしね。)FAは本当に両刃の剣なのだと思う。ビックネームを獲って来る事が今居る若手選手のやる気を削ぎ腐らせてしまう可能性がある。その事が長期的に見て戦力をダウンさせている事に繋がるのだと思う。(ジャイアンツが最たる例)

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